仙台の森とクマとカモシカ ― 2025年11月10日 17:41
このところ、クマのニュースを聞かない日はありません。
先週、仙台の友だちから届いた手紙を見て、彼女のマンションの前にある森林公園に
クマが出没したと知って、びっくりしました。
このところクマのニュースを聞かない日はなく、仙台でも目撃されたのは知っていましたが、
まさか彼女の住まいの目の前の森林公園とは思いませんでした。
そこは私のあこがれの森です。彼女の住まいからは、窓いっぱいに森が広がり、
春から夏にはウグイスやカッコウが歌い、冬には雪が幻想的に舞う銀世界が見られます。
森には、人を生き返らせる力があるというか、人間も自然の一部なんだな、と
素直に感じることのできるところです。
そこは彼女とご主人の毎日の散歩道であり、地下鉄の駅へも森の中を通ります。私も
何度か泊まらせていただいたのですが、そのたびに一緒に散策を楽しみました。
クマ情報により、地下鉄への道が封鎖され、遠回りの道を探す日々が続いたそうです。
坂が多く道も私道や行き止まりがあり、やっと比較的近い道を見つけられたようですが、
いつになったら安全になるのか誰にもわからないので、対処するしかないとのことでした。
最近の例に漏れず、人の生活圏に現れるクマ。
あの森が封鎖されたなんて、私もものすごくショックを受けました。
友人夫婦はこの春、森を散策中に、二頭のカモシカと出会ったそうで
(仙台に移ってもうずいぶんになりますが、初めてだったとのこと)
最初、彼女は大きな犬がいると思い、ご主人は羊だと思ったとか。
でも、すれ違ったあと、二人同時に「カモシカだ!」と気づいたそうです。
手紙には、カモシカがすんでいるということは、他の野生動物もいることだと
気がついたと書かれていましたが、これまではクマもカモシカも見なかったわけで、
地球温暖化による気候変動で、餌となるブナやドングリの実が不作になれば、
クマが人の生活圏に来て食べ物を探さざるを得なくなるし、
耕作放棄地が増えて、人の手の入った里山が消え、放置された木々の実も
クマを人の生活圏に近づけているようです。
農業は国にとって、一番大切な産業だと思います。
食料を海外から頼れなくなる事態も起こりうるわけで(コロナのときなどのように)
自給自足のできる農業国であってほしいと願っています。
農業を営んでいる親戚がいますが、本当にきつい仕事で、もっと国の援助が必要だと
心から思います。ミサイルがあっても、食べ物がなければ、人は生きていけません。
地球温暖化も、耕作放棄地が増えていることも、人がかかわっていることで、
ということは、クマの被害は人災ですよね。
私たち人間は、できることをひとつずつ積み重ねていくことが大切だと、
友だちの手紙を読んで、いっそう感じました。
杏とレモン。暑さに効きます! ― 2025年07月27日 19:34
猛暑のこの夏、重宝しているのが杏とレモンです。
こちら杏のコンポート。
杏はβカロテンやクエン酸、カリウムが豊富で疲労回復効果があるそうで、
ヨーグルトに入れて食べるととっても美味。
我が家でいつも夏に作っていた杏ジャムは、母が高カリウム血症になって、作っていませんが
「コンポートならカリウムがかなりシロップに溶け出すから、少しならいいかも」と
やさしい従兄(母にとっては甥ですね)が手作りで送ってくれました。
もう実の部分は食べてしまって、今は私が独占でシロップをウィルキンソンで割って
飲んでいます。
もうひとつの必須アイテム、レモン。
興居島レモンという大きくて美味しそうなレモンを見つけ、スライスして蜂蜜につけました。
減農薬なので皮もよく洗えば大丈夫とのことで、皮ごと輪切りにしたものと、
皮をむいてワタのところをたくさん残したものと2通り。それぞれの味わいがあります。
興居島レモンは糖度10度の、丸かじりもできるレモン。(無論レモンですから酸味も
あるので、普通の果物の糖度を想像すると違いますが、私はレモンがりがりかじるのも
子どものころから好きです。食事についてくると、必ず食べちゃうタイプです。)
果汁と混ざった蜂蜜は、やっぱりウィルキンソンで割って、レモンスカッシュにして
飲んでいます。外出から帰ったときなど、本当にすっきり爽やか。
カットした実は大好きな小岩井ヨーグルトに入れて、食べています。相性抜群。
杏も興居島レモンもシーズンが終わってしまいましたが、作り置きを楽しんだあとは
他のレモンで作って、この猛暑を何とか乗り切ろうと思っています。
5月の薔薇&目のお話 ― 2025年05月27日 22:05
広い庭には色とりどりの薔薇が咲いていました。本当にきれい。
薔薇を育てているとおぼしき女性が、声をかけてくれました。
「ほら、来て。本当にいい匂いがするんですよ」
近づくと、薔薇のやわらかな甘い香りがしました……。
というのが、今日の夜明けに見た夢です。
色や香りのある夢は子どもの頃からよく見たのですが、最近はあまり
見ていませんでした。久しぶり。
この5月は、あちこちで野薔薇や薔薇が鮮やかに咲いていました。
広告会社時代の先輩が、メールで、この春は寒暖差が大きかったからか、
自宅の庭でも近隣の家でもいろいろな花がどれも色鮮やかだと言っていました。
そういえば、長野の伯父が、信州は寒暖差が大きいため、花の色が鮮やかでとてもきれいで、
移り住んだとき、とても感激したと話してくれましたっけ。
こちらは、少し遠出して散策したときに見かけたお家の窓辺の薔薇です。
ヨーロッパの光景みたいで素敵でした。
こちらは八重の野薔薇。つくばの友だちの家の庭で咲き誇っていたのを思い出します。
母の日にも、今年は妹夫婦と一緒に、ビタミンカラーの薔薇をプレゼントしました。
骨折が早く良くなりますようにとの祈りを込めて。
その母ですが、週二回のリハビリも頑張っていて(毎日自主トレも頑張って)
ずいぶん歩けるようになってきました。
少しずつ歩行器で外にも出るようにしています。私が付き添いです。
大腿骨を骨折した人と、化学療法の副作用で足の神経が麻痺している人が
ヨタヨタ歩いているので、いかがなものかと思うのですが、いつも楽しく歩いています。
ところで、先日、去年悪性リンパ腫の治療でキャンセルした目の手術をしました。
私は右眼が強度近視で乱視に老眼が入ってきて、左眼も近視で乱視の上、
左右の度がものすごく違うので、見辛くて、仕事に支障が出るようになっていました。
そこで、白内障の眼内レンズを入れる手術で、矯正をすることにしていたのです。
私の場合、白内障は多少あるものの、あと10年くらいは大丈夫と言われました。
ただ、左右差がありすぎて疲れると相談をしたところ、眼内レンズでの矯正もいいかもと
目医者さんからアドバイスを受けました。
色々考えた末、遠くも近くも見えるという多焦点レンズにしたのですが、
リスクとして、近くが見づらい人が少数いるとのこと。でも、人間、自分がその少数に
入るとはあまり考えないものですね。私もそうだったのですが、見事に?その少数に
入ったのか、手術の結果、遠くはとても良く見えるのですが、
スマホやパソコン、本や新聞が読めない状態に。
他焦点レンズは、どこにでも焦点が合うという特殊な見え方をするため、
脳が順応するのに時間がかかるそうですが、一日で慣れてしまう人もいるそうです。
逆に、一か月、半年、一年単位で徐々に見えるようになる人もいるそうで、しばらく、
パソコン仕事を休んで様子を見ていました。
でもまだ、パソコン画面も見えません。
こうして文字が打てているのは、なんとか左眼で見ているから。
左は、近眼で乱視ではありますが、近づけばパソコンの文字が読めるのです。
そんなわけで、現在、遠くは右眼で、近くは左眼で見ています。
車の運転はできません。ダッシュボードの計器類が見えないから。
ちょうど右でも左でも見えない距離にあるんですね。
この状態では疲れるので、今週、眼科で検査をしてもらい、先生と相談してきます。
左眼の手術は一旦保留して、左だけでも近くが見える状態を保って、仕事をするのも
選択肢だと思っています。
というのも、『ユリディケ』のキャラクター相関図を作っている最中で、
イラストはまだ描いていないのです。
今の右眼ではイラストは描けないけれど、左眼なら描けるんじゃないかな。
右眼だけローガン卿の助けを借りてもいいかもしれないしね。
まあ、なんとかなるだろうと思っています。
そんなとき、素敵な薔薇の香りの夢を見たので、今日は頑張ってPCに向かい、
文字を拡大して、無事?ブログを更新することができそうです。よかった〜。
母の入院。そして退院 ― 2025年04月12日 10:02
ちょうど四週間前の土曜日でした。
母が部屋で転倒し、大腿骨を骨折しました。
前にわたしが胸椎を骨折した際は、母が救急車に付き添ってくれたのですが、今度は逆。
救急隊員の方々には、今回も大変お世話になりました。ありがとうございます。
家族の非常事態ですので、具合が悪いなどとは言ってられません。
アドレナリン出まくりで、身体も動きます。
妹も飛んできて、一緒に先生の説明を受け、月曜には人工骨頭を入れる手術で、
翌日からリハビリが始まりました。
コロナが五類に移行するまでは面会禁止だったそうですが、幸い、毎日面会でき、
届け物をしたり、洗濯物を受け取ったりする時、顔を見ることができました。
先生はとても前向きで、母より高齢の方が、先日リハビリ頑張って2週間で
退院しましたよ、とおっしゃり、「それを目指しましょう!」と頼もしく、
その明るさに救われました。
また、介護申請をしたほうがいいと言われ、区役所に手続きに行きました。
福祉課で手続きをしたあと、地域包括支援センターに相談に行くよう言われ、
翌日、妹と二人で行ってきました。
障害福祉のことは、姪と甥が自閉症スペクトラムだったので、手続きが煩雑なことや
ソーシャルワーカーの方が忙しくてなかなか見つからないということも知っていましたが
高齢者福祉も一緒で、ケアマネさん不足で探すのが大変だと知りました。
制度も色々な決まりがあって、とても複雑です。
「二つの脳は一つよりよい」と言いますが、妹と私の脳では、どうも足りないようで、
1時間以上、いろいろと説明を聞きましたが、頭がパンク状態になってしまいました。
でも、相談に乗ってくださったスタッフの方が、とっても頑張ってくださって、
翌週には奇跡的にケアマネさんが見つかり、
母が退院したら、訪問リハビリと福祉用具の方たちと一緒に、我が家で母の様子を
確認しながら、担当者会議を開くことになりました。
介護認定が降りるのは一か月くらい先になるそうですが、
待ったなしの状況なので、先に動きます、と言われ、
本当に、みなさんに素早く動いていただけて、ありがたかったです。
わたしの方も、今後、母が生活しやすいように、家を整えなくてはなりません。
(母の部屋よりわたしの部屋のほうがトイレに近いので)
部屋を取り替えることにして、自分で動かせる小さな家具は移動し、
クローゼットやチェストなどのタンスは、中身だけ入れ替えることに。
こんなとき、魔法が使えたらなぁ。指をパチンと鳴らすだけで入れ替わったら、
どんなに楽でしょうね。
けど、魔法使いではないので、病院や地域のソーシャルワーカーの方々との連絡の合間に
少しずつすすめていきました。
母は膝も悪くてもともと杖を使って歩いていたので、どうなるか心配しましたが、
そうこうしているあいだに(結局、服の入れ替えは、まだまだ道なかばです)
リハビリをかなり頑張って、数日前、無事退院してきました。
杖を使って歩行できるようにならなければ、リハビリ専門病院に転院と聞いて、
家に帰りたい一心で頑張ったそうです。
退院の翌日には、ケアマネさんたちがいらして担当者会議を開き、福祉用具の方は
さっそくお試しのシャワーチェアを置いていってくださり、その日からシャワーが
できて、とても助かりました。
そして、その翌日から、ベッドの柵や、据置式のトイレの手すり(もともと手すりを
つけていたのですが、位置が高すぎて役に立たなかった)、家の中の歩行器や
四点杖が順次届き、また、廊下に手すりをつけるため、福祉用具の方が、建築士の方を
呼ばれ、一昨日には、最初のリハビリも始まりました。
なんだか嵐のような四週間でしたが、今日は週末で、久しぶりにゆっくりできています。
母は、入院中は検査やリハビリや面会の時間以外は、退屈だったそうで、
「退院してからのほうが忙しかったわ」と言っています。
怪我人は、治すのが一番の仕事ですから、病院で静かにしている時間も大切だったと
思います。
救急隊員の方々、病院の先生や看護師さん、理学療法士さんなどのスタッフの方々、
福祉用具や訪問リハビリの皆さん、区役所や地域包括支援センター(名古屋では、
いきいき支援センターと呼んでいます)の方々に支えていただき、
なんとか母も家で生活していけそうです。感謝の気持でいっぱいです。
それにしても、去年のわたしの入院と重ならなくて、本当にラッキーでした。
わたしが退院してから、化学療法に通院している間も、副作用で動けなくて、母が
すべての家事を引き受けてくれたので、もともと膝が悪かったところにもってきて、
それで負担がかかって、骨が折れやすくなっていたのかなと思います。
お母さん、ごめんね。
副作用もずいぶん軽くなってきたので、これからは、福祉の方々の力をお借りして、
わたしが頑張ろうと思います!
少し落ち着いたら、仕事にも戻れると思います。
待ってくださっている方がいらしたら、ごめんなさいね。
家族の危機に、うつ病の妹も、がんばっていろいろと手伝ってくれて、ありがたいです。
妹は疲れが出ると、膀胱炎を発症するので、心配ですが、
みんなで力を合わせれば、なんとかなるかな、と思っています。
病院や区役所に通う際、桜が蕾から日々開いていく様子や、新緑が少しずつ芽吹いていく
様に、心が慰められました。
冒頭の写真は、雨の日、バスを待つときに見かけた白い花。名前はわからないのですが、
雨粒を宿して、清楚な風情に惹かれました。
追記:優しい友人がこの花の名前を教えてくれました。
リキュウバイ(利休梅)といって、古くから茶花としても親しまれてきたそうです。
渋柿とヒヨドリ ― 2025年02月01日 11:08
先生から「歩いてください」と言われ、模範的な患者として、ほぼ毎日歩いています。
体力を取り戻すには、一番良いそうです。少なくとも、抗がん剤で体力が落ちた人、という
ことかもしれませんが。
歩いていると、季節の移り変わりが感じられます。
散歩コースのひとつに、渋柿の木があるのですが、長いことたわわに実ったままでした。
それが、数日前から、ヒヨドリがやってきて、柿をつつくようになりました。
毎年そうです。渋い時には、誰も食べないのに、寒い時期が来て、甘くなると、
メジロやヒヨドリ、カラスがやってきます。
しかも、確信的にやってきて、集って食べていくのです。
匂いが変わるのかなぁ。
上の写真には、見えるだけでも4羽のヒヨドリがいます。
木全体だと、一度に10羽以上留まっています。(一枚目と二枚目は昨日の写真)
こちらは、その前の晴れた日のものです。青空を背景にすると、ヒヨドリがよくわかるかな。
で、こちらは地面に落ちた食べかすと種。種は左上の方にあります。
そして、オレンジ色のは皮なのですが、横から見ると、ま半分になっていて、
中身はきれいに空っぽです。この写真では、そこまでわからないと思いますが、
皮ギリギリまでつついてあって、縁を見ると、熱さ1ミリくらい。
お行儀がいい子が食べたのかな。
ちょっとつついただけで落っこちている実のほうが多いんだけど、これはとっても
めずらしかったので、思わず撮りました。
ヒヨドリも一羽一羽、けっこう性格が違うのでしょうね。
イチローさんと星々の饗宴 ― 2025年01月22日 20:00
イチローさんのアメリカ野球殿堂入りが決まりました。
アジア人として初めてだそうです。本当におめでとうございます。
アメリカに渡った当時は懐疑的な意見も多く、2001年のキャンプでは「日本に帰れ」と
しょっちゅう言われたそうですが、その最初のシーズンでMVPを獲得しました。
誰に何を言われようと、自分の信じる道をひたむきに進んだ人。
ヒットが抜群にうまく、俊足をいかした盗塁も、また、守りでも魅せてくれました。
いろんな姿が、脳裏に焼きついています。
野茂英雄さんも、大谷翔平さんも、共通するのは、周りに流されず、己の心に忠実に、
ひたすら努力を重ねる姿勢だと感じます。
今の明るい金星を見ておきたくて、宵空の下、思い切って、少しだけ散歩をしました。
退院以来、外を歩いて星を見るのは初めてです。
雲がほとんどない宵空は、きれいに澄んでいて、外灯が明るいところでも、
金星は燦然と輝いていました。今は地球から見ると太陽に真横から照らされている状態で
半月状なのだそうです。それでも、マイナス4.7等星。
近くにあるはずの土星は、見えませんでしたが、ぐるりと空を見上げると、天頂近くには
木星が輝き、かたわらにはアルデバラン、その下にオリオン座がきらめいて、
地平線近くにはシリウスも青い光を放っています。
東の空では、真っ赤な火星と、ふたご座のカストルとポルックスが仲良く近くにいます。
イチローさんを祝福しているかのような星々の饗宴。
佐々木朗希さんも、いよいよ大リーグに渡りますね。心からのエールを送ります!
「疲れて当たり前よ〜」の言葉にほっとしました ― 2025年01月21日 11:07
先日、今年初めての精神科の診察に行ってきました。
「先生。2時間(それも休み休み)パソコンに向かうと、もうぐったりして、
疲れ切ってしまって、なにもできなくなるんですけど」と打ち明けると、
「疲れて当たり前よ〜! だって病み上がりなんですもん。1時間できたら御の字よ」
と先生。実に明快。
「え? たとえば家事とかやっぱり少ししても疲れるんですが、それも同じですか?」
「ええ。それも当たり前よ〜」
「じゃあ、がっかりしなくていいんでしょうか」
「もちろん! がっかりする必要なんてないわよ」
その翌日。訪問看護師さんにその話をすると、
「抗がん剤を終えた人が、一番陥りやすいのが、治りが遅く感じられて焦ることです。
自分が思っているより、ずっと長くかかると思ってくださいね。それが普通です」
そうなんだ!
体力が思うように戻らず、自分が怠け者に思えて、落ち込こんだり、焦りを感じたり
していたのですが、先生と訪問看護師さんの言葉にほっとしました。
今年は仕事に復帰したいという思いが強いのですが、一歩ずつ進もうと思います。
少しずつ、準備を進めています。やりたいことがたくさんあるのに、できないという
もどかしさを感じる自分も、病気から回復してゆく過程のひとつなのかな…。
なるべくおおらかな気持ちでいたいと思っています。
ブログもこうして少しずつ始められているので、着実に少しずつ回復しているという
ことですよね!(と、自分を鼓舞しています。)
そうそう。末梢神経障害も、まだまだしんどくはありますが、
ペットボトルやビンの蓋があけられなかったのが、今ではできます。
できないことより、できるようになったことを、数えたいと思います。私と
同じように、病気の回復途上の方がいらしたら、
「焦らないでね。疲れて当たり前なんだから」と伝えたいです。
そんなふうに療養生活をゆっくり続けるなか、世の中は大きく動いています。
アメリカの大統領が変わり、予告通りパリ協定やWHOから離脱したり、
前政権から方向転換して、「あらゆる局面に人種と性別を組み込もうとする政策を
終わらせる」とのこと。
今日からアメリカには男性と女性しかいない、だなんて…。
国連の理想とする「誰ひとり取り残さない社会」からかけ離れていきますが、
グテーレス事務総長は、パリ協定から脱しても、アメリカの都市や州、企業が、
温暖化対策を続けると信じると語ったそうです。私もアメリカの良心を信じたいです。
ガザの停戦も、ようやく履行されています。どうかきちんと守られますように。
それから、LAの友人のお家は、ほぼ無事だったそうで、胸をなでおろしました。
ただ、専門業者を頼まなければならない部分もあり、今は予約がいっぱいだそうですし、
完全には鎮火しておらず、インフラも戻っていないので、まだ避難を余儀なくされています。
地震も、大雨も、山火事も、復興への道が、本当に大変なのだと感じます。
一日も早く事態が収まり、穏やかな生活が戻りますように。
流線型の風、もふもふ絨毯の感触 ― 2025年01月05日 12:35
大雪が続いているところがあります。ニュースで見るだけでも、ものすごい雪…。
岐阜にいるとき、冬になると雪かきをしたのを思い出します。車が埋もれると
まず裏手にあるガレージまで掘り進むのが一苦労でした。
雪深いところにお住まいの皆様、どうぞくれぐれも気をつけてくださいね。
ところで、髪が生えてきています。
抜け始めたのは一回目の抗がん剤から10日もたたないうちで、
先生から「早いですね」と言われました(いいことか悪いことかわかりませんが)。
かたまりでバサッと抜けるので、事前にそう聞いてはいたものの、衝撃でした。
それから数日のうちに、みるみるなくなり、99%ほどに。
わずかに残った髪は、2センチほどに切りました。
ちょっとサザエさんのお父さん、波平さんになった気持ちです。
そして、発見しました。
髪が少ないと、歩くと家の中でも風を感じます。空気の流れといったほうがいいかな。
廊下を歩くだけで、自分の頭が空気を切って、その空気が頭の形に沿って流線型に
後方に流れていくのがはっきりと感じられるのです。
わあ。今度は、波平さんから野生動物になった気分。
よく、動物が頭をひょいと上げて、ヒゲで風を感じ、匂いなど状況を読みとって
いるのを、ドキュメンタリー番組とかで見ますよね。
あの動物の感覚って、こういうものなのかな、と思いました。
野生じゃなくても、猫もそうかな。ヒゲで敏感に空気の流れを感じ取るのでしょうね。
先生から散歩するよう言われていたので、退院後、できるときは頑張って歩きましたが
帽子を被っていたので、それが感じられません。
猛暑の夏だったので、夜明け前の散歩ですが、もう薄明るいし、犬の散歩をしている人が
けっこういて、帽子は必須。
でも、あの感覚を味わうの、家の中を歩くときだけじゃもったいないよねえ。
そう思って、ある日、とある坂道で、誰もいないのを確かめ、帽子を脱ぎました。
あ〜、流線型の風! 外の夜明け前の風! 本当に気持ちよかったです。
交差点に差し掛かると、自転車が走ってきたので、さっと帽子を被りましたが、
あの短いひとときは、爽快感に、副作用の辛さも忘れました。
治療が終わり、髪が生えてきて(今ちょうど高校球児くらいかな)、新たな発見。
生えたての髪は先が細くてやわらかくて、頭の上からぽんぽんとさわると、
もふもふの絨毯のようなのです。ふかふかのマットとも表現できるかも?
母や妹に、さわってみて、というと、「気持ちいい〜〜!」と言います。
ぬいぐるみみたいです。(頭の毛の感触だけね!)
副作用とは折り合いをつけてなんとかやっていますが、そんな面白いこともあります。
ただ、昨日は、末梢神経障害のリハビリになると思って、手と足の指のマッサージや
運動をしていたら、やりすぎたんでしょう。左手の人差し指がじんじんと痛みだし、
びっくりしました。
夜ゆっくり休んだら、今日は治っています。
少し家事をしたり、スーパーに行って買い物してくるだけで、その午後や翌日は
ぐったりしてしまい、体力がなかなか戻らず、本当にがっかりしますが、
もう少ししたら、仕事に戻れると信じて、
「焦らない、焦らない」と自分にいい聞かせています。














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