創作事始めPart1〜12歳の出逢い2019年05月02日 13:05

中学1年の時、同じクラスになったKちゃん。勉強ができて、運動神経も抜群。クラス委員にもなるような活発な女の子で、内気なわたしとは大違い。でも、宇宙や文学好きなところが似ていて、仲良くなりました。

 

休みの日に一緒に町に買い物に行ったり、始終お互いの家に泊まりに行ったり。

ふたりで『森村桂パリへ行く』という本を読んでフランスに憧れ、フランソワーズ・アルディの歌を聴いたりもしました。


彼女の家に泊まって、暗いうちにパジャマのまま抜け出し、自転車の二人乗りで、夜明け前の世界を駆けまわったときのさわやかな風と、あふれるような喜びは、いまも忘れられません。

 

彼女は詩や短編を書いていました。わたしは小学3年のとき先生に教わって、詩は少し書いて

いたけど、短編は最後まできちんと書けたためしがなく、彼女の作品を読んでびっくり。

SFや家族の秘密を扱った作品など、どれも感動的で、あっと驚く仕掛けがあり、構成力も素晴らしいのです。


わたしも、彼女にならって短編を書いてみたのですが、ろくなものは書けませんでした。

でも彼女はそんなわたしにとてもやさしく、いつだって褒めてくれて、

豚もおだてりゃ木に登るといいますが、わたしもまた元気に次の話に取り組むのでした。

 

彼女は科学にも強くて、夢は宇宙飛行士だといっていました。わたしは近眼で運動音痴。もうそれだけでアウト。彼女とともに旅立ちたいけど、宇宙飛行士など夢の夢です。

それでも、一緒に宇宙の写真を眺め、宇宙の話をいっぱいして、本当にわくわくしました。

 

彼女は大学で飛行クラブに入りました。グライダーで自由に大空を飛んで、楽しそうでした。

宇宙にとても近いところを飛んだんだなぁと、胸が熱くなります。

その後、素敵な家族を作りました♡

彼女と逢わなかったら、今のわたしはありません。そして、この出逢いが次の出逢いへ
つながっていくことになります。
ありがとう、Kちゃん。遠く離れているけど、いつも幸せ祈ってるね☆

創作事始めPart2〜女子校時代 初めての小説2019年05月05日 17:16

高校一年の冬休み。原稿用紙80枚の小説を書くという課題が出されました。わたしの通った慶応女子高校は、夏休みなどの宿題を出さないという方針で、三年間で唯一の課題が、その一年生の冬の小説でした。

 

前回のブログで書いたように、中学の時、友だちの影響で短編のまねごとを書いていたわたしにとって、それは楽しい宿題でした。

思春期の少年の友情と生と死をテーマにして、『水の環』という作品を書きました。

そして、初めてある程度の長さの短編を書けたことに気をよくして(?)

次々に短編を書いては、クラスメイトの何人かに回して読んでもらうようになったのです。

 

殺人事件を扱ったミステリーが多かったように思います。

クラスメイトはやさしくて、面白いね、といってくれて、やっぱり

「豚もおだてりゃ木に登る」。中学時代、友だちに褒められたのと同じで、

どんどんいろんなジャンルの話を書きました。

文章はひどいものでしたが、アイデアだけは次から次へと湧いてきて、尽きることは

ありませんでした。

(これはいまも変わっていません。アイデアは浮かぶけど、文章にはほんと四苦八苦!

恐ろしいほど推敲します。もっとすらすら上手に書けたらなぁ。)

 

ただ、クラスメイトたちから、一度だけ、総スカンを食らったことがあります。

純真なヒロインが殺人の濡れ衣を着せられ、悪い奴らが逃げ延びる、という物語を書いたときです。

十六歳のわたしは、フランスのフィルム・ノワールのような、どこかダークな結末を、

ちょっと背伸びして書いてみたかったのですね。結局、自分でも好きになれなかったな。

まあ、あんな作品を書くのは、一度でいいです。

 

大学に入ると、アーチェリーの練習に明け暮れて、創作活動をする余裕はなくなりましたが、
たくさんの短編を書いた高校の三年間と、それを読んでくれた友人たちのあたたかさが、
今につながっているのだと思います。みなさん、本当にありがとう。

あなたを信じる人が世界にたった一人でも2019年05月07日 20:55


デルフィニウム優しい友のような清楚な花 photo by fumiko

最初にユリディケのアイデアが浮かんだとき、わたしは広告代理店に勤めていました。

いつか物語を世に出したいという夢を、そっと胸に抱きながら。

わたしの仕事は、制作局の雑用係。社内外の郵便を配るのも仕事のひとつです。

制作の副社長室にも手紙や書類を届けるうちに、副社長の秘書と言葉を交わすように

なりました。

 

少し年上で、音楽を愛する彼女は、ひかえめだけど、よく笑い、冗談も大好き。

なにごとにもとらわれない自由な人で、

世間の常識よりも、自分の思いを大切にしていました。

副社長は少しばかり気難しく、激高することがあり、社員から怖れられていましたが

(目撃情報によると、しばしば、コーヒーや灰皿が宙を飛んだ)

彼女はそんな副社長に対しても、あまりに理不尽で間違っていると思えば、

とてもおだやかに、でも堂々とそう指摘する人でした。

副社長も、そんな彼女の言葉を、はっと我に返ったように素直に聞いていたようです。

 

彼女はまた、正直で、つねに前向きな人でした。わたしは、そんなところにも惹かれ

いろんな話をするようになっていきました。

そしてある日、心の中で徐々に形をとりつつあるファンタジーのことを話したのです。

もう夢が、心をいっぱいに満たして、あふれんばかりになっていたので……。

 

わたしは、それがどんな物語かを話しました。

それを本にして、わたし自身が物語を追いながら感じているときめきを、喜怒哀楽を、

読む人にも感じてもらいたい、心から楽しんでもらいたいと話しました。

そして、目に見えないもの、愛や希望、やさしさの大切さを感じてもらえたらと

願っていると。

 

熱心に聴いてくれたあと、彼女はいいました。

「素晴らしい夢ね! きっと実現するわよ」

心からそのことを信じて、いってくれているのがわかりました。

 

そんな夢みたいなことを、と笑ったりせずに、

わたし以上にわたしのことを信じてくれる彼女の存在が、どれほど心強かったことか。

そのおかげでわたしは、どうせ書けるはずないよね、などと余計なことを悩んだりせず

まっすぐに創作に向かえたのです。

 

自分の力不足に落ち込むことも、数え切れないほどありましたが、そんな時も、

彼女はいつも応援してくれました。絶対にだいじょうぶ。あなたならできる、と。

本当に、ユリディケ誕生の女神さまです。

 

どんな夢でも、同じ。

誰か、世界でたった一人でも、自分のことを信じてくれたなら、人はきっと頑張れる。

その夢を実現できる。

そしてまた、人生に絶望したときも、誰かたった一人でも、気にかけてくれたなら

人は生きていけるのではないか。そう思っています。

トールキンの伝記映画 オフィシャルトレイラー2019年05月09日 17:03

トールキンの伝記映画のトレイラーです(前回の記事でわからなかった
ブログに載せる方法が、やっとわかりました)。
日本公開は8月。タイトルは「トールキン 旅のはじまり」だそうです。



『ユリディケ』第Ⅰ部の連載を終えて2019年05月11日 20:33

『ユリディケ』新バージョン、第Ⅰ部の連載が終わりました。

天真爛漫だけど本当は寂しがり屋の少女。十七歳のユナの恋と友情と冒険の物語。

第Ⅰ部「虹色の蝶」は、ユナが、伝説の英雄の生まれかわりで、

失われた光の剣を探す運命と知らされ、危険が迫るなか、旅立つまでを描いています。


ネット連載は初めてで、戸惑うことも多く、また、手直しする部分も、

当初考えていたより多く、1月の開始からあっというまでした。

 

背景となる内戦や地形、人物の年齢や性格、心情などの直しや調整のほか、

旧バージョンには登場しなかった銀色狼をちらっと登場させたり、

ユナの夢のシーンを、古代の街から銀の森のへと舞台を変えたり、

ヒューディの将来への希望も変えたりと、細かい点もかなり改稿しました。

ただ、もちろん、骨格や大筋は変わっていません。

 

サラファーンの星は、大勢が主人公の群像劇ですが、ユリディケはユナひとり。

話も短く、スケールも趣もずいぶん異なり、時代の流れとは逆に、こちらが先に浮かび

それがすべての始まりだったからか、ユリディケのほうが序章のように感じています。

それをサラファーンの星の「終章」として大きく書き変えるのは、

なにか違うという気がしました。


20代のわたしは、この物語を書いているとき本当に幸せでした。

そのときの情熱や思いを大切にしながら、

サラファーンの星を描いて初めて得ることができたエッセンスを加え、

できる限りこうあるべきだという形に仕上げる。

正しいかどうか、よいかどうかは別として、それが、わたしの直感でした。

 

5月22日から始まる第2部「ダイロスの剣」では、ユナが光の剣を見出すまでの旅を、

ラスト、第3部「光と影を制する者」では、剣を見出してからの旅を描いています。

どうか、楽しんでいただけますように。