坂本龍一さんを偲んで2023年05月03日 22:30


午後の水晶のような月

憲法記念日の夕方。5時半過ぎに近所に買い物に行くと、まだ明るい東の空に
月がぽっかり浮かんでいました。満月が近くなって月の出が少しずつ遅くなっています。
青空にこんなふうに水晶のように透ける月も、とても好きです。
(月は画面中央です。クリック拡大で、模様もなんとなく見えるといいな。

坂本龍一さんの訃報に接してひと月が過ぎました。
反戦と脱原発を訴え、環境問題も真剣に向きあっていた「教授」。
今も空の上から、憲法9条を守りたいと願っているに違いありません。

フィギュアスケーターの三原舞依さんが、先月の国別対抗戦で、シーズン締めくくりとなる
『戦場のメリークリスマス』を滑っていた姿が思い出されます。
彼女の天上的な舞には、坂本さんへの心からの追悼が込められていました。
映画公開当時、彼の音楽も、デヴィッド・ボウイという同じく世界的な音楽家との共演も、
楽しみだったのを思い出します。
戦争のむなしさを描き、強く平和を願う作品で、美しいピアノ曲が、観終わったあとも
ずっと心に響いていました。

東日本大震災から12年になるこの春、坂本さんは新聞に(我が家の場合は中日新聞)
原発に反対するメッセージを寄せていて、切り抜いてデスクに置いていたのですが、
そのすぐあとに亡くなられてしまい、大きな衝撃を受けました……。
そのメッセージのなかで、坂本さんは、
「なぜこの国を運営する人たちはこれほどまでに原発に固執するのだろう」と
疑問を投げかけています。
放射性廃棄物の処理の仕方も未解決で増える一方だし、2011年の原発事故の汚染水、
処理水も増える一方。世界一の地震国だというのに、なぜだろう、と。
本当に、わたしも不思議でなりません。

東日本大震災の原発事故を受けて、ドイツは、当時のメルケル政権が脱原発を決断しました。
そして、ロシアのウクライナ侵攻という逆風のなか(実際、反対意見も増えつつあるなか)、
先月、脱原発を完了しました。
痛みをともなっても、未来をしっかり見つめ、賢明な決断を下した勇気に敬服します。

なのに、事故当時国のこの国は、まったく逆方向へと動いていて、悲しくなります。
そして、二度と戦争をしないと誓った憲法9条を変えようとしていることも悲しいです。
水晶のような澄んだ月を見上げ、坂本さんを偲びながら、
日本が平和への道をしっかりと歩み、未来を築く若い人たちが、ひとりでも多く
の遺志を受け継いでいってほしいと願いました。

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