同級生はヤングケアラーだった ― 2022年09月06日 17:54
鳥の言葉がわかったら…… ― 2020年03月28日 10:28
わたしはしゃべらない子どもだった〜場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)の子どもたち ― 2019年12月20日 12:17
わたしの書く物語には、シャイで内気なキャラクターがしばしば登場します。
たぶんわたし自身がそうだからかな、と思います。
幼いころ、わたしは本当にしゃべらない子どもでした。
通っていた保育園では、誰とも話しませんでした。
どういうわけか、自分でもわからないけれど、声が出なかったんですね。
ただ、家に帰ったら家族とは普通に話したし、
一緒に保育園に通った隣のたかちゃんとは帰ってから毎日遊んで、そんな時は
ちゃんとおしゃべりしたのですが、一歩外に出るとまったく話さなかったのです。
小学校に行く前の年、幼稚園に上がりましたが、
そこでも、長いあいだ誰ともしゃべりませんでした。
ところが、何がきっかけだったか今では覚えていないのですが、
あるとき「しゃべった」んですね。
そうしたら、みんながまわりを囲んで、
「あーって言ってみ(言ってごらんの方言)」「いーって言ってみ」
と次々いいました。
そして、みんなが飽きるまで、そんなことが二日か三日続いたのを覚えています。
その話をかっこちゃん(図書館の運動の記事で紹介した作家の山元加津子さん)
にしたら、もしかして、場面緘黙(かんもく)症だったのかもと言われました。
かっこちゃんは、長年、石川県で養護学校の先生をしていたのですが、
同じような子どもにたくさん出会ったというのです。
え? なになに? そんな言葉は初めて聞いた、と思いました。
(姪と甥が自閉症スペクトラムだから、いろいろ勉強したし、
大学のゼミは児童発達心理学だったのに!)
でも、もしかしたら、知らない人の方が多いかもしれません。
場面緘黙症(選択性緘黙症ともいうようです)とは、
家族とは問題なく話せるのに、家族以外の者や、保育園や学校などでまったく話せない
状態が一か月以上続くことだそうです。
おとなしい子どもに多いので、内気さから話せないとか、わざと話さないと誤解される
場合もありますが、そうではなく、また、本人もなぜ話せないかわからないとのこと。
あ~~~まさに、わたしもそれだ! と、びっくり仰天。
長いあいだ、なんだかわからなかったことが氷解し、とってもすっきりしました。
変な子どもだったと思っていたけど、違ったんだ。
わたしだけじゃないんだ、と知って、心からほっとしたのです。
(ありがとう、かっこちゃん。)
内気な子どもに多く発症するので、単なるおとなしい性格というのと区別が難しいけど
症状が非常に強く、一か月以上(時には、わたしのように何年も)続くそうです。
小さいときに周りが気づけば、症状も早く治りやすいようですので、
場面緘黙症というものがあるんだよ、それはこういうものなんだよ、という
社会の理解が進んでいくように願っています。
(写真の天使は、昔ドイツを訪れたとき、空港でみつけた小さな陶器の天使。
いつも、内気で無器用なわたしを見守っていてくれます。)
双子のこと ― 2019年09月17日 14:31
れんげ畑とローレアの咲く丘 ― 2019年04月08日 20:40

初めての詩と小学校の文集 ― 2019年03月19日 21:02

雪の朝 ― 2018年12月29日 15:11

最近のコメント