ハンディを持つ子どもと家族2024年05月19日 18:08

姪と甥に重い障害があることはたびたびこのブログに書いています。
それで(だと思うのですが)、
障害のあるご家族をお持ちの方からのコメントをいただくことがあります。

君影草さんは以前、「我が子が負ったハンディの重さに希望を失いそうな日々」と
書かれていました。本当に、よくわかります。
障害者をもつ家族は、世間から孤立して、行政も助けてくれないことがあり
(いろいろな制度はあれど、抜け落ちる家族がけっこういるのです)
本当に絶望の淵に立たされてしまう。。。
きっと今も、苦労をされているかとお察ししますが、
少しでも状況が良い方に向かっていますように。
もしまたこのブログを読むことがあったら、そしてとても辛いことがあったら、
いつも君影草さんとご家族のことを思っていること、思い出してくださいね。
お互い、無理せず、あきらめず、希望をなくさずいきましょう。

悠碧さんは、ハンディのあるお子さんがお二人おられ、
親御さんも、認知症が進まれたと書かれていましたが、その後、いかがでしょうか。
やはり大変な毎日ではないでしょうか。
その前にコメントをいただいたときにも、お子さんはお二人と書かれていたのに、
わたしときたら、お一人だったと記憶違いをしていて、
お子さんはお二人だったのですね、なんて書いてしまいました。本当にごめんなさい。
いつかお詫びをお伝えしようと思っていて、遅くなってしまってすみません。
そんな頼りない人間ですが、
悠碧さんとご家族のことも、いつも思っています。
お互い、身体に気をつけて、大変なときでも、笑いを忘れずにいきましょうね。

このところ、障害のある人のことで、社会問題となり、中日新聞でたびたび
取り上げられている事件があります。
名古屋市で設立された障害者グループホーム運営大手で、急速に全国展開した会社が、
入所者への虐待や、食費の過大徴収(実際の一日の食費が100円ほどでほホームもあり
入所者がやせ細っていったところもあったそうです)、福祉サービス報酬の不正請求を
した問題です。

今月、愛知県と名古屋市は、県内5つのホームの指定取り消しの方針を固めました。
なのに、まだ経営陣からの説明はないとのこと。
入所者と家族はもちろん、社員やホームのオーナーは困惑しているそうで、私たちも、
衝撃を受けています。

実は、甥っ子も、二十歳になった時に、それまで何年かお世話になった児童施設を
出なければならず、その大手の運営するグループホームに体験入所しました。
どんな重度でもOKとうたっていたからです。
(本当は彼の障害の度合いでは、グループホームではなく、施設が必要でしたが
国の政策で、施設がどんどん減らされていき、超狭き門になっていたのです。
当然、ひとつも空きなし。)
ところが、体験入所の結果、あまりに障害の度合いが重くて、「不合格」に。
ほかには一つも見つからず、探しに探して奔走していた妹は、重いうつ病を発症しました。

それで、私が変わって奔走しましたが、重度対応のところが見つからず、やむをえず、
軽度の施設に入れました。
やはり、問題が勃発。そこからまた、頑張って行政に相談し続け
(しつこく、しつこく、あきらめないことが大切と、福祉関係の仕事を
していた友だちにアドバイスを受けました)、その後、よい相談員さんに恵まれ、
彼女が本当に熱心に探してくださって、名古屋市内ではないけれど、愛知県内で
重度対応のグループホームに入所が決まりました。
ですので、とても他人事とは思えません。

障害がある人にとって、環境に慣れるのは本当に大変なのです。(普通の人でも
新しい環境に慣れるのは大変ですよね。)
住み慣れたホームを失ったら、どこへ行けばよいのでしょう。
発達障害、知的障害が重度であると、施設がなかなか見つからないのが現状です。
(軽度のホームはけっこうできています。)
専門の知識を持った、重度の障害に対応できるスタッフが圧倒的に不足しているのです。

今回の行政処分で、行き場を失った障害者や、家族や、職場を失った社員の方々、
ホームを建てて提供していたオーナーの方々が、
しっかりとサポートを受けられるよう、誰も取り残されないよう、
名古屋市や愛知県には、しっかりフォローをしていただきたいです。

全国展開をしている会社なので、ほかの自治体にも、たくさんホームがあり、
そちらも行政処分を受ける可能性があります。
国にも、この問題をきちんと考えていただきたいです。
福祉関係の仕事をされている方々には、熱心な方が多いです。大変な仕事なのに
報酬は安く、なり手不足なのは当然と思えます。
専門的な知識を持つスタッフを育てることも、とても大切だと思います。
当事者の立場に立って、そうしたことを真剣に考えていただきたいです。
障害者を持つ家族からの心からのお願いです。

障害のある人にやさしい社会は、普通の人にとっても、やさしい社会だと、私は
信じています。
美しい自然や、心やさしい人々のたくさんいる地球。
誰にとっても、いまよりもっと住みよい場所になってほしいです。

コメント

_ 悠碧 ― 2024年10月27日 20:57

悠碧です。先生から 私の母やハンディを持つこどもたちに向けて とても優しいあたたかい言葉を書いて頂いていたのに 御礼遅くなってしまいました。
ご家族のご健康、甥っ子さん姪っ子さんのサポートも大変な中で 思いを寄せて頂いたこと、とても励みになりました。
母の入退院在宅介護等でバタバタしていているうちに季節が回ってしまいました。そして 先生の体調を知りました。
お元気になられますよう この気持ちが届くよう祈っています。

少しだけご報告を。発達障害のこどもたち(成人しています。)の人生は相変わらず険しい道ですが 少しだけ変化もありました。
ひとりは ずっと拒み続けてきた障害名と支援を受け入れ、障害を開示して働いてみたい と言うようになりました。
自分が周りと違うことを受け入れるのに10年以上かかりました。
納得するには神様の時計が回るのを待つことが必要だったようです。
学校も社会も厳しくて、いじめ、差別、暴言、暴行を受けた記憶は まだ痛く、険しい道はまだまだ続きます。それでも、一緒にたくさん転びながらよろけながらも前に歩いて行かねばと思っています。

もうひとりは 就職を諦めていましたが 訓練を重ねた末 企業での実習が始まりました。認められていつか社員になることを夢見ています。
うまくはいくかどうか何の保証もないのですが、全力で支えて下さっている福祉事務所の方々への感謝を胸に何とか生きていく術を身に付けてほしいと思います。

と自分のことばかり書いてしまいました。
辛いときは 音楽と美しい景色と優しい言葉 そして先生が紡ぐ物語に支えられてきました。
本当にありがとうございます。
はい。笑顔。そうですね。(時々忘れて下を向いてしまうので気をつけねば)笑顔で。
先生の物語 大好きです。そしてまたひとつ 懐かしい物語が動き出すことを楽しみにしていたところです。

今 お祈りすることしかできないのですが 心から 先生のことを そして先生の大切な方々の幸せをお祈りいたします。
(最新の欄にコメントすべきなのですが、内容からこちらに書かせて頂きました。)

_ fumiko ― 2024年10月31日 16:21

悠碧さま

ご連絡ありがとうございました。
お母様のこと大変でしたね。今も大変だと思いますが、お母様と少しでもおだやかな時間が持てますように。
お子さんたちも、おひとりは長い時間をかけて障害を受けいれられ、もうおひとりは、企業での訓練が始まったとのこと。
本当に良かったです。どうかうまくいきますようにとお祈りしています。
発達障害があると、それに加えて、二次障害がとても辛いですよね。
姪と甥もですが、記憶力がよいから、いっそうに…。
ただ、過去は変えられませんが、少しずつ楽しい記憶を重ねていくことはできると思うので、障害のあるすべての子どもたち、すべての人が、ささかやかな幸せでもいいから、積み上げていけるといいですね。そう願っています。

それから、心のこもったお祈り、ありがとうございます。
しっかり療養して、復帰を目指しますね。

本当に身体はひとつしかないので、ご家族のことでお忙しいとは思いますが、どうかご自身も大切にされてくださいね。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログのタイトルは「サラファーンの○ができるまで」です。
○に入る漢字一文字はなに?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://serafahn.asablo.jp/blog/2024/05/19/9685676/tb