LGBTQ+とサラファーンの星〜2:ハル・ソーン ― 2025年02月22日 12:11
サラファーンの星とLGBTQ+のお話の続きです。今日は、ハル・ソーン。
都の通信員で通っていますが、その実は、王室情報部の精鋭「第七班」の諜報員。
同じ諜報員だったロンドロンドの友人で、ディヴァレアン王子の学友。
父親のソーン卿は、第七班の長で、生まれも育ちも良いはずですが、若いときから
大いに羽目を外す問題児。
でも、大胆不敵な性格と、その知性を買われ、諜報の仕事についています。
いつもクールで、どこか世の中を斜に見ている三十代の独身男。
本人がいうには「第一夫人は酒、第二夫人は海」。
酒に強く、各国の情報を集めるため何度も航海に出て、海をこよなく愛しています。
どこから見ても、頼れる兄貴のハルですが、わたしの想像なんですけれど、
性根は優しく、感性が鋭く(そうじゃないとスパイは務まりませんよね)
繊細な一面も持っています。
第一巻では、諜報の仕事から足を洗ったロンドロンドに、昔の仕事に戻るよう持ちかけ、
第二巻で、説得に成功し、ともに命を懸けて世界を守るために奔走しますが、
これも作者の想像ですけど、ハルはずっとロンドロンドを愛していたんじゃないかな。
おそらく、学生時代、最初に会ったときから。
そのロンドロンドが、ずっと従姉のフェルーシアに恋していることは察知しているので、
自分の恋が実らないものであることも知っている。だから、決して口にしません。
そして、ロンドロンドの幸せを祈って、「(従姉に)告白しろよ」とアドバイスし
恋の行方を見守ったりしちゃいます。
書きながら、ハルの想いを感じて、ちょっと切なかったです。
父親のソーン卿も、気がついているだろうなと思いました。
それでも、第七班の長として、息子やロンドロンドの仕事を、黙って見守っている。
ハルは、諜報員としてすこぶる優秀で、物語は彼の活躍なしには成り立ちません。
第四巻で取る、彼のある行動も、もちろん、世界を救うためではあるのですが、
愛するロンドロンドを救うためだったのだろうという気がしています。
でも、いつもお伝えしている通り、それぞれの読者の方が、キャラクターも物語も、
余白の部分を好きなように想像するのが、読書の醍醐味だと思っているので、
ハルのことも、同性愛者に限らなくてもまったくOKです。
プレイボーイで、港みなとに彼女がいるかもしれないしね!
ところで、キャラクターのイラストとして、世の中を斜に見る彼には、文字通り、
斜に見ているポーズがほしかったので、荒川ディレクターのアドバイスに従いました。
すなわち、「描きたいポーズを自撮りをして、スケッチをする」。
で、男性の身体の厚みを出すために、ガウンなどをモコモコ着込んで、
その上に、知人からもらった、ゆったりしたシルクのシャツをまとい、
でーんと構えて、腕組みしました。
↓↓

逆サイドの腕とか、指とか、ああ、こうなるんだとわかって、確かに描きやすかったです。
なお、公式サイト掲載のイラストは、デザイナーの畠山さんが、わたしの素人絵を、
デジタルのイラストに仕上げてくれたものです。「砂色の髪」とかベストや柄の色合い、
そでのゴミをとってください、など、いつもながら面倒なリクエストにも動じず、
本当にありがたかったです。
今朝は名古屋でも小雪が降りました。でも、歩けるくらいで、しっかりリハビリのための
散歩をしてきました。
日本海側を中心に大雪が続いていますが、能登は特に厳重警戒だそうで、
地震や大雨のあとも大変な日々が続いていて、被災地の方々の大変さは想像もつきません…。できるだけ被害が少なく、寒波が早く過ぎることを祈っています。
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