魔女の一撃Part22023年10月30日 21:01

最初に私がその脅威を知ったのは、広告代理店に勤めていた20代前半。新入社員時代。
制作の雑用をしていた私は、よく制作の副社長室にも出入りしていました(手紙や書類を
届けるなど、本当に雑用)。
あるとき、副社長の秘書がぎっくり腰になり、一週間休みますと、人材派遣会社から
連絡がありました(秘書の方は派遣社員でした)。
植木鉢を持ち上げた瞬間だったと聞いています。
副社長、怒るとコーヒーや灰皿が飛ぶと有名な方で(蜷川さんみたいですね。実際に、
友人はそのシーンを目撃しました)、
そのときも、「一週間も休むなどとんでもない!」と激高され、彼女はクビに。
(今では許されないことですね。)
副社長に負けず劣らず、とっても怖い年配の女性でしたが、そんな彼女が打ち勝てなかった
ぎっくり腰。恐るべし、と思いました。

そのとき派遣会社から代理でやってきた女性が、そのまま副社長の秘書になりました。
彼女、さっぱりした性格で、私は大好きだったのですが、
あるとき副社長から理不尽に叱られたとき、「私、辞めます!」と宣言し、
荷物をまとめて、出ていきました。あっぱれ。
副社長、ドジな新入社員の私には優しかったです。おそらくあんまりおバカだったため、
怒る気がしなかったのでしょう。)

話を戻します。
その恐るべきぎっくり腰、その後、私が最初に目撃したのは、同じ会社でのこと。
ある日、同僚から電話がかかってきました。内線電話です。
「フーちゃん、すぐ来て! 今コピー室。動けない」
何事かとコピー室に急ぐと、コピー機に抱きつくように覆いかぶさっている同僚の姿が。
「ぎっくり腰やったみたい。すっごく痛い」
コピー機に張り付いている彼女をなんとか引き剥がし、支えながら、
同じビルにあった整形外科に。
診察の結果は、やっぱり「ぎっくり腰」
20代でぎっくり腰になるんだ、と、彼女も私もびっくりでした。
会社に戻ると、優しい部長が、タクシーで帰りなさい、とタクシー券を出してくれました。
(これも今ではないかな。いろいろとおおらかな会社でした。)

さて。私自身が最初にその一撃をくらったのは、会社をやめたあとの28歳のときです。
ある日シャワーを浴びていて、シャンプーの後、立とうとしたとき、腰に激痛が走りました。
同僚の一件で、すぐにわかりました。ぎっくり腰!
これか。ああ、どうしよう。一人暮らしで、助けは呼べません。
そのとき思い出したのが、住んでいたマンションと駅の間に、「カイロプラクティク」と
看板を掲げた整体院があったこと。そうだ。あそこへ行こう!
しかし、一糸まとわぬ姿で行くわけにはいきません。なんとか着るべきものを着て、
這うように行きました。
普通に歩けば3分で着く場所ですが、ものすごーく遠く感じました。)
何やら不思議な形のベッドに寝かせられ、思い切り背中を押された途端、
バキバキバキッと音がしました。
超痛かったけど、不思議なことに、起き上がることができ、まっすぐに立てました。
重いものを持ち上げるときは体の重心に近くして持ち上げること、
朝起きるときや、低い姿勢から立ち上がるときは、急な動きをしないよう気をつけること、
身体を柔らかくすること(ストレッチなどで)と指導を受けました。

その後、癖になったのか、何度もやるようになりました。友だちが接骨院をされている方と
結婚したので、もと同僚じゃないけど電話して(内線電話はありません)
「すぐ来てくださ〜い!」と泣きついたことは一度ではありません。
そんなわけで、魔女の一撃とは長〜い付き合い。
どうか、今後とも、お手柔らかにしてほしいものです。

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