地上が寂しくなりました2020年03月30日 23:59

志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなりましたね…。
子どものころは、ドリフターズの面白い人、と思っていたのですが、
最近では、動物の番組の印象が強くて、
動物と心を通わせることのできる優しい人と、イメージに変わっていました。
前の記事で、鳥の言葉がわかったらいいなと書きましたが、
志村けんさんなら、わかったかもしれません。

志村さんの死で、コロナウイルスの恐怖を身近に感じたと、若い人がニュースで言って
いました。そんなことを教えてくれて、最期まで優しい人だったのですね。
笑いがなにより必要ないま、地上が寂しくなりました。
そのかわり、天国がにぎやかになっているかな。長さんや注さんとコントを
していたりして……。
どうぞ安らかにとお祈りしています。

千葉の施設の集団感染もショックでした。マスクも足りていなかったそうですね。
本当に必要なところに、マスクや医療機器が、早く行き渡りますように。
どうか、感染した世界中の人たちが、一日も早く回復されますように。
そして、この大変な事態が、一日も早く終息しますように。

『行け我が想いよ黄金の翼に乗って』イタリアへの祈り2020年03月16日 14:51


スペイン階段2008年 photo by fumiko

イタリアで、コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
15日には、死者が368人増えて、1809人に。感染者は2万5千人に迫りました。
今日はさらに増えていると思います。

イタリアは大好きな国の一つ。最近では2008年にローマとベネチアを訪れました。
こちらは、そのときの写真。朝の、まだ観光客で埋め尽くされる前のスペイン階段です。
この近くのホテルに泊まり、毎朝散策しました。

最初に訪れたのは、デビュー作『ユリディケ』の印税で、5週間ヨーロッパを貧乏旅行
したときです。小さなスーツケースひとつ。安ホテルや、友だちの家に泊めてもらったの
ですが、イタリアでは、ミラノに近い故郷に帰省していたイタリア人の友だちを訪ね、
彼の家に滞在しました。
マッジョーレ湖のすぐそばの自然の美しい街です。
彼のお母さんやお姉さん、そのほか、たくさんの親せきの人たちにも会い、彼らの家も
訪ねて、家族のように受け入れてもらい、素晴らしい時間を過ごしました。

そのマッジョーレ湖は、コロナウイルスの感染が最も深刻な地域にあります。
友だちによると、いまのところ家族や親せきはだいじょうぶだけれど、
イタリアでは、病院も足りず、重症者を救う医療機器も足りず、本当に
悲劇的な状況だとのことです。
あのやさしい人たちや、旅の途上であった、イタリアの人たちの顔が、ひとりひとり
浮かびます。

悲しいニュースのなか、イタリアの街の窓辺やバルコニーで、人々が互いを励ますために
歌を歌っているとのニュースには、心揺さぶられました。

国家やオペラが歌われているとのことです。
いつだったか、サントリーホールで、イタリアで国歌と同じように愛されている歌
『行けわが想いよ 黄金の翼に乗って』を聴いたことを思い出します。
アッシジの合唱団だったと思います。

オペラ「ナブッコ」の中で、故郷をしのび、
預言者の黄金の竪琴よ、美しい響きを奏でて、苦しみに耐える力をあたえてと
願い祈る歌です。
苦難のときを耐えるイタリアに、美しい響きが降り注ぎますように。
明るく陽気な、そして、美しい景色や芸術にあふれるかの国が、ふたたび力を
取り戻しますように。

友だちは、イタリアと、世界のために祈ってくださいといいました。
どうか、ひとりでも多くの人が助かって、ひとりでも感染者が少なくて、
一日も早く、ワクチンや治療法ができて、それが行き渡りますようにと祈り続けています。

3月11日の祈り2020年03月11日 16:41


河津桜

あの日から9年が過ぎました。
岐阜の実家から名古屋の妹の家に向かう高速で、横揺れが来たことを思い出します。
強風だと思ったのに、妹の家につくと、「お姉さん、大変なことになっている」と…。
テレビの画面に映し出される津波の映像に、言葉を失いました。

その夜、帰りの高速は、一般の車はほとんど走っていませんでした。
だから、道はとても暗かったです。
その暗いなかを、自衛隊の装甲車が、赤いランプを点滅させながら、次々と東京方面へと
向かっていくのと、何度もすれ違いました。
ずっと鳥肌がたったまま、運転しながら、
「どうかみなさん無事でいて。そして、どうかたくさんの人たちを助けてください」
そう願い、祈ることしか、できませんでした。

二年前、4部作の最後の入稿をおえたあと、初めて被災地を訪れました。
津波の爪痕がくっきりと残る大地。語り部の方の、壮絶な「あの日」の体験。
それを聞いたわたしでさえ、まだ心の整理ができないような、むごい事実……。
天災と人災。ふせげたかもしれない、守れたかもしれない命も、
たくさんあったということ……。

コロナウイルスの脅威が大きくなるなか、迎える、10年目の3月11日。
そのために復興が遅れることなく、日々着実に進みますようにと願っています。

そして、亡くなられた方々の魂が安らかでありますように
いまだ行方のわからない方々が、一日も早く見つかりますように
仮設住宅に住んでいる方々、故郷を離れている方々が、
新しい住まいで暮らせたり、故郷の家に戻れますように
心からお祈り申し上げます。

すべての人生に意味がある2020年01月21日 10:18

ジョサは若い主人公のひとり。鍵盤楽器を奏で、作曲もする音楽家です。
サラファーンの星四部作の中で、もっとも純粋で、もっとも平和を愛するキャラクター。

リーヴをはじめ、登場人物には、自分の存在価値を見いだせない者もいます。
みんなと違って、自分は内気で、なんの取り柄もないと思ったり、
親に虐待され、誰からも愛される資格のない人間だと思ったり。

でも、ジョサは、すべての人に価値があると信じているし、誰の中にもそれを
見出すことができます。
オーケストラと演奏をすることがある彼は、それをこんなふうにとらえています。

いろんな声やさまざまな楽器がハーモニーを奏でるからこそ、
素敵な合唱や素晴らしいシンフォニーになるんだ。
みんなが同じだったら、つまらないじゃないか。

健常者ではない人を、必要がないって排除してしまう狭い考え方では
本当に、つまらない世の中になってしまいます。
いろんな人がいて初めて、世界には色やハーモニーがあふれるのだと感じます。
国籍の違う人、肌の色の違う人、障害のある人、ない人、性的指向の違う人、
金子みすゞがいうように、「みんなちがって、みんないい」。

19日の日曜日、名古屋市千種文化小劇場で、
「ダンスサークルトライアングル&車椅子名古屋ビバーチェ」の
ライブパフォーマンスがありました。
ダンスサークルトライアングルは、
「障がいのある方々とその家族、学生および本活動に賛同する有志で構成」
されているそうです。

自閉症スペクトラムで施設に入っている姪は、
その施設のダンスサークルに入っていて、2曲、友情出演しています。
それで公演のことを知って、母と妹夫婦と一緒にいってきました。
当日、わたしは友達のお嬢さんの講演会に行く予定があり、
前半のトライアングルのダンスだけしか観られなかったのですが、
嵐の曲やパプリカ、DA PUMPのUSAなどに乗って踊る、
とってもパワフルで、笑顔があふれる素敵な公演でした。

みんな思い切り楽しんでいるのが、こちらにも伝わってきて、
すごくハッピーな気持ちになりました。あんなに笑顔でなにかを観たのは
いつ以来でしょう。

どんな人も大切な存在で、すべての人生に意味がある。
それがわたしの信念です。

世の中にあふれる犯罪や悲劇は、自分の価値に気づかずに、悩み、迷い、
暗闇をさまよっている人たちが引き起こすこともある気がします。
誰もが大切な存在だと感じることができる社会にしていかなくてはと思います。

祈りの朝〜阪神・淡路大震災から25年2020年01月17日 21:14

阪神・淡路大震災から25年の歳月が流れました。
あの朝、岐阜の実家で、大きな揺れにびっくりして飛び起きました。
つきあげるように揺れた跡、長い横揺れが続きました。

居間の飾り物が床に飛んだほか、被害はありませんでしたが、
ちょうど、当時横須賀にいた妹が泊まりに来ていて、家族全員で起きて
テレビを付けました。最初は神戸が揺れたらしい、ということのほか、
よくわかりませんでしたが、時間がたつにつれて、燃え盛る街が映し出され
衝撃を受けました。
崩れ落ちた高速道路から、半分飛び出したバスの映像とともに、
いまも頭に焼き付いています。
大寒を前にした寒い朝。被災された方々はどれほど大変だったでしょう……。

亡くなられた人は信じられないほど多く、そしていまも、苦しんでいる方たちが
いるということを、わたしたちは忘れてはならないと思います。
そして、地震がある国に澄んでいるということ。いつどこで起こっても
不思議はないから、常に備えておかなくてはならないこと。
だからこそ、一日一日を大切に生きなくてはならないと、今一度胸に
刻まなくてはと思います。

震災で犠牲になった方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

1600本の井戸。星の王子さまの井戸2019年12月05日 17:24

アフガニスタンで支援活動を行っていたペシャワール会の医師、中村哲さんが武装グループに
銃撃されて亡くなりました。

医療活動だけでは命は救えないと、内戦と干ばつにあえぐアフガニスタンで
1600本の井戸を掘り、25キロ以上に及ぶ用水路をつくった中村さんは、
現地の人々の信頼も厚かったといいます。

その信頼関係は、
「利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さ」
(中村さんの著書「天、共にあり」NHK出版)
の上に築かれたものでした。
その言葉の重みに、心がふるえるとともに、そんな方の命が、テロリストによって
一瞬で奪われてしまったことが、あまりに理不尽で、とても悲しいです。

中村さんは、困っている人がいたら助けるのは当たり前だと話していたといい、
砂漠が緑に変わるのを見て、本当に喜んでいたそうです。

井戸というと、「星の王子さま」を思い出します。

サハラ砂漠に墜落した飛行士と、その砂漠で出逢った星の王子さまは、
どちらも喉が渇いて、一緒に井戸を探します。
そして見つかった井戸で、綱を引いて滑車を動かすと、車の回る音が響いて、
王子さまは、井戸が目を覚まして歌っているといいます。

飛行士は、きみには重すぎるからと、王子さまに水を汲んであげます。
その水は特別な水で、お祝いの日のごちそうのように美味しい水でした。
なぜなら、星空の下を歩いたあと、車の音を聞きながら、飛行士が王子さまのために
汲んだ水だったからです。

中村さんが大変な苦労をして、現地の人々のために心を込めて掘った井戸から
湧いた水も、きっと同じだと思います。

王子さまはいいました。

「水は、心にもいいものかもしれないな……」
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ……」

(「星の王子さま」サン=テグジュペリ作 内藤濯訳 岩波書店)

中村さんの中には、いつも、清らかな井戸があふれていたのだと思います。
心よりご冥福をお祈りします。