沖縄の心2019年10月31日 21:18

首里城が焼け落ちる映像に、言葉を失いました。
沖縄は、子どものころ家族で初めて行ったときから好きになって、
たびたび訪れています。
美しい自然とともに、琉球王国のグスクには、とても心を惹かれます。
日本の宝物であり、そしていまや、名実ともに世界の遺産。

そのひとつで、沖縄の心と呼ばれる首里城がこんなことになるなんて
信じらない気持ちでいっぱいです。
戦争で消失してしまった首里城を、今年の一月まで、長い歳月をかけて、
ようやく復元し終えたばかりだったのに……。

パリのノートルダム寺院が焼失したときにも、思いましたが、
他県に住むわたしが、これほどショックを受けているのですから
沖縄の方々の悲しみはいかばかりかと思うと、胸がつまります。
心からお見舞い申し上げます。

どうか、首里城が一日も早く再建されますよう、
美しい姿が不死鳥のようによみがえりますよう、お祈りしています。

一日も早く普段の生活が戻りますように2019年10月14日 21:26

12日の台風は、岐阜の実家で迎えました。
実家は土地が低く、たびたび浸水の被害に遭っているので、
いろいろと備えをして、ドキドキしながら過ごしました。

今回、我が家は無事でしたが、
各地のあまりの被害の大きさに、言葉を失っています。
こんなにも広範囲で、あちこちで河川が氾濫し、洪水が起こるなんて…。
連休は、コンサートを聴きに信州へ行く予定でしたが、
その大好きな美しい地方も、千曲川の決壊などで、大変なことになっています。

そんななか、昨夜のラグビーW杯のスコットランド戦、
みんな、被災地に思いを馳せて戦っていて、心揺さぶられました。
また、カナダの選手たちが、試合が中止になってがっかりしているでしょうに
釜石の土砂など台風の後片付けを手伝っている姿にも、胸がいっぱいになりました。

犠牲になった方々のご冥福を心からお祈りしています。
そして、被災地に、一日も早く、普段通りの生活が戻りますように。

『星たちの祈り』から、小さな物語を…2019年10月03日 20:55

かつて「小学四年生」という雑誌に、毎月、星たちの祈りというテーマで、
きたのじゅんこさんが絵を描かれていました。
わたしはその絵に、詩や物語を添えていました。とても楽しい仕事でした。
連載が終わると、詩画集として出版されましたが、現在は絶版になっています。
今夜は、その中から、小さな物語をひとつ…。

☆   ☆   ☆   ☆   ☆

真夜中のことです。
輝く肌をした少年があらわれていいました。
「ぼくといっしょにおいで」

少年がわたしの手をとると、わたしの部屋は消え、
わたしたちは暗黒の空間に浮かんでいました。
どんな夜よりも暗く、なんの音もない世界です。

「ここはどこ?」
わたしがたずねると、少年はこたえました。
「ここは夢が終わり、夢が始まるところ……。ごらん」
少年は、合わせた両手を静かに開きました。

すると、ほのかに光る手のあいだから、
輝く星がいくつもいくつも生まれてきました。
氷の環を持つ惑星や、
まばゆい尾を引く彗星、金と銀の二重星……。
闇の世界は、たちまち、きらめく星であふれました。

少年の手のなかには、最後にひとつ、小さな星が残っていました。
わたしがそっとのぞきこむと、
星は一瞬またたくようにふるえ、みるみる青く輝きました。

なんて美しく、なんてこわれやすそうな星でしょう。
わたしの胸は、その星への愛しさでいっぱいになりました。

少年が静かにささやくのが聞こえました。
「これがきみの住む星ーー地球だよ」

数学で戦争を止めようとした男2019年09月14日 17:22


『アルキメデスの大戦』ムビチケ

戦争と平和は、わたしにとって、生涯のテーマです。

ものごころつく前から、始終戦争の夢を見て、本当に怖かった。

ですので、誰に言われるでもなく、戦争について深く考えるようになりました。

サラファーンの星で、戦争や国家の暴走を止めようとする者たちを描いたのも

自然ななりゆきでした。

 

『アルキメデスの大戦』は、数学で戦争を止めようとした男の物語と聞いて

ぜひ観たいと思っていた作品。

写真は、生まれて初めて使ったムビチケです。

 

時は1933年。

映画は、戦艦大和の建造に邁進する帝国海軍と、開戦を止めるべく、

その海軍に挑む若き数学者の、息詰まるような攻防を描いていきます。

戦争が起こることは、史実として知っていても、

なんとか止めようと奔走する主人公を、応援せずにはいられなくて

タイムリミットが迫るなか、手に汗握って観ていました。

 

映画の主人公は実在の人物ではありません。

けれど、当時、戦争を止めようとした人たちは数多くいたと思います。

そうした人々の、叶わなかった願い、平和への祈りもこめられた作品とも

いえるのではないでしょうか。

悲惨な戦争が起こってしまったという事実を前に、

ラストの主人公の表情は、観る者の心を激しく揺さぶります。

緊張感の中に哀しみの漂う音楽も、心に残りました。

 

わたしは数学は苦手なのですが、主人公の「数字は美しい」という言葉は、

わかるような気がします。

数式を描くところは、宇宙の神秘をあらわしているみたいで、わくわくしました。

(実在の天才数学者を描いた「ビューティフル・マインド」という映画も、

数式を描く映像が、とっても素敵なんです。)

演じる菅田将暉が、猛烈な勢いで黒板に書き殴っていくのですが、

エグゼクティブ・プロデューサーの話によると、

彼は本当に数学が得意で、全部そらで覚えたそうです。

本当にびっくり!

 

その彼と、最初は反発していた部下、柄本佑とのコンビがなんともユーモラス。

やがて悲劇が訪れることを、観る者すべてが知っているなか、

そこはひとつ、ほっとさせられるところです。こういうシーン大事ですよね!

 

戦争を知らない世代が増え、平気で戦争をしようと語る政治家が出てくる時代。

こうした作品は、いまとても大切に思えます。

平和への祈り〜〈氷河〉と核兵器2019年08月09日 21:05

長崎に原爆が投下されて74年目の8月9日がめぐってきました。
世界情勢が悪くなってきている中での、8月9日。

読む方によって、自由に感じてもらえばよいのですが、わたしとしては
サラファーンの星に登場する兵器〈氷河〉は、核兵器のメタファーです。
それに、文明による環境破壊(温暖化による急激な気候変動)を重ねました。
子どものころからずっと心を離れなかった戦争というものと、
のちに衝撃を受けた地球温暖化のことが、いつしか自分の中で、
物語となってあふれてきたのだと思います。

わたしたち人間は、自分で自分の首を絞めている。
目先の利益ばかり追い求めていけば、未来の世代がつけを払うことになってしまう。
そんなことは、決して起こしてはならない。
そうした願いと警告を込めて、〈氷河〉の悲劇を描きました。

抹香臭いかもしれません。でも、そんなことは、かまってはいられませんでした。
もう、待ったなしの状況なのですから。
いがみあうのではなく、みんなで手を取り合って、世界中が協力して
平和な社会、おだやかな環境を取り戻さなくては、とりかえしのつかないことに
なってしまうでしょう。

3年前、オバマ大統領は広島を訪れ、核のない世界を訴えました。
世界はいま、あたかも時間が逆行してしまったように見えます。

けれども、平和を考え、行動をしている人たちもたくさんいます。
岐阜新聞の記事で読んだのですが、昨日は高山市に、
原爆の残り火を携えて世界を回り平和を誓う「アースキャラバン」が着いたそうです。
残り火を運んできたひとり、オーストリアのミリアムさんは12歳の少女。
参加したのは、平和と愛があふれる地球になってほしかったからだと語っています。

希望に満ちた世界を、未来の子どもたちに手渡していくため、
わたしたちにできることは、まだたくさんある。そんな思いを新たにしています。