トラウマは長く残るということ2023年09月29日 11:35

突発性難聴がまだ治りません。左目にも故障が出て、寝込んでしまう日もあるけれど、
ユリディケの地図は、調子のいいとき少しずつ進め、山並みと川の流れを物語と
矛盾しないかしっかり確認すれば完成です。各国の紋章もデザインしました。

ブログがなかなか書けなくてごめんなさい。今日はとても個人的な話をします。
最近ずっと、心が乱れたり沈んだりしていたことを…。

結婚相手は同級生でした。そのため、共通の友だちが多かったです。
礼儀正しく快活で、人気もありました。社会人になってから結婚しました。
新婚旅行の最後の日、スーツケースに荷物を詰めろと命令口調で言うので、
二人の荷物だし一緒にやろうよと言った途端、いきなり張り倒されました。
一瞬、何が起こったかわかりませんでした。

その後の結婚生活は、相手を激高させないよう、神経をすり減らす日々でした。
ささいなことで突然激しく怒り出すので、予測がつかなかったのです。
言葉の暴力がほとんどで、当時はそれがDVだとは気づきませんでした。
別れたかったけれど、それは私のわがままだと思いこんでいました。
耐えきれずに別れ話を切り出すと、急にやさしくなり、しばらくそれが続きます。
けれどもまた、突然キレてしまうことの繰り返しでした。
共通の友だちにはうまく相談できませんでした。特に男子には。彼らにとっては大切な
仲間ですし、やさしく真面目で通っている人だったので、その思いを裏切ってしまうと
申し訳ないような気がしたし、信じてもらえないだろうとあきらめました。

人は長く暴言を浴びせられていると、自分は価値のない人間だと思い、
冷静な判断力を失い、逃げる気力も奪われていきます。
最後に勇気をかき集め、別れることができたのは、奇跡に近かったと思っています。

その後長いあいだ、男の人が(元夫に似たタイプの人が)怖かったです。
会社の男性はおだやかで面白い人が多く、よく知っていたし、大丈夫でしたので、
仕事に支障はありませんでしたが、街を歩いていても、電車に乗っていても、
どこか少しでも似た雰囲気の男性が近くに来ると、恐怖を覚え、ふるえました。
別れたのは30年以上前ですが、今でも元夫の名字を耳にすると、
緊張でみぞおちが痛み、気持ちが乱れます。

世間で、大手タレント事務所の性被害問題が波紋を呼んでいます。
被害受けた男性たちは、私とは比べ物にならないほど深い傷を負った人たちです。
彼らが告発をしたり、インタビューにこたえたりするには、どれほどの勇気が
いったことでしょう。
そのひとりが、電車の中で大人の男性が近くに来ると怖いというようなことを
話されていて、ああ、私も同じようなことがあったと思いました。
守られるべきその人たちが誹謗中傷を受けていることに、とても心が痛みます。
どうか誹謗中傷がやみますように。
被害者が二次被害を受けない社会、人の痛みに思いを馳せられる社会に
なりますようにと願っています。

人間のクズだと言われ続け、私は長いあいだ自己肯定感が持てませんでした。
暴力的な行為も、いまではフラッシュバックはほとんどありませんが、
別れて10年以上、頻繁に起こりました。
トラウマは長く残るものです。受けた暴力が酷いものであればあるほど、また、
期間が長ければ長いほど、トラウマも深いと思います。
いま暴力を受けて苦しんでいる人がいたら、勇気を持って誰かに、あるいはどこかに
相談してほしいと思います。とにかくまず、逃げてほしいです。
ただ、幼い子どもにはそれもできません。どうか、まわりが気づいてあげられますように。

先日、夕空に天使の羽のような雲があらわれました。写真添付します。
今夜は中秋の名月。きれいな月が見えるといいですね。
その美しい光が世界を清めてくれますように。切なる祈りを込めて……。

天使の雲