星の王子さまの切手とリーヴのポストカード2019年12月16日 17:57


リーヴ〜星の羅針盤 by Suzuko Makino
どうなるのか祈るように見守っていたCOP25。期日を延ばしたのもむなしく、
温室効果ガスの削減目標引き上げは、来年に持ち越されました。
会期中、日本は、地球温暖化対策に後ろ向きな国として、二度も化石賞に
選ばれてしまいました。

政治家や実業家は、もっと科学者の話に耳を傾けるべきなのに、本当にはがゆいし
心配です。Macも壊れるし、落ち込みがちでした。
そんなとき、牧野先生が、「星の羅針盤」の単行本版ジャケットのイラストで
ポストカードを作ってくださいました。

嬉しくなって、何人かの友だちに手紙を書いて、郵便局に出しに行くと
星の王子さまの切手が発売されていました。
先日、井戸の逸話を思い出してこのブログにつづりましたが、
本当に、大好きな物語。(早く知っていたら、星の王子さまの切手をポストカードに
はったのですが。)
アメリカの友だちの分も買いました。63円のも84円のもどちらも素敵です。
84円の方は、物語が進む順に、絵柄が並んでいて(井戸の絵も!)
それを見ているだけで、お話を思い出して、胸の奥が痛くなります。(特に右下の絵!)

星の王子さまの切手

よかったら、クリック拡大して見てみてくださいね。

王子さまが、いまの地球の気候の危機を知ったら、どんなに悲しむでしょう。
残された時間で、それぞれができる限りのことをしなければなりませんね!

『この世界の片隅に』に寄せて2019年08月03日 18:41

今夜NHKで『この世界の片隅で』がオンエアされます。

 

舞台は広島。当時日本一の軍港だった呉の戦時中の風景が生き生きと描かれ、

主人公のすずたちが、大和と武蔵を望むシーンも登場します。

海軍に所属していた母方の伯父たちも呉にいたので、そんな呉の光景が、

とても胸に染みました。

伯父のひとりは、戦争で亡くなっていますが、よく母から話を聞いたものです。

 

映画では、戦時下のすずの日常が丁寧につづられるなか、そのかけがえのない世界が

戦火によって失われゆくさまと、それでも生きようとする人々の姿が、

決して声高ではなく、静かに描かれています。

 

サラファーンの星で描きたかったことのひとつも、なにげない日々の愛おしさでした。

第Ⅰ部の『星の羅針盤』は、田園地帯を舞台にした日々の営みが中心で、

事件が少なく退屈という声もありますが、実はその中に第2部以降の伏線がたくさん

張ってあります。

そしてなにより、戦争が生活を一変する前のなにげない日常を、その喜びと悲しみを、

失われる前の最後のきらめきを、つづっておきたかったのです。

 

失って初めて、大切だと気がつくものがあります。

平凡な暮らしも、当たり前だと思っていた地球環境も……。

『この世界の片隅に』の原作者こうの史代さんは、広島出身の方だそうです。

この美しい世界を、平和でおだやかな世界を、後の世代に残したいという思いは

人一倍強く持っておられるに違いありません。

 

広島に原爆が投下されてから、七十四回目の86日がやってきます。

長崎では、89日にその日を迎えます。

進められてきた軍縮が、軍拡へと時代を逆行しようとしているいま、

手を取りあうことよりも分断が叫ばれるようになったいま、

たくさんの人に観てほしい映画です。


主人公すずの声はのん。すべてを包むようなふわっとしたやさしい声も、

平和への祈りのようで、作品世界にとてもあっています。

南フランスの崖で銀の森を想う2019年07月23日 14:59


レボー photo by Keiko

30年前、『ユリディケ』の印税をはたいて、ヨーロッパを五週間旅しました。
こちらは、イギリスにいた友人を誘って南フランスを訪れたときのもの。
レ・ボーという断崖の村で、崖の端からは、眼下にオリーブの木立が見えました。
崖に座って宙に足をぶらぶらさせて、クロワッサンを食べているところです。
(クリック拡大すると、手に持っているクロワッサンがわかるでしょうか。
古い写真をスキャンしたので、わかりにくいかな…)

馬鹿ほど高いところが好き、といいますが、
落ちたらどうしよう、なんてことは、考えなかったんですね。
壮大な光景を眺めながら風に吹かれて、とても気持ちよかったです。

サラファーンの第Ⅰ部を書いたあとの旅だったので、ちょうど、ルシタナとリーヴが
銀の森を見晴らす崖の上で、並んで壮大な光景を見つめたのは、
こんな感じだったのかなと思ったものでした。

このレ・ボー。今でこそ日本でもよく知られていますが、当時はまったくで、
南仏への電車で近くの席にいた若者に、どこかおすすめありますか?と聞いて
教えてもらったのです。
デニムで有名なニムからガタガタとバスに揺られ、山道をぐんぐん上がったところで、
古城をいただく、名前の通り、本当に美しい村でした。

『星の羅針盤』単行本の表紙とキャラクター2019年05月20日 23:10


『星の羅針盤』単行本 イラスト牧野鈴子 デザイン吉永和哉+wonder workz。

『星の羅針盤』の見本を見たときには本当に驚きました。
牧野鈴子先生のリーヴが、わたしが思い浮かべていたリーヴとあまりにも似ていたからです。

キャラクターによって、はっきりと思い浮かべて描く人物と、なんとなくイメージだけが
浮かんでいる人物とがありますが、リーヴは前者でした。
寂しげだけど、実は芯の強さを秘めた、澄んだまっすぐなまなざし。
瞳は榛色。栗色の髪はほつれ毛があって、深緑のドレスがよく似合う。
そばかすまで丁寧に描いてあったのもびっくりでした。
犬が大好きなわたしは、愛犬チェスターも描いてもらって、嬉しかったなぁ♬

去年、先生の個展で原画を拝見したのですが、吸いこまれそうに奥行きがあって
金色も繊細で本当にきれいでした。