ダイロス〜永遠の生を望んだ男2019年11月04日 17:19


ダイロス・スケッチby fumiko

ダイロスは、サラファーンの星四部作を通しての一番の悪役です。
悪役という表現が妥当かどうかはわかりませんが、フィーンの世界から、
彼らの至宝、サラファーンの星を奪い、世界のバランスを崩し、
永遠の命を望んだ男として、
また、世界中を巻き込む戦争を起こした男として、登場します。

絶世の美男で、ギリシャ彫刻のような肉体、カリスマがあって、
頭脳明晰、芸術にも秀でて、武術の達人であり、魔術をも操る。
第三巻『盗賊と星の雫』の、恩師ガリウスとの久々の対面から
第四巻『星水晶の歌』の終盤、ランドリアとの一騎討ちにいたるまで、
彼(および、彼のシーン)を描くのは、とてもチャレンジングで、
わくわくどきどきして、楽しかったです。

そして、それ以上にチャレンジングだったのは、公式サイト用に
彼のイラストを描く作業でした。
こちらは楽しいんじゃなく、もう難行苦行!
何度投げだそうと思ったことか。

キャラクターのイラストは、まず、ラフスケッチを荒川ディレクターに
チェックしてもらうところから始まるのですが、
ダイロスに関しては、何度もだめ押しが出て、泣きそうでした(T_T)
(でも、荒川ディレクターから、ダイロスのイラストがないのは
まずいんじゃないですかね、と言われていて、やめるわけにいきません。)

いつも頭にあったのは、わたしの年代の人はわかると思うんだけど
「美男といえば、アラン・ドロン」
わたしも、中学生の時、大ファンでした。
頭の中には、彼の映像がいっぱいあります。
手もとには、古い映画のパンフレットもあります。
そして、本当に便利な世の中になりましたが、ネット上には彼の写真がいっぱい。

あれこれ参考にしながら、ようやく完成したのが上のイラストです。
本当は、もっと、カリスマ性を出したかったのですが、これが限界!
ということで、スキャンしてデータを渡し、
いつものように、チャーミングなデザイナー、畠山さんにCGにしてもらいました。

(あとから、二重まぶたの眉頭の下の部分が、長すぎることに気がつき、
急遽、修正テープで訂正した下のイラストを送って、
「こんなふうに直しておいてくださ〜い」と、面倒なことをお願いした、
問題の多い依頼主です。反省。。。)

ダイロス・スケッチ(部分)by fumiko

髪の色は、プラチナブロンドに近いイメージなのですが、畠山さんに色をつけて
もらったところ、プラチナブロンドだと、輪郭がはっきりしなくて、
ちょっと優しいイメージになってしまったので、結局、普通のブロンドっぽくして
もらいました。

最初にイメージにあったのは、ジュード・ロウなのですが(金髪碧眼だし)、
彼もやっぱり、ちょっと優しすぎるかな……。
アラン・ドロンは、黒髪のところが、ダイロスと違うけれど、
冷たいイメージも出せるんですよね。
(『若者のすべて』みたいに、優しい男を演じても、すごく雰囲気あるのですが。)

さて。ダイロスのイラストは、恩師のガリウスとともに先日公開して、
相関図のイラストは、残りあと、フェルーシア、ハル、ステランです。
実は、すでに完成しているのですが、現在、荒川ディレクターが取り込み中の模様。
手が空き次第、順次公開予定です。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』主演二人の絶妙なケミストリー2019年11月12日 21:03


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

世界で大ヒットした映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が、

間もなく、新たなシーンを加えた10分拡大版で帰ってきます。

11月15日(金)から28日(木)までの二週間限定上映です。

 

それにはどんなシーンが追加されるかわからないのですが、

ここで先日観た通常版の紹介を・・・。

 

舞台は1969年のハリウッド。主人公は二人の男。

ディカプリオ演じる、ちょっと落ち目のテレビ俳優リック。

黄金時代のエネルギッシュでポップなハリウッドで、

映画俳優として新たなキャリアを開こうと奮闘中。

かたや、ブラッド・ピット演じる、リックのスタントマン、クリフ。

リックが個人的に雇っていて、運転手兼雑用係。テレビのアンテナが

壊れれば、ひょいと屋根に上がって直すのもお手のもの。

 

ハリウッドの高台にあるリックの邸宅の隣に『ローズマリーの赤ちゃん』で

一躍名を馳せた新進気鋭の監督ロマン・ポランスキーと、

その新妻で女優のシャロン・テートが越してきて、物語は動きだします。

そして、観客もドキドキしはじめる仕掛けになっています。

なぜなら、この1969年の8月9日、身重だったシャロン・テートは

その新居で、友人とともに、狂信的カルト集団に惨殺されたのですから。

 

当時、わたしは9歳。シャロン・テート事件として、

日本でもセンセーショナルに報道されました。

大人にとってもそうだったでしょうが、なぜそんな残酷なことをする人がいるのか、

事件は、子どものわたしにとって、夜も眠れなくなるくらい衝撃的でした。

 

タランティーノ監督にとっても、その事件はずっと心にあったのでしょう。

この作品を見ると、それがよくわかります。

「ラスト13分。タランティーノがハリウッドの闇に奇跡を起こす」と

リーフレットにあるので、最初からちょっとネタバレという感じですが、

そこは狙ってそうしているのでしょう。

 

この作品のポイントは、クライマックスとなるその運命の日何が起こるか

ということと、その鍵を握るリックとクリフーー

ディカプリオとブラピのケミストリーの絶妙さにあります。

この二人が、なんともいい味のコンビに仕上がっていて、

どちらも肩の力の抜けた演技で楽しませてくれました。

リックが8歳の女優役の少女と話すシーンとか、

誰にでも優しいクリフが、がつんと言うべき相手には、

がつんと言う(というか、がつんと殴る)シーンとか、

それぞれのシーンも、見応えたっぷりです。

 

『大脱走』のオーディションが出てきたり、

あの『ゴッド・ファーザー』のアル・パチーノが、さすがの存在感で登場したり、

小さなお楽しみもたくさんありますが、

なんといっても、二人の男の(おしつけがましくない)友情がよかったです。

こういうバディもの、とても好きです。

クリフと愛犬ブランデーのコンビも、あなどれません。

(ブランデー、ぶさ可愛く、忠犬ぶりも半端じゃないんです。見終わったあと、

後ろの女の子が「あんな犬、ほしい〜」と叫んでいました。)

わたしも『ママはシングル』という小説で、ブランデーという名の犬を

登場させているので、なんだか嬉しくなりました。

 

そしてラスト。現実にはそうならなかったことを、わたしたちは知っているのだけど

せめて映画の中だけでも、ああ、よかったねと思えて、ちょっとほっとしたのでした。