「あとがき」のあとがき2022年08月22日 10:52

昨日、『ユリディケ』改稿版の「あとがき」をユリディケサイトにアップしました。

2019年に連載を始めたときは、それからわずか三年半のあいだに
世の中もプライベートでも、これほどいろいろなことが起こるとは、
思いもしませんでした。(たびたびの長い休載、ごめんなさいm(_ _)m))

物語では戦争は終わったのに、現実では戦争が世界を揺るがしています。
本当は争っている場合じゃなくて、みんなで力を合わせて
パンデミックや気候変動、異常気象に向き合わなくてはならない時なのに。
ひとりひとりが想像力を持って、他者の痛みを感じ、
なにげない日常の幸せを、誰もが感じられる世の中になりますように。
そう切に願いながら紡いだ物語でした。

1989年の旧バージョンは、全25章(&エピローグ)。
新バージョンは、全44章(&エピローグ)。
第三部がとても長くなり、自分でもびっくりしました。
「あとがき」でも少しお話ししましたが、理由として、
〈サラファーンの星〉四部作を書くことで、ダイロスの横顔を知ったこと、
そのダイロスに奪われた大いなるダイヤモンドの鍵を握る人物として
盗賊ジョーが全編に登場したことを考えると、彼はどこかにいるだろうと
思ったこと、
旧作のクライマックスがしっくりこなかったことなどが挙げられます。
どうして、そんなことが最初からわからなかったのか???
まったく間が抜けているったら、自分でも呆れています。

第一部は、逆に、旧バージョンをかなりシェイプアップしています。
サラファーンの第一部『星の羅針盤』には、一見のどかな日常の場面に、
伏線を潜ませてあるのですが、『ユリディケ』の冒頭は、
ほとんどそうした伏線がないので、短くしたりカットしたりしました。
追加した場面もありますが、第一部全体としては短くなったんじゃないかな。

もちろん、ユナが二本の剣の魔力を解き放ち、預言を成就させるという
流れそのものは変わっていません。
ただ、預言を成就させたあと、ユナはエルディラーヌに行くんじゃないかな
と感じて、そのあたりも新たに入れました。
二千年前に会えなかったフィーンの王と王妃にも、やっぱり会わなくちゃ、
と思ったし、エレタナの兄、ユリス王子も、すごくユナに会いたがっていたし。
彼がデュー(ランドリア王子)と再会できたことにも、ほっとしました。

〈サラファーンの星〉とのよすがを感じられるようなエッセンスを
そこここにちりばめられたことも、改稿してよかった点だと感じています。
銀色狼や黒猫のアイラは、サラファーンの欠かせない存在ですし、
登場人物の見る夢や、ふとしたときに感じる感覚にも、そうした要素を
しのばせました。

エピローグは、かつて旧バージョンの冒頭を書いたときから、ずっと浮かんで
いたエンディングでもあるので、最後の最後の部分は、ほぼ昔のままにしました。
前半部分はかなり変えました。
〈サラファーンの星〉を書いているときから、これは絶対に外せない、と
思っていた要素があったので。
エピローグをめぐるエピソードとして、次回紹介しますね。

コメント

_ nancy ― 2022年08月30日 20:11

ユリディケが完成したのですね♥️♥️♥️
すごく待っていたので、とってもとってもうれしいです。
体調が良くなってきているとのこと、本当によかったです。
でも、無理は禁物。
どうぞ休み休みお仕事をなさってください。
さぁ~、私はこれから読んでみます。
ドキドキ、とってもとっても楽しみです~♥️

_ fumiko ― 2022年08月30日 21:36

Nancyさま
待っていて下さって、ありがとうございます。
体調のことも、ありがとうございます。
のんびりがんばりますね。
楽しんでいただけるといいなぁと願っています。

_ nancy ― 2022年09月01日 17:32

今、38章から一気に読み終えました。
もう、感動でいっぱいです。
本当にすばらしかったです。
最後の戦いはハラハラドキドキで、私も物語の中に入り込み、無我夢中で読みました。
本当に本当に満足しています。
もう一度、サラファーンの星もユリディケも読んでみたいと思いました。
これからのブログも楽しみにしています。
ユリディケ最高です。
サラファーンの星も最高です。
いつか映画にしてほしいです✨✨✨

_ fumiko ― 2022年09月01日 23:37

nancyさま
最後まで読んで下さってありがとうございます。
熱いコメントも、うれしかったです☆
とても励みになりました。
ブログ、楽しみながら続けていきますね。

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