「優しい世界であってほしい」 ― 2026年01月22日 14:31
居間には、何十年も前、両親がなにかのお祝いにいただいたリアドロの馬があります。
ずっと、家族みんなのお気に入り。
今年は午年だから、馬も少年少女もいつもより嬉しそうに見えます。
見ていると、優しい心になる置物です。
馬は繊細で優しい動物。子どものころから大好きです。
(好きすぎるからかな、自分の物語にもたくさん登場させてしまいます。)
今日は、午後は雪になるかもと思って、朝一番で近くのスーパーに行きました。
朝はレジが少なく、無人レジが2つくらいと、人のいるレジが1つです。
バラ売りの伊予柑を1つ買ったので、値段がついてなくて、人のいるレジに行きました。
(そうでなくても、無人レジより人のいるレジが好きなんだけど。)
すると、私の前にいた年配の女性が、伊予柑1つとヨーグルト2パックだけのかごを見て、
「お先にどうぞ。少ないから」とにっこり。年上の方に譲っていただくなんて、
とんでもないと思って、
「いえいえ、そんな。どうぞどうぞ」とお断りしたのですが、
もう一度、お先にと言ってくれます。
せっかくのお気持ちを無駄にしてもと思い直し、お礼を言って入れていただきました。
終わったあと、もう一度お礼を言うと、「いいえ。どういたしまして」とまた明るい笑顔。
それから、レジの方に「おはようございます。お願いします」との声が聞こえてきました。
私も、レジの方には、「おはようございます」とか「こんにちは」の挨拶をして、
終わったあとには「ありがとうございます」と言います。お互い気持ちいいですものね。
でも、「お願いします」と言ったことはなかったなって気が付きました。
女性の声は、丁寧な優しい声で、物腰も柔らかでした。見習わなくっちゃ。
やっぱり、誰もが誰にもに優しい社会っていいです。みんなが過ごしやすいと思います。
今、中日新聞で「解体人書 スポーツの力」という連載をしています。運動音痴なのに
スポーツ大好きで、毎回楽しみに読んでいます。
今朝は、萩野圭介さんが登場。ご存じの方も多いと思いますが、リオ五輪で金メダルを
とったあと、右ひじの手術をしてから不調に陥り、東京五輪への周りの期待の重圧や
さまざまな葛藤を抱え、うつ病になりました。
現在は、(確か、日本体育大学の大学院でスポーツに関する研究をするかたわら)
そうした経験を語る活動を続けています。
めざましい活躍をするアスリートだって、わたしたちと同じ人間です。
ただ、メディアなどで注目され目立つだけに、
アスリートたちは、SNSで誹謗中傷を受けやすい存在です。
今日の記事の最後。萩野さんの言葉が素敵です。
「アスリートが単なる消費物ではなく、人として一人一人が大切にされる
優しい世界であってほしい」
そのことは、アスリートだけでなく、どんな人にも通じるのではないでしょうか。
ところで、私はようやく、長い風邪のトンネルを抜け、咳が少し残るだけとなりました。
年末に治ったかと思ったのに、そのあとまた少しぐずぐずしてしまって。
お世話になっているデザイナーの畠山さんも年末年始風邪をこじらせたそうで、
キャラ相関図、ゆっくりペースになっていますが、少しずつつ進めています。
のろまでごめんなさい🙏 健康第一でやっています。いましばらくお待ち下さいませ。
名古屋はまだ降っていませんが、来週まで強力な冬将軍が居座りそうで、各地で大雪が
続いています。あまり被害が出ませんように。
雪の多い地域のみなさま、どうぞくれぐれも気をつけてお過ごしくださいね。
夜明け前の月 ― 2026年01月15日 19:27
今朝は市の健康診断のため、夜明け前に起きました。
東の地平線がピンクとオレンジに染まった上には、まだ細い月が輝いています。
夜明け前の静かなひととき。心も静かになる、とても好きなひとときです。
時刻は6時20分過ぎ。ぽつぽつと明かりのついた家もありますが、
まだ街灯が灯っています。薄い青の空はどこまでも澄んだ色でした。
それから1時間弱。出かける準備をしているうちに、月は消え、地平線近くには
オレンジ色の朝日が見えました。
薄い雲がかかっているので、やわらかな光で、こちらも本当にきれいでした。
そんな美しい朝ですが、軽井沢の碓氷バイパスでバス事故があったのは、
ちょうど10年前のことです。
スキーツアーのバスが、碓氷バイパスのカーブを曲がりきれず、ガードレールを
突き破って崖から転落したのですが、乗客が若く、ほとんどが大学生だったことが、
いっそう衝撃的でした。
法政大学の尾木ママのゼミの学生も10人乗っていて、4人が亡くなったことも
思い出します。先生としてそんな悲しいことがあるでしょうか。
バスは、制限速度50キロの道を100キロ前後で走っていたといいます。
運転手の経験不足も指摘され、運行会社の社長と当時の運行管理者が
業務上過失致死傷罪に問われて、長野地裁で有罪となりましたが、無罪を訴えて
告訴したため、裁判は今も続いています。
遺族会や尾木ママは、政府に対する安全対策の要望や、命の大切さなどを訴え
様々な運動をしています。
そうした努力で、バスの運行の規制は強化されましたが、バス業界に限らず
安全意識の薄さから起こる事故があとを絶ちません。
亡くなった人たちの命を無駄にしないよう、より安全な社会になるよう、
公共交通機関だけでなく、誰しもが安全に対する意識を高めていきたいーー
そんなことを思った夜明けでもありました。
安青錦に、ウクライナに幸あれ ― 2025年11月24日 19:05
ウクライナで幼少期から相撲を始めた少年が、戦禍を逃れて来日して3年半。
九州場所で初優勝を果たしました。(大の里の休場で不戦勝で待っていた)
横綱豊昇龍との優勝決定戦を制しての、素晴らしい優勝でした。
今朝の中日新聞の記事によると、幼い頃から相撲好きで、2019年、
堺市での世界ジュニア相撲選手権で三位。
そのときに知り合った関西大学相撲部主将(現コーチ)の山中新太さんとは、
それ以来、連絡をとりあっていたそうで、ロシア軍の侵攻が始まって心配する彼に、
「日本に避難できますか」とメッセージが届いて、
山中さんが奔走し、彼の家に下宿しながら練習する日々が続いたそうです。
また、山中さんの母校で稽古に参加していた際、安治川親方(元関脇安美錦)の目に
留まったとのこと。
不断の努力に、幸運の女神がほほえんだのではないでしょうか。
大関昇進が確実といわれていて、楽しみですね。明後日、正式にまるそうです。
初優勝ともども、おめでとうございます!
安青錦新太という名前は、師匠の現役時代の名前から安と錦を、
ウクライナの国旗と自身の目の色から青を、
山中さんから新太をもらったというのはとても素敵ですね。
熱心に修練を積み、真剣勝負に挑む胸のうちには、つねに祖国への思いがあることは
想像に難くありません。
毎日、いえ、どんなときも、ウクライナへの強い思いがあるのだと思います。
北京オリンピックの直後、突然ロシアがウクライナに侵攻し、もう来年には
ミラノ・コルティナオリンピックが開催されようとしています。
大国が勝手な理屈をつけて始めた理不尽な戦争に、
別の大国が理不尽な和平案を提案しているという、非常に厳しい状況にあるウクライナ。
23日ジュネーブで行われた協議で、ウクライナはアメリカに対して、
ヨーロッパ各国と連携して和平案の修正を求めたと報じられていますが、
どうかうまくいきますようにと願ってやみません。
努力家で真摯な21歳の若き力士が、これからも上を目指して末永く活躍し、
国歌『ウクライナは滅びず』に歌われるように、ウクライナの栄光と自由は滅びず、
運命がふたたびウクライナに微笑みますように。
安青錦の未来に、そして、ウクライナの未来に幸あれと、心から祈ります。
今年も可愛い林檎スリムレッドが届きました ― 2025年11月14日 11:31
今年も群馬の従兄から、スリムレッドが届きました。
新鮮でとってもジューシー。無農薬なので皮ごと食べられます。
硬式野球ボールと並べてみました。
(故郷大垣の大垣日大が選抜で準優勝したときの記念ボールです(*^^*))
このところ、親戚の人に会ったり、知人が結婚して遠くに行ってしまうので
お別れのギフトを買いに行ったりして、少しバタバタしていたら、
何年ぶりかに風邪っぽくなりました。葛根湯を飲んでおとなしくしています。
先生から、治療で免疫力が落ちているから風邪引かないように気をつけてと
いわれていて、必ずマスクをして出かけ、うがい、手洗いも欠かさなかったのに。
でも、一日一個、医者いらず、と言われている林檎を食べればきっと大丈夫ですね!
もぎたてのシナノゴールド ― 2025年11月03日 18:02
庭に2本の林檎の木があった従兄。その1本が枯れてしまい、そのかわりなのかな、
去年、信州の林檎の木のオーナーになりました。
そしてこの秋、初めての収穫にって来て、我が家にお裾分けを送って(贈って)
くれました。大豊作の木だったそうで、全部で34キロ。
お友だちが収穫を手伝ってくれたとのこと。
シナノゴールドという品種で、さっそくいただきました。
ナイフを入れたとたん、水分がにじんでくる新鮮さ。もぎたての林檎は本当に美味しいです。
酸味があって、シャキシャキしていて、
「林檎が赤くなると医者が青くなる」と言われるように、ほんと身体に”効き”そう!
(シナノゴールドは黄色いから、この場合「林檎が黄色くなると」かな。)
真ん中の種の部分が少ないのも特徴なのでしょうか。
この写真でわかるかな。左側の二切れは、種がなく、カットしたままです。
従兄の庭のスリムレッドも、じきに収穫だそうです。楽しみ(←勝手にもらう気でいる。
ずーずーしいですね)。
林檎は、私の物語でとても大事なエレメント。ちょうど、ユリディケのキャラクターの
プロフィールを書くため、推敲も兼ねて読み直しているところです。
ユナの夢の中で白いりんごの花が降ってきたり、リーが林檎を浮かべたお風呂を準備し
その霊力がユナを救うように祈るシーンなどで、読みながら、林檎をかじっています。
林檎のいい香りが世界中に降って、平和な世界が訪れるといいのに!
世界の権力者が、美味しい林檎を食べるとか、青空を見て散歩するとか、可憐な花を
愛おしむとか、家族となにげない会話をするとか、そんな幸せの大切さに
気がつくといいなぁって思っています。
上弦の月と天使の羽のような雲 ― 2025年10月30日 17:40
昨日の黄昏どき、金木犀の香りが漂う街を散策しました。
見上げると、どこか透き通るような、天使の羽のように見える雲が夕空に広がり
その上に、上弦の月がつつましやかに輝いていました。
この写真、月がわからないかな…。よければクリック拡大して探してみてくださいね。
(こうして写真として切り取ると、天使の羽には見えないかも…。空を見上げた時は
わぁ〜、きれい、天使の片翼♡と思ったのですが、見えなかったらごめんなさいね。)
歩いているうちに、空の色が濃くなり、月がはっきり見えるようになってきました。
秋の日はつるべ落としといいますが、さっきまで空は明るかったのに、と驚かされます。
久しぶりの美しい月。家に帰る頃には、もう暗い空に銀色に輝いていました。
ところで、悪性リンパ腫の方ですが、CT検査の結果が出て、再発なしとのこと。
このところ体調が良くなかったので、もしかして、と覚悟していたのですが、
ほっとしました。そのことを、主治医の先生に話すと、
「この夏は本当に暑かったですからね。みなさん、疲れてらっしゃいますよ。
あと4年、完治まで頑張りましょう!」と笑顔で言われました。
先生、いつも明るくポジティブで、さばさばしていて、とっても励まされます。
そのあと、精神科の診察があり、結果を報告すると、
「本当によかったわね〜!」と喜んでくださって、精神科の先生もいつも明るく
とっても優しいのです。
「はい。これで寿命がちょっと延びました」と言うと、
「ちょっとなんていわないで〜。たくさん生きてね!!」
そうですね。まだまだ書きたい物語やエピソードがあるから、許されるものなら
たくさん仕事したいです。
なかなか体力が戻らないのが悩みどころだけど、焦らず頑張ろうかな。
『究極の室内楽〜辻井伸行&ARKソロイスツ』 ― 2025年10月19日 19:51
金木犀が香り、昼間の木陰でも虫の歌が聴こえるようになりました。
酷暑の夏が嘘だったかのようです。
土曜日は、そんな秋の宵にふさわしい、素敵な演奏会に行ってきました。
去年退院して以来、初めてのコンサート。
それも、大好きな辻井伸行さんがメイン奏者です。
彼の演奏を聴くのは三回目。(ネットでなく、根性で電話でチケットをゲット!)
去年も演奏会に行くはずだったのですが、思いもかけず悪性リンパ腫に罹患し、
友人夫婦に譲ったので、今回はいっそう楽しみでした。
コンサートは、『究極の室内楽〜辻井伸行&ARKソロイスツ』と銘打っています。
辻井さんの演奏は、ソロの演奏会とオーケストラとのピアノ協奏曲を聴きましたが、
室内楽は初めてです。
よく演奏会をともにされる三浦文彰さんも一緒で、二人がリーダーとなって、
気心のしれた音楽仲間が集結するとのことで、前半はすべてデュエット。
ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番の第1楽章で始まり、
フランクのヴァイオリン・ソナタのフルート版、
クラリネットとの演奏が二曲続き、
最後はブラームスのピアノ四重奏曲第1番の第4楽章でしたが、
それぞれのデュエットの相手が辻井さんをエスコートして登場し、
その様子も本当に微笑ましかったです。
どなたの演奏も素晴らしく、クラリネットのセルゲイ・ナカリャコフさんは
大変な人気でした。
高木綾子さんのフルートの音色も、天上の音楽のように美しかったです。
後半最初の曲はモーツァルトの弦楽四重奏曲第17番《狩》。
CDは持っていますが、ライブで聴いたことはありません。メンバーは全員女性で、
息のあったのびやかな演奏を聴いていると、
モーツァルトゆかりの地を旅したときのことが浮かんできました。
サラファーン4部作に登場するジョサは、たぶん前にも書いていると思いますが、
モーツァルトとショパンがインスピレーションの源です。
特に、モーツァルトの曲の、明るさの中に隠れた悲しみが、底抜けに明るいけれども
実は誰にも言えない寂しさを秘めたジョサと重なって…。
ピアノが大好きなわたしにとっては、特別な作曲家でもあります。
最後の曲は、シューベルトのピアノ五重奏曲《ます》。こちらは全員男性で、
やはりびっくりするほど息がぴったり。
シューベルトもまた、わたしにとって特別な作曲家です。
(サラファーンの星のトレイラーのBGMも彼の即興曲です。)
歌曲の《ます》の旋律が第4楽章に入っているので、このタイトルがあるそうで、
(わたしは歌曲しか聴いたことがなかったのですが)、圧巻でした!
辻井さんのピアノは本当に純粋で音がきらきらしています。
今回は、仲良しの音楽仲間と演奏する喜びと力強さも加わって、そしてまた、私が
前に聞いたときより、経験も積んで、新たな輝きを放っていたように感じました。
とっても幸運なことに、彼の横顔とピアノを奏でる手が見える席だったので、
彼の感性の鋭さが、いつも以上に伝わってきました。
シューベルトの曲は全5楽章ですが、そのうち3つが他の楽器と同時に、
1つがほぼ同時に始まり、
目が見える演奏者なら、他の奏者を見て、演奏を始めるでしょうが、
辻井さんは、気配を察して弦楽器に合わせるのです。じっと集中して
感覚を研ぎ澄ませているのが、全身から伝わってきて、心が震えました。
アンコールはこの五人で(本当にみんな仲良くてとってもチャーミング)、
チャルダーシュと真田丸のメインテーマ。
熱い曲の熱い演奏。客席の盛り上がりも最高潮に達しました。
素晴らしい演奏会のときには、いつも思うのですが、
本当に、永遠に聴いていたかったです。
国内も世界も、心配事や悲しい出来事にあふれている現在、
音楽はいっそう大切に思えます。
音楽は国境も国籍も人種も宗教も、どんな差別もありません。
五重奏曲のチェリストは、フィンランド生まれのヨナタン・ローゼマンと
韓国出身のユンソン。
前半のナカリャコフはロシア生まれでイスラエル国籍です。
世界も、心配事や悲しい出来事にあふれている現在、
音楽はいっそう大切に思えます。
世界中に美しい音楽が溢れて、愛とやさしさが広がりますように。
追悼〜ロバート・レッドフォード ― 2025年09月27日 16:10
天の川〜車山 ©️T.S.
先週、ロバート・レッドフォードが亡くなりました。
またひとり、きらめくスターが空に還って、地上が寂しくなりました。
スターというだけではおさまらない、大きな存在だったと思います。
優れた俳優であり、アカデミー賞監督であるだけではなく、ユタ州の美しい自然の中に、
サンダンスインスティチュートを設立。
ヒットが絶対条件の、大きなスタジオが牛耳るハリウッドでは取りこぼされてしまう
小さな優れた脚本や、独立系の映画人、若者たちをのびのび育てるラボです。
そして、そこで生まれた作品を発信するため、サンダンス映画祭を主催しました。
いまではすっかりメジャーな映画祭になりましたね。
環境活動家でもあり、社会的弱者の擁護者でもあり、まさにアメリカの良心。
今の世の中に本当に必要な人だったと痛感します。
俳優としてのキャリアも本当に華やかですが、初めて観たのは『明日に向かって撃て!』。
公開当時は子どもだったので、テレビ放送でのことです。
主題歌の「雨にぬれても」と、共演のポール・ニューマン、
そして、キャサリン・ロス演じるヒロインが印象的でした。キュートな目元が私の友だちに
そっくりで驚いたし(彼女いまでも似ています)、それゆえ、親しみも感じました。
ラストシーンのストップモーションも印象に残っています。
レッドフォードを偲んで観てみようと思う人がいるといけないので、ネタバレしませんが
名シーンだと思います!
私の通った岐阜の小中学校は、保護者同伴でないと映画館は出入り禁止でしたので、
やはりのちにテレビで観た作品ですが、『華麗なるギャツビー』は、美しく悲しい物語で
心に残っています。真っ白なスーツが決まっていて、当時話題になりました。
(父と叔父が真似して白いスーツを着て喜んでました。娘としては恥ずかしかったです。)
ディカプリオのギャツビーも観ましたが、趣が異なって、どちらもそれぞれ良いです。
そして、初めて映画館で観たレッドフォードの映画は、『スティング』でした。
東京に引っ越した高校一年のとき、ロードショーから渋谷の名画座にまわってきた際、
友だちと観に行きました。
昔はロードショー落ちの作品が、二本立て三本立てで、公開から随分遅れてですが
名画座で上映されていたのです。一本の料金で2本か3本観られるので学生の強〜い味方。『スティング』は『ペーパームーン』との組み合わせだったかな(この記憶大いに怪しい)。
田舎娘には、友だちと二人で映画を見に行くというだけで大冒険で、
それもあってか、『スティング』も強烈なインパクトがありました。
作品賞を含め、音楽賞などアカデミー賞7部門に輝きましたが、その音楽の軽やかで
楽しいこと。また、何章かで構成されていて、そのタイトルもいちいちおしゃれ。
仇討ちの相手を大仕掛のトリックで騙すという物語も、ドキドキワクワク面白く、
忘れられない作品です。
これも、ポール・ニューマンとの共演で、この二人のケミストリーはほんと抜群!
(生涯の友人だったそうです。お互いにとってなんて幸せなことでしょう。)
レッドフォードが監督をすると聞いたときには本当にびっくりしたものです。
(そして、その初めての作品『普通の人々』で、アカデミー監督賞をとったのですから、
さらにびっくり! 作品賞、助演男優賞、脚色賞も受賞しています。)
一見普通に見えるアメリカの家庭を描いた作品ですが、衝撃的な映画でした。
でも、とても心に染みて、切ないけれど、何度も観たいと思わせる秀作です。
(ただし、元気なときに観たほうがよい映画ですね。重い作品でもあるので。)
これを最初の監督作に選んだレッドフォードは、繊細で、誠実で、本当に素敵な人だと
感じ入りました。
冒頭の朝食のシーンが、まず、ガツンときます。
母親が、次男のためにフレンチトーストを焼くのですが、彼が食欲がなくていらないと
いったとたん、表情ひとつ変えずに、流しのディスポーザーに落として、ガーって
砕いてしまう。それだけで、母と息子の間の緊張感、家庭の不穏な空気が伝わってきます。
次男のティモシー・ハットン(若くしてアカデミー助演男優賞受賞)がとてもよいのですが、
監督として彼をキャストした選択眼も素晴らしいです。
父親はドナルド・サザーランド。(『24』のキーファーのお父さんです。)
家族の崩壊。そして、ラストのささやかな希望。
静かに流れるパッヘルベルのカノンも、胸に染みます。
『ナチュラル』『大統領の陰謀』『愛と哀しみの果て』など、名作が多くて
書くのに迷いますが、『リバー・ランズ・スルー・イット』は外せないでしょう。
こちらも監督作で、ある家族の哀切な物語。
モンタナの大自然のなか、厳格な父親と、性格の違う兄弟の確執と絆が描かれます。
のどかなフライフィッシングのシーンが夢のように美しく、脳裏に焼き付いています。
人は人を(家族を、だったかな…)理解できないかもしれないが、愛することはできる。
そんな言葉に、その通りだな、としみじみと思いました。
自由奔放な次男を若きブラッド・ピットが演じていますが、レッドフォードに
そっくりだと、当時話題になったものです。
のちに、『スパイゲーム』で、スパイの師匠(レッドフォード)と新人(ピット)の
役柄で共演しますが、この作品も好きでした。
ラスト、緑のポルシェに乗って颯爽と駆けてゆくレッドフォードのかっこいいこと!
最後に、メジャーではないけれど、個人的に好きな作品を2つ。
『ホットロック』と『スニーカーズ』。
『ホットロック』は犯罪コメディ映画というところでしょうか。古い作品で、
子どものころテレビで観ただけなので、内容はほとんど覚えていません。が、
やはりラストの(こちらは歩いて去ってゆく)レッドフォードがなんとも楽しげで、
妙に心に残っています。彼、泥棒なんですけどね。
(良い子の皆さん、真似しないでね。)
そして『スニーカーズ』。
もとハッカー(レッドフォード)が率いるのは、企業のセキュリティの弱点を見出すべく、
実際にハッキングして指摘し、報酬を得ている合法的なハイテク集団。
彼らと、世界を揺るがす究極の暗号解読機をめぐる、ドキドキハラハラの物語。
1992年の作品で、当時はハッカーを描くこと自体、あまりなかったと思います。
それゆえ、とても新鮮で面白かったし、今は亡きリヴァー・フェニックスが
コンピューターオタクを演じたのも、すごく楽しかったです。
冒頭の天の川の写真は、従兄がこの夏、送ってくれたものです。
霧ヶ峰の車山で撮影したそうです。無数の星のきらめきが、大スターを偲ぶのに
ふさわしいと思えて、アップしてみました。
いまごろ、ポール・ニューマンやリヴァーくんとおしゃべりしているのかな。
亡くなったお子さんたちにも会えていますね。
向こうの世界でゆっくりしてくださいという気持ちと同時に、地球や社会のことを案じて
活動していた彼に、時にはこの下界を見守ってほしいと思ってしまいます。
最後に、サンダンス・インスティテュートで彼の追悼を特集しているので、
そちらを載せておきますね。
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