ジョンのために……「 ターミネーター:ニュー・フェイト」 ― 2019年11月17日 20:47
「ターミネーター」シリーズに、キャメロン監督が帰ってきました。シュワちゃんと
リンダ・ハミルトンをともなって!
Ⓒ2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
「ターミネーター」は思い出の作品です。
まだ広告代理店にいて「ユリディケ」の初稿を書きあげたころに、「これ面白いよ」と
会社の男性がビデオを貸してくれたのが、「ターミネーター」の第一作でした。
ヒロインの名はサラ。大好きな名前です。それに、とても素敵な女優さん。
何度倒されても立ちあがって追いかけてくるターミネーターは、ものすごく怖かったけど、
切ない時間SFのロマンスと、ヒロインを守るために未来からやってきた戦士カイルが
「ユリディケ」で書いたばかりの戦士、デュー・レインのイメージそのものだったことに、
文字通り胸を打ち抜かれ、名画座に通って何度も観ました。
(当時はロードショーのあと必ず名画座にきたので、けっこう長く映画が観られたのです。
「ブレードランナー」との豪華二本立て! どちらも大好きなので嬉しかった〜。)
今回の「ニュー・フェイト」は、キャメロン監督が第二作までメガホンをとった作品の
正統な続編とのふれこみでしたので、観ないわけにはいきません!
ドキドキしながら劇場に行ってきました。
なるべくネタバレしないように、新鮮なうちに、見どころをたっぷりお伝えします!
まず、冒頭5分で、いきなり衝撃の展開に。わたしは、なにかでうっかり読んでしまい、
事前に知っていたので、どうにか耐えましたが、かなりのダメージ。
その後は怒濤の展開で、「ターミネーター」と「T2」の要素を随所に盛り込んだ
ファンサービスたっぷりの作品に仕上がっています。
息つく暇もないので、観に行く前日は、よく眠って体力を蓄えておくのがポイントです。
ダダンダダンダン! というあのテーマ曲は健在ですし(これを聞くだけで血が騒ぎますね)
時をさかのぼることで起こるタイムパラドックスの切なさは、今回もおさえてあります。
(思い出すだけで、胸がきゅんとします。)
I’ll be back. という永遠の名台詞も、ふたたび(意外な形で)登場。
シナリオは、限りなく第一作に近い形で展開します。
AIが人間を害悪と考え、抹殺しようとしている未来。
ヒロインを抹殺するため、ターミネーターが現代に送り込まれ、
彼女を守るために、人間側のレジスタンスのリーダーが部下を送り込み、
壮絶な戦いを繰り広げるというストーリーラインはまったく同じ。
これが、デジャブ効果を生みだして、なんだかちょっと素敵です。
とはいえ、ひたすらターミネーター(今回のREV-9、とてつもなく強い!)が
追ってくるので、そんなノスタルジーにひたる余裕はほとんどありません。
第一作では、未来のリーダー、ジョン・コナーが現代に送った戦士カイルと、
サラ・コナー(のちにジョンを生む運命にあり、そのためAIの標的になる)の
恋模様が描かれますが、
今回は、戦士グレースと、守るべき女性ダニーのあいだにあるのは
信頼と友情。人と人との強い絆。それが観る者の心を揺さぶります。
カイルは、スリムなボディで、マッチョなシュワちゃんに対抗するところが、
本当に健気で、そこが作品の大きな魅力だったのですが、
今回のグレースも、強いんだけど(なにしろ未来の戦闘で、リーダーを守ろうとして
瀕死の重傷を負い、機械化されることで生をつなぎ止めた強化型の兵士)
ウルトラマンみたいに、そのスーパーパワーが短時間しか持たない。
それでも、懸命にダニーを守るところが、やっぱりとっても健気なのです。
それに、めちゃくちゃかっこいい!
Ⓒ2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
人類存亡の鍵を握るダニーも、とっても素敵なのですが、見どころは、
なんといっても、このグレースのかっこよさ(惚れます!)
そして、途中から登場するサラとT-800の緊張にあふれた関係でしょう。
ある事情から、サラは彼と対立しますが、そのあたりの描写も、うまいです。
サラは、最新型のターミネーターに追われ、危機に陥ったダニーとグレースを救います。
彼女が、救世主のようにさっそうと現れることができたのは、
未来からターミネーターが送り込まれるたびに、発信者不明のメールが
その正確な座標を知らせてくるからなのでした。
メールは毎回決まって、For John でしめくくられています。
今回、REV-9に立ち向かうため、三人の女性は、メールの発信元を突きとめ
そこに向かいます。
ここでおそらく、観客のほとんどが、シュワちゃんの登場を期待すると思いますが
期待を裏切らずに、ちゃんと登場。
あのトレードマークのサングラスも、憎い使い方をされています。
「T2」で、未来を支配するAIを生みだす企業をつぶし、シュワちゃん演じる
T-800は、ジョンを守り、自己犠牲を選んで燃える溶鉱炉に沈んだはずなのに、
なぜまた同じT-800が登場するのか?
映画はそういう疑問に少しずつこたえながら、ここからいよいよ加速していきます。
For John…「ジョンのために」とはどういう意味か。それは、観てのお楽しみ!
劇中には、このセリフのほか、おお! と思うセリフが登場します。
そのいくつかを、次回ご紹介します。では……
I’ll be back!
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