カワウのひなたぼっこ&春の花たち ― 2025年03月14日 11:30
暖かな日が続いています。
が、実は一週間ぐらい前からちょっと体調を崩しています。
気持ちいい陽気なのにもったいないなぁ。
先生に、抗がん剤で免疫力が落ちているからと言われ、あんなに注意していたのに。
喉が痛くて頭が痛くてだるい…ということは数年ぶりの風邪(鬼の撹乱)??
毎日5000〜6000歩、少々疲れているときも、頑張って歩いていたからだと
思われます。仕事の準備も、急にギアを上げてしまったし。
そんなわけで、この数日は家でゆっくりしています。
震災のことを思ったり、ウクライナのことを思ったり、なぜかときを同じくして
友人や先輩から、悲しいお知らせを受け取ったり。なんの力にもなれなくて
人生の切なさを思います。
悲しいことがあっても、世界が変わらずに回り続けるのが、昔から不思議でした。
ただ、本当は、地球もいつまでも回り続けるわけではないですよね。
だからいっそう大切な存在なのだと感じます。
体調を崩す前、頑張って遠くまで歩いていた時、見かけた光景から、いくつか写真を。
春を感じていただけたらいいな。
まずは、池の畔でひなたぼっこをするカワウ。通りかかると、羽を大きく広げて
じっと動かない鳥の姿が。岐阜にいた頃よく見たカワウです。
最初、彫像かなにかだと思いました。あまりにじーーっとしているから。
で、わたしも動かずじっと見ていると、ゆっくりと羽を動かして、片方ずつ
たたみました。(片方をたたんだら、もう片方をまた伸ばす。)
あ、生きてる! 暖かな日だったので、カワウもお日様が気持ちよかったのでしょうね。
こちらは八重の梅。淡いピンクで青空に映えて、すっくと伸びた姿が美しかったです。
ヒヨドリが、花をつついていました。蜜が目当てかな。
公園の片隅のむらさきのパンジーや、壁にきれいに飾られたハンギングバスケットにも、
思わず目を引かれました。
パンジーの蕾って、くるくる巻いていてとっても可愛いです。
黄色いパンジーも鮮やかで気持ちも華やかになりそうですね。
来週は寒の戻りがあるそうです。
どうぞわたしみたいに風邪を引かないようくれぐれも気をつけてくださいね!
ウクライナへの祈り ― 2025年02月24日 15:24
ウクライナの地にロシアが侵攻して、今日で3年になります。
そして今、ウクライナの頭越しに、
世界の平和を守るべき、国連の安全保障理事会の大国同士が
停戦に向けて協議を始めています。
戦争が始まった当初、侵攻の直前、クリスマスを祝うウクライナの人たちの映像が、
よく流れていましたが、本当に平和そのもので、忘れられません。
希少な鉱物や資源のために、平和な小国を好き勝手に踏みにじるなど、
あってはならないこと。どれだけ資源や資産を持っているかではなく、人びとが
どれだけ豊かで寛大な心を持っているかが、本当に大切なのではないでしょうか。
世界で大規模な災害が相次ぐなか、互いに争うよりも、いかに助け合うかが
問われていると思います。
今日、散歩をしていて、ほころび始めた梅の花を見かけました。
日本各地で大雪が続いていますが、雪に閉ざされた大地にも、
ウクライナにも、光あふれる春が訪れますように。
LGBTQ+とサラファーンの星〜2:ハル・ソーン ― 2025年02月22日 12:11
サラファーンの星とLGBTQ+のお話の続きです。今日は、ハル・ソーン。
都の通信員で通っていますが、その実は、王室情報部の精鋭「第七班」の諜報員。
同じ諜報員だったロンドロンドの友人で、ディヴァレアン王子の学友。
父親のソーン卿は、第七班の長で、生まれも育ちも良いはずですが、若いときから
大いに羽目を外す問題児。
でも、大胆不敵な性格と、その知性を買われ、諜報の仕事についています。
いつもクールで、どこか世の中を斜に見ている三十代の独身男。
本人がいうには「第一夫人は酒、第二夫人は海」。
酒に強く、各国の情報を集めるため何度も航海に出て、海をこよなく愛しています。
どこから見ても、頼れる兄貴のハルですが、わたしの想像なんですけれど、
性根は優しく、感性が鋭く(そうじゃないとスパイは務まりませんよね)
繊細な一面も持っています。
第一巻では、諜報の仕事から足を洗ったロンドロンドに、昔の仕事に戻るよう持ちかけ、
第二巻で、説得に成功し、ともに命を懸けて世界を守るために奔走しますが、
これも作者の想像ですけど、ハルはずっとロンドロンドを愛していたんじゃないかな。
おそらく、学生時代、最初に会ったときから。
そのロンドロンドが、ずっと従姉のフェルーシアに恋していることは察知しているので、
自分の恋が実らないものであることも知っている。だから、決して口にしません。
そして、ロンドロンドの幸せを祈って、「(従姉に)告白しろよ」とアドバイスし
恋の行方を見守ったりしちゃいます。
書きながら、ハルの想いを感じて、ちょっと切なかったです。
父親のソーン卿も、気がついているだろうなと思いました。
それでも、第七班の長として、息子やロンドロンドの仕事を、黙って見守っている。
ハルは、諜報員としてすこぶる優秀で、物語は彼の活躍なしには成り立ちません。
第四巻で取る、彼のある行動も、もちろん、世界を救うためではあるのですが、
愛するロンドロンドを救うためだったのだろうという気がしています。
でも、いつもお伝えしている通り、それぞれの読者の方が、キャラクターも物語も、
余白の部分を好きなように想像するのが、読書の醍醐味だと思っているので、
ハルのことも、同性愛者に限らなくてもまったくOKです。
プレイボーイで、港みなとに彼女がいるかもしれないしね!
ところで、キャラクターのイラストとして、世の中を斜に見る彼には、文字通り、
斜に見ているポーズがほしかったので、荒川ディレクターのアドバイスに従いました。
すなわち、「描きたいポーズを自撮りをして、スケッチをする」。
で、男性の身体の厚みを出すために、ガウンなどをモコモコ着込んで、
その上に、知人からもらった、ゆったりしたシルクのシャツをまとい、
でーんと構えて、腕組みしました。
↓↓

逆サイドの腕とか、指とか、ああ、こうなるんだとわかって、確かに描きやすかったです。
なお、公式サイト掲載のイラストは、デザイナーの畠山さんが、わたしの素人絵を、
デジタルのイラストに仕上げてくれたものです。「砂色の髪」とかベストや柄の色合い、
そでのゴミをとってください、など、いつもながら面倒なリクエストにも動じず、
本当にありがたかったです。
今朝は名古屋でも小雪が降りました。でも、歩けるくらいで、しっかりリハビリのための
散歩をしてきました。
日本海側を中心に大雪が続いていますが、能登は特に厳重警戒だそうで、
地震や大雨のあとも大変な日々が続いていて、被災地の方々の大変さは想像もつきません…。できるだけ被害が少なく、寒波が早く過ぎることを祈っています。
渋柿とヒヨドリ ― 2025年02月01日 11:08
先生から「歩いてください」と言われ、模範的な患者として、ほぼ毎日歩いています。
体力を取り戻すには、一番良いそうです。少なくとも、抗がん剤で体力が落ちた人、という
ことかもしれませんが。
歩いていると、季節の移り変わりが感じられます。
散歩コースのひとつに、渋柿の木があるのですが、長いことたわわに実ったままでした。
それが、数日前から、ヒヨドリがやってきて、柿をつつくようになりました。
毎年そうです。渋い時には、誰も食べないのに、寒い時期が来て、甘くなると、
メジロやヒヨドリ、カラスがやってきます。
しかも、確信的にやってきて、集って食べていくのです。
匂いが変わるのかなぁ。
上の写真には、見えるだけでも4羽のヒヨドリがいます。
木全体だと、一度に10羽以上留まっています。(一枚目と二枚目は昨日の写真)
こちらは、その前の晴れた日のものです。青空を背景にすると、ヒヨドリがよくわかるかな。
で、こちらは地面に落ちた食べかすと種。種は左上の方にあります。
そして、オレンジ色のは皮なのですが、横から見ると、ま半分になっていて、
中身はきれいに空っぽです。この写真では、そこまでわからないと思いますが、
皮ギリギリまでつついてあって、縁を見ると、熱さ1ミリくらい。
お行儀がいい子が食べたのかな。
ちょっとつついただけで落っこちている実のほうが多いんだけど、これはとっても
めずらしかったので、思わず撮りました。
ヒヨドリも一羽一羽、けっこう性格が違うのでしょうね。
「疲れて当たり前よ〜」の言葉にほっとしました ― 2025年01月21日 11:07
先日、今年初めての精神科の診察に行ってきました。
「先生。2時間(それも休み休み)パソコンに向かうと、もうぐったりして、
疲れ切ってしまって、なにもできなくなるんですけど」と打ち明けると、
「疲れて当たり前よ〜! だって病み上がりなんですもん。1時間できたら御の字よ」
と先生。実に明快。
「え? たとえば家事とかやっぱり少ししても疲れるんですが、それも同じですか?」
「ええ。それも当たり前よ〜」
「じゃあ、がっかりしなくていいんでしょうか」
「もちろん! がっかりする必要なんてないわよ」
その翌日。訪問看護師さんにその話をすると、
「抗がん剤を終えた人が、一番陥りやすいのが、治りが遅く感じられて焦ることです。
自分が思っているより、ずっと長くかかると思ってくださいね。それが普通です」
そうなんだ!
体力が思うように戻らず、自分が怠け者に思えて、落ち込こんだり、焦りを感じたり
していたのですが、先生と訪問看護師さんの言葉にほっとしました。
今年は仕事に復帰したいという思いが強いのですが、一歩ずつ進もうと思います。
少しずつ、準備を進めています。やりたいことがたくさんあるのに、できないという
もどかしさを感じる自分も、病気から回復してゆく過程のひとつなのかな…。
なるべくおおらかな気持ちでいたいと思っています。
ブログもこうして少しずつ始められているので、着実に少しずつ回復しているという
ことですよね!(と、自分を鼓舞しています。)
そうそう。末梢神経障害も、まだまだしんどくはありますが、
ペットボトルやビンの蓋があけられなかったのが、今ではできます。
できないことより、できるようになったことを、数えたいと思います。私と
同じように、病気の回復途上の方がいらしたら、
「焦らないでね。疲れて当たり前なんだから」と伝えたいです。
そんなふうに療養生活をゆっくり続けるなか、世の中は大きく動いています。
アメリカの大統領が変わり、予告通りパリ協定やWHOから離脱したり、
前政権から方向転換して、「あらゆる局面に人種と性別を組み込もうとする政策を
終わらせる」とのこと。
今日からアメリカには男性と女性しかいない、だなんて…。
国連の理想とする「誰ひとり取り残さない社会」からかけ離れていきますが、
グレレス事務総長は、パリ協定から脱しても、アメリカの都市や州、企業が、
温暖化対策を続けると信じると語ったそうです。私もアメリカの良心を信じたいです。
ガザの停戦も、ようやく履行されています。どうかきちんと守られますように。
それから、LAの友人のお家は、ほぼ無事だったそうで、胸をなでおろしました。
ただ、専門業者を頼まなければならない部分もあり、今は予約がいっぱいだそうですし、
完全には鎮火しておらず、インフラも戻っていないので、まだ避難を余儀なくされています。
地震も、大雨も、山火事も、復興への道が、本当に大変なのだと感じます。
一日も早く事態が収まり、穏やかな生活が戻りますように。
冬至の夜に平和を願う ― 2024年12月21日 17:11
今日は冬至ですね。本当に日が落ちるのが早かったです。
痛ましい事件が続いて悲しくなります。世の中が殺伐としてきているのでしょうか。
それでも、世界から希望は消えていないはずと信じています。
事件でも、戦争でも、病気でも、亡くなった人たちが、彼方から安らかにこの世界を
見守っていられるような、そんな社会にみんなでしていけたらいいなと思っています。
ノーベル平和賞の授賞式も、心揺さぶられるものでした。
核は抑止力にはならないし、世界からなくしていくことこそが、平和への道だと私も
信じています。
原爆でなくなった方々に対して、日本政府がまったく償いをしていないことは
衝撃でさえあります。
戦争を始めたのは日本です。そうでなければ、原爆は落とされなかった。
被団協の方々とともに、高校生平和大使がオスロを訪れたことにも胸が熱くなりました。
若い人たちに確実に受け継がれていて、その方たちが、世界の舞台で堂々と熱心に
核廃絶への声を上げていることに、希望を感じます。私もずっとその思いを発信して
いきたいです。
福島のことを忘れて(忘れたふりをして)今回のエネルギー基本政策で、
脱炭素電源として原発を最大限活用する、と舵を切った政府の方針は、とうてい
受け入れられません。廃炉の問題ひとつとっても、原発は決して安いエネルギーでは
ないし、日本ではいつどこで地震が起こっても不思議はない国です。
いまだに故郷に帰れない人たちがいることを、忘れないでほしいです。
戦争や紛争のニュースが聞こえない日はありませんが、ノーベル平和賞の受賞と同じく
嬉しいニュースもありました。
福岡高裁で、同性婚を認めないのは憲法違反だという判断がくだされました。
二審での違憲判断は、札幌、東京に続いて三例目です。
名古屋では、一審で違憲と認められていて、来年3月に二審の判決が出ます。
きっとだいじょうぶと信じています。
〈サラファーンの星〉にも、LGBTQ+の人たちが登場します。
はっきり言及していませんが、なんとなくわかるかな、と思いながら書きました。
キャラクターについては、読む方々が自由に想像するのが一番いいわけで、
ネタバレしてしまうといけないかな、という思いもあるのですが、
LGBTQ+の人たちを応援したい思いがいっぱいなので、
そんなお話も、これからしていけたらと考えています。
金子みすゞがうたったように、「みんなちがって、みんないい」
そんな社会であれば、戦争も紛争も、核兵器も、恐ろしい事件もないはずで、
自然災害は防げないとしても、みんなで助け合っていけるはずです。
静かな冬至の夜。世界の平和を願っています。
闇でこそ星は輝く ― 2024年11月09日 16:17
10月に最後の抗がん剤治療が終わり、今月に入って、いくつか検査をしました。
来週も精密検査があり、結果OKならば、5年間定期検診に通うことになります。
副作用がまだあれこれ残っていますが、なかでも末梢神経障害は長く続くかもとのこと。
でも、振り返れば、人生で素敵な贈り物を得たのは、いつも辛い経験を通してだったなぁと
思ったとき、ひとつの言葉が心にこだましました。
「闇でこそ星は輝く」
その言葉を書き留め、この一か月ほど、心で抱きしめていました。
そんなとき、ハリスさんが敗北スピーチで、こんな格言(adage)がありますと言い
少しびっくりしました。
Only when it is dark enough can you see the stars.
暗闇の中でこそ、星々を見ることができるーー。
マーティン・ルーサー・キング牧師も、かつてスピーチで引用したようです。
きっと長く語り継がれている格言なのでしょう。
次期米国大統領は、 パリ協定から再離脱するといっています。バイデン政権が進めてきた
気候変動対策から、化石燃料拡大へとシフトすると。なんてこと!
今でも気候危機は地球環境に壊滅的な打撃をもたらしているのに、目先の利益ばかり優先し、
未来の世代のことは考えていないのでしょうか。
ウクライナやガザの戦況も、どうなっていくのか、本当に心配になります。
核に対しても、事態は後退しそうで、
被団協がノーベル平和賞を受賞して本当によかったと、心から思います。
やっと一歩を踏み出したというところですが、唯一の被爆国に生まれた者として、わたしも、非核、不戦の意志をしっかりと受け継いでいきたいです。
しばらくブログを書かない間に世界の戦況は悪化し、また、能登では元日の地震に続いて、
豪雨の被害がありました。なんて酷いことでしょう。仮設住宅が浸水したのも衝撃でした。
まだ中学生の女の子をはじめ、たくさんの尊い命が失われたのも悲しくてなりません。
金沢の施設で介護の仕事をしている友人は、地震で能登から避難してきた利用者さんが
豪雨のニュースを黙って見つめている姿に、何も言葉をかけられなかったそうです。
どうか、そんな方々の心に少しでも希望の光が灯りますように。
戦争で絶望している人々の心にも、病気で辛い思いをしている人の心にも。
先の言葉を引用したあと、ハリスさんは続けました。
「多くの人が暗い時代に入ったと感じていると思います。そうでないよう願っていますが
もしそうであっても、まばゆく輝く無数の星の光でーー希望と信念と真実と奉仕の光で
(the light of optimism, of faith, of truth and service)空を埋め尽くしましょう」
アメリカの支持者に対してのスピーチですが、世界に対して(今は弱者で、絶望を感じている
人たちに対して)も、訴えかけるもののある言葉だと思います。
optimismとは、未来への希望と自信にもとづいた前向きな心、serviceとは、他者を助ける行動、人のために尽くすこと。
わたしもささやかな光となれるよう、これから、落ちた体力と筋力と体重を取り戻し、
つねに前向きでいようと思っています。
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