男はつらいよ お帰り寅さん〜渥美清さんの思い出2020年02月23日 16:17

こどものころ、お正月には必ず家族で映画を見に行きました。
寅さんと007。
どちらも、お正月には必ず新作が公開される人気映画でした。
いつもはまったく笑わない父が、寅さんを観ると大笑いしていましたっけ。

今年のお正月、久しぶりに寅さんの「新作」を母と観に行って、そんなことを
思い出していました。

東京で働いていたとき、渥美清さんを見かけたことも、思い出しました。
たしか、大学を出てほどないころ。
残業のあと、同期の友だちと三人で、会社から歩いて5分の帝国ホテルに寄って
一階のレストランで食事をしていたときのことです。
(映画大好きなわたしは、いつも仕事のあと日比谷の映画館に行くのに
ホテルの中を通って近道していたので、時々、お礼(お詫び?)に、
安月給でも手が届く一階のカジュアルレストランで、パンケーキなどを食べていたのです。)
隣の席に渥美さんが入ってきました。

「あ、寅さん」友だちが、小さな声でいいました。
渥美さんは、ちらっとこちらを見て、わたしたちは、思わず黙礼し、
渥美さんも、そっと黙礼を返してくれて、それから椅子に座りました。
シャーロック・ホームズみたいな鳥打帽をかぶって、さりげなくおしゃれな
スーツ姿でした。
小学校高学年ぐらいの男の子を連れています。
甥御さんかな、と思いました。
(寅さんに甥の満男が出てくるから、勝手にそう思ったのですが。)

映画の寅さんと全然違って、本当に物静かで紳士でした。男の子もそうでした。
ふたりのあいだには温かな空気が流れていて、なんだか素敵でした。
渥美さんは、人間として、とても温かで、おだやかな方で、周りへの心配りも
細やかなんだろうなと感じました。

映画の中の寅さんは、ちょっとおっちょこちょいで、早とちりで、
常識はずれなところもあって、家族に迷惑をかけたりするけれど、
渥美さんはそんなことはなさそうです。
でも、寅さんは、困っている人がいると放っておけません(特に相手が美女ならば)。
本当に心の芯が温かいのです。
その温かさは、渥美清さんの人柄と重なっているのだと思いました。

「お帰り寅さん」の主人公は、甥の満男です。
作家として独り立ちしていますが、妻をなくして、娘と二人暮らし。
そんなとき、高校時代の恋人に再会して…。というお話です。

恋に仕事に悩む満男が思い出すのが、かつて、寅さんに
人間て、なんのために生きているのかなと問いかけたとき、寅さんが、
おまえ、難しいこと聞くなあといって少し考え、
こたえた言葉が、心にしみます。

「なんというかなあ、ああ、生まれてきてよかった。そう思うことが、
何べんかあるだろう? そのために人間、生きてんじゃねえのか」

「お帰り寅さん」も、とても心にしみる映画でした。

寅さんの主題歌も大好きで、わたしは、ふとした拍子によく歌います。
楽しいときや辛いとき、嬉しいときや悲しいとき、なんでもないときに。
(要は、いつでも。)
今回は、びっくりすることに、オープニングで桑田くんが歌っていましたね。
でも、一番好きな3番は、渥美清さんがエンドクレジットで歌って
締めています。

どうせおいらはヤクザな兄貴
わかっちゃいるんだ妹よ
いつかお前が喜ぶような 偉い兄貴になりたくて
奮闘努力の甲斐もなく 今日も涙の
今日も涙の陽が落ちる 陽が落ちる
(作詞 星野哲郎)

子どものころ、奮闘努力の「ふんとう」が「うんと」に聞こえて
ずっと「うんと〜努力の甲斐もなく」と歌っていました。
てっきり、たくさん努力しても、その甲斐がないんだなぁと思って。
奮闘努力だということは、大人になって知りました。

今日は父の命日。
ニュージーランドで大きな地震があった翌日のことで、肺炎での急逝でした。
知人がお参りに来てくれたり、お供えを送ってくれたり…。
もう9年になるのに、寅さんのように温かな人たちで、胸がいっぱいになります。
天皇誕生日でもありますが、
コロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大の影響で、一般参賀が中止になりました。
感染拡大が収束して、ウイルスの流行が一日も早く終息しますように、
ワクチンができますよう、感染した方がしっかり回復され、
全快されますようにと祈っています。

スター・ウォーズⅨ〜フォースの守りよ永遠に2020年01月18日 17:00

スター・ウォーズのエピソード9スカイウォーカーの夜明けを観てきました。
これで本当に最後かと思うと、寂しいなと思っていましたが、観終わったときは
本当に感慨深く、寂しさを感じつつも、すがすがしさを覚えました。
(内容に関しては、もうあちこちに書かれているでしょうし、ネタバレはいっさい
したくないので、ここではふれないでおきますね。)

映画館は、名古屋では初めてのドルビー・シアターで、すっごい迫力!
思い出したのは、日本で最初にエピソード4が公開された夏のこと。

1978年。大学の夏休み。アーチェリー部の練習も休みだったその日、
いまはなき伝説の映画館、スーパーシネラマ方式のテアトル東京の、
その壮大なスクリーンが堪能できる2階席に、わたしはいました。
それはもう、冒頭からエンディングまで、圧倒的な体験でした。
「スター・ウォーズ」のような作品はそれまでまったくなかったのです。

アメリカでは前年に公開されて、大ヒットしていました。
でも、そんなことになるとはわからないジョージ・ルーカスは、
どれだけお客さんが入るか心配で、ハワイに逃げていたんですよね。
今思えば、信じられないことです。

新しい作品が公開されるのが、本当に待ち遠しかったです。
特に、エピソード5のあと、エピソード6が公開されるまで。
ハン・ソロが冷凍された状態で、3年も待たされて!
けれども、スター・ウォーズと同じ時代に生きてきたことは幸せだったなと
しみじみ感じています。

エピソード6は、当時勤めていた広告会社が20世紀FOXの宣伝担当だったので
コマーシャルのフィルムがいち早く見られたし、また、日比谷での試写会に
呼んでもらえて、ものすごく嬉しかったのを思い出します。
映画会社のロゴに続いて、ジョン・ウィリアムズの名曲のイントロがジャ〜ン!
と鳴った途端に、場内ものすごい拍手と興奮状態に。
そして、エンドロールが出たときも、万雷の拍手でした。

その後、ご存知のようにエピソード1〜3が作られ、さらに、
エピソード7〜9と続いていくのですが、
この最後の7〜9。最初に作られたシリーズの主役たちが再登場したのが
本当に嬉しくて、知ったときには飛び上がりました。同時に、年齢的に
大丈夫か心配したけど、杞憂でしたね。(大変失礼いたしましたm(_ _)m)

どのシリーズから見始めたとしても、ファンならきっと、どのキャラが好きって
ありますよね。
わたしは、断然ハン・ソロです!
(船なら、ミレニアム・ファルコン。ドロイドならR2)

ここだけの話ですが、そんなわけで(?)「ユリディケ」を最初に書いたとき、
主要登場人物のひとりは、わたしの脳内では、ハリソンで再生されていました。
(当時の若きハリソンです。)
ちょっと口は悪いけど、本当はやさしくて剣の名手。特技は、身分を隠して
世の中をうろつくこと。読んだ方なら、すぐわかりますね(*^_^*)
でも、もちろん、読者の方には、それぞれ好きなイメージを浮かべてほしいので
あくまで、わたしの脳内のお話。

で、すごくハン・ソロが好きになったことで、
当然のように、ハリソン・フォードのファンにもなりました。
その後、「ママはシングル」に登場するママを、
ハリソンのファンにしちゃったほどです。

サラファーンの星シリーズでも、こっそり(ちゃっかり?)名前を拝借。
諜報員のひとり、ハル・ソーン。
ハン・ソロとハリソンを足して2で割り、ひとひねりして、ハル・ソーン。
大胆で豪胆な性格も、ちょっと似ています。
ハルに関しては、書くことがいろいろあるので、ゆっくり紹介したいです。

とまあ、そういうわけで、「スター・ウォーズ」は、思い出の作品です。
ジョン・ウィリアムズがオーケストラを引き連れて来日したときは、
もちろん、聴きに行きましたし(実は、これも努めていた会社が関わっていて
チケットを取ることができたのですが)、
「ジェダイの帰還」の完成後、オールナイトの上映、というイベントがあり、
友達と行ったこともありましたっけ。
亡くなられた映画評論家の水野晴郎さんがゲストでしたが、
会場に行くエレベーターで偶然一緒に乗り合わせました。
水野さん、シリーズの完成を、天国で祝っているに違いありませんね。

最後に。。。
 May the Force be with you. Always,

フォードVSフェラーリ〜絶対王者に挑んだ男たち2020年01月09日 17:21


フォードVSフェラーリ
         Ⓒ 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

先日、「フォードVSフェラーリ」の試写会に行ってきました。
1960年代のル・マン。
フェラーリが絶対王者として君臨していたその24時間耐久レースに参戦した
フォードの、エンジニアとレーサーの実話です。

不可能ともいわれたその挑戦を任されたのは、マット・デイモン演じる、
心臓病によって引退を余儀なくされたレーサーのキャロル・シェルビーと、
クリスチャン・ベイル演じる、
ずば抜けた腕を持つけれど、頑固で偏屈なドライバー、ケン・マイルズ。
(頑固な偏屈者を演じさせたら、クリスチャンは、右に出る者がいません!
本当はとってもハンサムで、「バットマン」のブルース・ウェインが
ぴったりの俳優さんなのに。)

どちらもアカデミー賞俳優という、とっても贅沢な組み合わせ。
このキャスティングを聞いただけで、断然観たくなります!
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」では
ブラピとディカプリオの顔合わせが素晴らしかったけれど、
このふたりも、勝るとも劣らぬ抜群のケミストリー。
彼らが一緒の画面にいることが、奇蹟のように思えました。

冒頭、映画会社のロゴとともに、レーシングカーのエンジン音が入ってきます。
ル・マンのレース中継なんですね。
その粋な演出に、観客はさっそく1960年代のレースの世界へと誘い込まれます。

ル・マンといえば、フランス映画の「男と女」しか知らなかったのですが、
レースシーンは、ものすごい迫力でした。
特に、1966年当時のコースを忠実に再現したというル・マンのシーンは
臨場感たっぷり。
(森や田舎道がなんとも良いです。現在のコースは全然違うらしいです。)

そして、カメラはレーサーの視点でとらえているので、
ほんの一握りの優れたレーサーだけが垣間見ることのできる世界を、観客も
観ることができるのです。それこそが、映画のマジック!

カメラのよさは、それだけではありません。
宵闇迫るサーキット。マイルズが息子ピーターと語るシーンの息を呑むような黄昏。
ル・マン前夜、眠れぬマイルズがふらりと訪れる雨に濡れたサーキット。
そうした静かなシーンの美しさといったら!
これはぜひ、大画面で観てほしいです。

人間ドラマも見応えたっぷり。
心臓病のためにレースをあきらめ、カーデザイナーとなったシェルビー。
やはり天才的なレーサーなのに、性格が災いし、整備工場を営むマイルズ。
そんなふたりがタッグを組んで、
何度失敗を繰り返しても、フォード社の内部から妨害が入っても、
決してくじけず立ち向かうさまは、すがすがしいのひと言です。

そんなふたりの男の熱い友情もさることながら、
変わり者の夫マイルズを支える、やさしくて強い妻との
揺るぎない夫婦愛、
父親を敬愛する息子との親子の絆も胸を打ちます。
フェラーリの会長とマイルズが、一瞬視線を交わすシーンにも
ぐっときました。
(ネタバレになるので、どんなシーンかは観てのお楽しみ。)

「フォードVSフェラーリ」は、明日、1月10日全国公開。
わたしのようなレースを全然知らない人でも楽しめる正統派の作品です!

ルパン三世 THE FIRST〜愛しのレティシア2020年01月07日 16:50


ルパン三世 THE FIRST ムビチケ

ルパンの物語は、小学校の時、学級文庫でわくわくしながら読んだ記憶があります。
三世じゃなくて、初代ルパン。モーリス・ルブランの原作です。

学級文庫にあったのは、子ども向けに簡単にしたものでしたけど、
神出鬼没で、変装の名人。女性や子どもにやさしい紳士で、
貴族や大富豪の宝石や美術品だけを狙う素敵な盗賊ぶりに、ほれぼれしました。
ロビン・フッドもそうですが、義賊って、子どものあこがれですよね。
(そのあこがれが、のちのち、黒のジョーというキャラクターを生みだすことに
なったのですね、きっと!)

ルパン三世は、その怪盗ルパンの孫(という設定)。
ご存じ、モンキー・パンチさんの原作で、現在公開中の
「ルパン三世 THE FIRST」は、彼の悲願だったという3DCG作品です。

去年、公開まもなく劇場で観てきたのですが
とても雰囲気のある映像で、特に、パリの風景が素敵でした。
冒頭、第二次世界大戦下のフランスから始まって、十数年後のパリから
本格的に物語が始まるのですが、特に、夜のパリが美しかったです。
20世紀なかばのパリに、タイムスリップしたようでした。
3Dのルパンは、長い指がきれいで、顔の表情も豊かで、なかなかよかったです。
(モンキー・パンチさんに見せてあげたかった!)

おなじみの面々も元気に登場。台詞のやりとりもお洒落で可笑しく、
家族で楽しめる作品に仕上がっています。
(お正月映画にぴったりなのに、紹介が遅くなってごめんなさい。)
場所や建物の説明が出るとき、文字がカシャカシャって、暗号が解読される
みたいに動くのや、発射された弾丸が、道路標識を止めたナットをくるくる回して
標識を落としてしまうところなど、遊び心がいっぱい。

今回のお宝は、宝石ではなく未知のエネルギー。
盗むのは、そのエネルギーを生みだす装置のありかを記した考古学者の日記。
登場するヒロインは、考古学者をめざす少女レティシア。
作品全体として、ちょっと「カリオストロの城」を思わせます。
レティシアは、カリオストロのクラリスをお転婆にした感じかな。

このレティシアという名前。
たぶん、わたしと同世代か、少し上で映画好きな人は、きっと、聞き覚えが
あるでしょう。
青春映画の永遠のヒロイン。
1967年のフランス映画「冒険者たち」のヒロインの名前です。
(公開以降、生まれた女の子にレティシアと名づける人が続出したそうです!)

「冒険者たち」は、海に眠る財宝を求めて冒険に出た男女三人の物語。
レティシアは、マヌーとローランのふたりから愛される新進芸術家。
マヌー演じるアラン・ドロンは「愛しのレティシア」という歌を歌っています。
フランソワ・ド・ルーベの口笛の主題曲に歌詞をつけたもので
口笛やピアノの主題歌同様、すがすがしく、そして切ない素敵な曲。
公開当時、わたしは小学生。さすがにリアルタイムでは観ていませんが、
学生時代、リバイバルで観たとき、
「愛しのレティシア」はエンディングに流れていました。
(初回公開時や、本国では、劇中には使われなかったようです。)

モンキー・パンチさんは、このレティシアを意識したのかなぁ。
ググってみたら、ルパン三世のTV放映アニメPartⅢの第38話に、
「俺を愛したレティシア」というエピソードがあって、このレティシアは
なんと、イルカでした!

モンキーさんが「冒険者たち」をお好きだったかわかりませんが、
わたしは本当に大好きで、リバイバル公開に何度も通いました。
わたしが男だったら、絶対にレティシアに恋をするなぁって思います。

レティシアという名前も、あまりに好きで、とうとう自分の作品
(サラファーンの星シリーズ)にひっそりと使いました。
でも、恐れ多くて、レティシアのままでは使えず、「レティ」として、
ジョサの生みの母の名前に。

そして、レティシアを愛したローランの名前も、同じ作品に入れました。
こちらは、ローランのまま!
この響きもとても好きです。
エリス卿暗殺事件特捜班のチーフの名前に使いました。

物語の登場人物の名前は、ふと浮かんだ名前がほとんどですが、
以前にも少し書いたように、まれにこうして、とっても好きで「拝借」する
名前もあります。(中でも、このふたつは特別!)

ともあれ、そんなわけで、ヒロインの名前もとても気になった映画でした。
あ、そうそう。忘れてはいけません。
作品中の、帽子とステッキの使われ方も、とってもお洒落。
こうしたディテールへのこだわりもよかったです。

イエスタデイ〜生きていることの愛おしさ2019年12月24日 09:48

「イエスタデイ」を観てきました。
売れないミュージシャンのジャックが、交通事故に遭って目を覚ますと、
誰もビートルズを知らない世界になっていた!という奇想天外なお話。
(驚いたジャックがネットでググると、ビートルズ=昆虫 と出てくるんです。)

夢をあきらめかけていたジャックは、一生に一度のチャンスと、飛びつきます。
誰も知らないなら、パクっちゃおう!
そこからジャックの人生はジェットコースターのように動き始め、
「イエスタデイ」を始め「レット・イット・ビー」「ゲットバック」など
数々のビートルズナンバーをヒットさせます。

ジャックの才能に惚れ込み、自分の前座を頼むミュージシャンとして、
エド・シーランが本人役で出演。
とっても自然で素敵な演技を披露しています。

けれど、ジャックは純粋に音楽が大好きなやさしい青年。
つねに後ろめたを感じ、巨大マネーと結びついた音楽業界に違和感を覚えます。
幼なじみでマネージャーだったエリーも離れてしまい……。
さて、どうする、ジャック!?

終盤近く、ビートルズファンには、至福の、そしてその幸せと同じくらい切ない
特別なシーンが用意されています。
ここに、作り手がこの作品に込めた思いが凝縮されているともいえる、
美しいシーンです。

わたしは1960年生まれ。
子ども時代、まわりにはビートルズの音楽があふれていました。
レコード(当時はCDはありません)を聴き始めたのは、解散したあとだったけど
「イエスタデイ」は特にメロディアスで大好きで、
中学一年の音楽の授業で、グループ発表の課題に選びました。わたしはピアノ
担当で、心を込めて演奏したのを覚えています。

ジョン・レノン暗殺のニュースは、衝撃でした。わたしは大学生。
その日はほとんどなにも手につきませんでした。
愛と平和を歌うミュージシャンが、主夫から再出発をした矢先に殺されて
しまうなんて…。
でも、ジョン・レノンの歌は永遠です。そして、ビートルズの歌も。

「イエスタデイ」は、ビートルズの曲のメロディの美しさ、
シンプルで心にまっすぐ入ってくる歌の力を改めて感じさせてくれる映画です。
そして、なにげない日常のかけがえのなさ、生きることの愛おしさを
伝えてくれる作品です。

I'll be back.遊び心あふれる台詞〜ターミネーターシリーズより2019年11月18日 21:52


Terminator:Dark Fate~T-800
2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

さて。昨夜に引き続き、「ターミネーター」のお話を。

今回の「ニュー・フェイト」には、シリーズならではの遊び心があるセリフが登場。

ファンを楽しませてくれます。

 

1:まずは、おなじみ、I’ll be back.

 

シュワちゃんといえば、このセリフ、というくらい、有名ですよね。

第一作で、サラを探して警察署にいったT-800が、門前払いを食らって言うセリフ。

あっというまに車に乗って戻ってきて強行突破!というシーンで登場。


第二作では、サラとジョンの味方となったT-800が、二人に言うセリフとして登場します。

 

そして、「ニュー・フェイト」では、ダニーとグレースの危機を救いにきたサラが、

I’ll be back. と言い残し、ターミネーターを(一時的にですが)仕留めに行くのです。

その姿の颯爽としていることといったら。第一作から見ていると、本当に感慨深いです。

ただ、あら、シュワちゃんは? セリフ取られちゃっていいの? と心配になりますよね。

ご心配なく。彼にも、ちゃんとアレンジバージョンが用意されています。

(あまり事前に知りたくない、というファンのために、これは最後に書きますね。)

 

2:Come with me. 

 

第一作で、未来からサラを守りに来たカイルが、サラを襲おうとしたターミネーターを

ライフルで撃ち倒し、彼女の腕をとって言うセリフ。

Come with me if you want to live. 

「死にたくなければ、一緒に来るんだ」

わけがわからず怖がっているサラに、カイルは、Come on! とうながします。


第二作では、シュワちゃんが、警察病院に収監されたサラを救いに来ていうセリフ。

ここにいたら殺されるという状況のなか、まだシュワちゃんを味方だと思っていないサラが、

倒れたまま逃げようとするところが、

第一作で、まだカイルを味方だと思わず、怖がっているところと重なります。(お洒落。)

 

そして今回は、ダニーを救いに来たグレースのセリフとして、装いも新たに登場。

Come with me or you’re dead in the next thirty seconds.

一緒に来ないと、30秒以内に死んでしまうよ、と、アレンジしてあります。

(字幕では、30秒ももたない、だったかな。ともかく、30秒という数字が、

第一作、第二作に比べて、新しいターミネーターがいかにパワーアップしたかを

表していますね!)

ここで嬉しいのが、そのあと、わけがわからずためらうダニーを、

グレースが、Come on! とうながすところ。カイルのセリフ、復活!

 

3:ditch the car

 

第一作で、カイルは、同じ車で逃げ続けると危険だからと、

途中で車を乗り捨てるシーンで登場する言い回しです。

I gotta ditch this car. 

当時、ditch とはなんだろう?と思って、辞書で調べた記憶があります。

「溝」という意味ですが、なにかを捨てる、というスラングでもあると知りました。

(恋人を捨てちゃうときなんかにも、使うらしいです。)

 

第二作で同じ言葉が出てきたかどうか、記憶にないのですが、

「ニュー・フェイト」では、サラのセリフとして登場。

ダニーとグレースとともに逃げる際に、やはり、この車を捨てないと、ということで、

We’ll need to ditch the car.

 

「ターミネーター」と「T2」を見直して、「ニュー・フェイト」ももう一度見たら、

もっといろいろ使い回しのセリフが発見できるかもしれません。

シリーズならではの楽しみ方ですね。

(わたしも、「ユリディケ」とサラファーンのシリーズで、同じセリフを使ったり

アレンジしたりして、ひとり密かに楽しんでいます。)


科学と人類という永遠のテーマを扱うこのシリーズでは、

それぞれのキャラクターが、どういう生き、どういう選択をするかが、

大きな魅力となっています。

ひとりひとりの選択が、未来を築き、未来を変える。

そうした理念も、I'll be back.の名セリフとともに、シリーズに共通して

作品の底辺を流れているのではないでしょうか。

 

最後に、I’ll be back. のセリフの「ニュー・フェイト」におけるシュワちゃんの

アレンジバージョンのことを。

(さっきも書きましたが、予備知識なしで観たい人は、読まないでくださいね。)

 

今回、彼は人間の女性と彼女の子と、家族として静かに暮らしているのですが

(職業:カーテン屋! 名前:カール!)

サラたちが現れたことで、家族に別れを告げます。そのときに言うセリフが、

I won’t be back.

泣けます!!