ローレアとエーデルワイス ― 2023年10月12日 17:40
©copyright Jam
絵が抜群に上手な友人が描いてくれたローレアの花です。いろいろと細かに私の注文を
聞いて、丁寧に何度も描きなおしてくれました。
最果ての国リーヴェイン(『ユリディケ』ではウォルダナ)にだけ咲く草花。
早春からいっせいに咲き始め、晩春まで草原や森を水色に染めます。
その光景の美しさから、ローレアの咲く季節にこの国を訪れた者は、必ず戻ってくる、
といわれています。
『麗しのローレア』は、旧世界からユリディケの時代まで歌い継がれている歌です。
公式サイトには、花の説明や全編を載せていますが、ここでは一番の歌詞を。
故郷をはなれた旅人の心を歌っています。
物語では、戦地で若者たちが故郷を思って歌います。(最後、終末を迎えた世界では、
人の世界を想う歌となります。)
早春の丘を水色に染める
麗しのローレア
われ遥かな地をさすらうとも
雪解けの故郷に
永遠(とわ)に可憐な花を咲かせておくれ
*物語中では、「永遠に」を前の行の最後に入れていますが、最後の行に入れたほうが
しっくりくるので、最後にしました。
花を歌った歌は、世の中にいくつもあると思いますが、
大好きな映画『サウンド・オブ・ミュージック』の『エーデルワイス』もそのひとつ。
音楽祭でタラップ大佐が歌うシーンは、何度見ても泣いちゃいます…。
ナチスドイツにオーストリアが併合された時代、失われたオーストリア国家を
象徴する歌として、深い想いを込めて歌われていたから。
(この歌は、別のシーンでも登場しますが、そこもまた、別の意味で泣いちゃいます。)
『麗しのローレア』は、そんな『エーデルワイス』のように、リーヴェインの人々にとって
心の歌であってほしいと思って作った曲です。
そのエーデルワイスの花を、昔、イタリア人の友人が故郷のアルプスの山から
押し花にして送ってくれました。
生まれて初めて見るエーデルワイス。
ふわふわと綿毛のある、グリーンがかった白い素朴な花。とても感激しました。
友人の実家はスイスのすぐ近く。オーストリアも近く、エーデルワイスがたくさん
咲いているそうです。
彼はエルサレムの神学校出身。イスラエルとイスラム組織ハマスとの突然の戦争に、
どんなに胸を痛めているでしょう。
世の人の心には、野心や闘争心、他を支配しようという思いではなく、
野に咲く花のような、素朴さややさしさがあってほしいと願います。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://serafahn.asablo.jp/blog/2024/07/23/9604187/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。