『石と星の夜』文庫版の表紙とキャラクター ― 2019年05月23日 17:14
文庫版のジャケットは鈴木康士先生。このイラストを見たときもびっくりしました。
ルシタナのイメージが、わたしが思い描いていた以上にルシタナに近かったからです。
ルシタナは父に武術を習い、母の勇気と芯の強さを受け継ぎ、愛情を一心に受けて
銀の森でのびのび育ちましたが、心の奥には、
人とフィーンのあいだに生まれた、たったひとりの存在としての孤独を秘めています。
ジャケットのルシタナのまなざしには、そんな強さと悲しみとともに
どこまでも信念を貫く意志を感じました。
ところで、こちらは前回載せた『星の羅針盤』の続きです。
あの単行本の『星の羅針盤』は、長いブランクを経て本を出す新人同然の著者の本でした。
昨今の出版事情はとても厳しく、出版社も当然慎重になります。
当時は続きも完成しておらず、『星の羅針盤』一冊での契約で、
シリーズタイトル〈サラファーンの星〉は入れたものの、
シリーズとはっきり銘打つわけにはいかなかったようです。
一冊読みきりと思って買ってしまい、そんなー!と思われた方も多かったと聞きました。
本当にごめんなさい。(シリーズでなければ契約しないと言えればよかったですが、
おそらく、そんなことを言ったら、この話はなかったことに、となっていたかな…。)
単行本は売れず、続きの出版は立ち消えの危機に。
そんなとき、一緒に完成を目指してきた担当編集者小林さんの尽力で、
文庫本でシリーズ化されることになったのです。
いざとなったら自費出版と覚悟していたのですが、ほっとしました。
単行本と文庫本ではイラストレーターが変わるとのことで、お任せしました。
キャラクター相関図でイラストを描くにあたり、リーヴとルシタナは、思いきり、
牧野先生と鈴木先生のイラストを参考にさせていただきました!
もちろん力が及ぶはずもなく、わたしの頭の中のイメージに近づけるのに苦労しました。
そしてやっぱり、おふたりの絵の方が断然本人に近いなあと、今も思っています。
(最初、Webサイト用に相関図を描いたときは、リーヴとルシタナは、
ジャケットをコピーして切り抜いて、貼り付けました。その図、おいおい載せますね。)
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