満月と半影月食、そして、日々の思い2020年11月30日 16:35

今夜は満月。そして、地球の影に月が半分隠れる半影月食だそうです。
(欠けるのではなく、満月がグラデーションに見えるらしいです。)
6時40分頃が最も食が大きくなるとのことで、
ちょっと雲が出ているけど、見られるといいな。

先日、家族の心配事があると書きましたが、まだ嵐のただなかにいます。
大きなことはふたつ。妹の病気と、甥の将来。
妹の子どもたちは、姪も甥も、自閉症スペクトラム。
姪はこの9月、施設からグループホームへ移りました。

甥の方は、もうじき二十歳になるのですが、国の方針で、二十歳になったら、今いる
子どもの施設をでなければなりません。
ところが、やはり国の方針で、障がい者は地域で見ましょう、ということになり、
現在、どんどん施設は減らされています。
グループホームは次々と建っていますが、ほとんどが軽度の人向けで、
甥のように重度の者には、なかなか受け入れ先がなく、書類選考で落とされたり、
体験入所で断られたりで、
わたしも手伝って、近隣の県の施設に片っ端から電話したのですが、
すべて断られてしまいました。

何年にも渡って、子どもの行き先を探し続けていた妹は、
精神的に追い詰められていったんだと思います。
もっと早く、気づけばよかったと悔やんでいるのですが、
コロナの感染拡大で、電話で話すことがほとんどで、
ある日、久しぶりに訪ねていって、異変に気づいたのです。
声が出なくなり、目がうつろで表情が消えていて、
話しかけても、反応もほとんどありませんでした。
すぐに精神科の病院につれていきましたが、
その後、数日間、寝込んでしまいました。

幸い、処方された薬が合ったようで、少しずつ回復しています。
ただ、まだ味覚の異常があるし、記憶も曖昧な部分があり(どちらも鬱病の特徴)
ドラマが大好きだったのですが、筋がわからないそうです。
脳の検査の結果は、先生によると、
「考えられないほど認知能力がダウンしていて、ほとんど自分で考えることが
できない状態で、家族の全面的なサポートが必要」とのこと。

現在、通院の付添や、妹の家との往復をしながら、姪と甥の施設にも行ききして
いますが、妹の代わりに動いていると、妹がこれまでどれほど過酷な状況に
置かれていたかが、身を持ってわかりました。
本当に、すべての障がい者が、行政からしっかりサポートを受けられるような国に
していかなくてはなりません。

忙しい日々ですし、妹が病気になったのは悲しいことだけれど、
甥の施設の方や、児童相談所の方、姪の施設の方など、どなたも本当に一生懸命
子どもたちのことを考えてくださって、その熱意と温かさに、心を揺さぶられます。
そんな素敵な人たちに会えたのは、今回のことの、思いがけない贈り物でした。
どんな辛いことにも、必ずひとつはいいことがあるものですね。

鬱病についても、いろいろと学んでいます。
ただ気持ちが落ち込むという単純なことではなく、
脳が普通の状態ではなくなっていること、そのために激しい疲労感があること、
普段はできるごく簡単なことが、できない状態であること、
脳が機能を取り戻すまでには、時間がかかるということ、
また、しっかり治療をすれば必ず良くなるということ。

「なんでこんな(子どもの将来がかかった)大事なときに
病気になっちゃったんだろう」と妹はいいました。
大事なときだからこそ、頑張りすぎて、なっちゃったんだよとこたえました。
ほんとに頑張りすぎて、脳が限界を超えてしまったんですよね。
「休みなさい」ということだと思います。

妹には、仕事でもプライベートでも、ずっと支えてもらってきました。
いまはわたしたち家族にまかせ、重荷を下ろして、ゆっくり休んでほしいです。
大好きな妹に、笑顔が戻ってくるように、
頼りない姉だけど、できる限り支えていきたいです。

わたし自身の体調も、なんとか上向きになってきたので、
もう少し頑張って、少し落ち着いたら、『ユリディケ』執筆に戻れると思います。
いまはまだいっぱいいっぱいで、余裕がなくてごめんなさい。
でもいつも、心の片隅に、ユナがいます。
彼女もいま、辛いところで耐えているから、わたしも頑張らないと!

と、書いているうちに、なんともう、満月が上がってきていました!
これからグラデーションが見られるのかな。雲が切れてきたので、期待できそうです☆