フィギュア団体、値千金の演技&笑顔と涙の銀メダル2026年02月09日 19:14

ミラノ・コルティナオリンピックのフィギュアスケート団体戦。
なんてドラマチックで素晴らしい試合だったことでしょう!
アメリカと1点差の銀メダル。
そして、メダルよりも輝いていたのは、選手たちの演技とチーム力。
みんな本当に仲良くて、応援も温かくパワーがこもっていて、心揺さぶられました。

アイスダンスのうたまさペアは、オリンピックは初めてで、団体のみの出場です。
予選ドキドキしましたが、アップテンポな曲に乗って、最初から最後まで明るく軽快に
滑りきって、本当に感動しました。若いペアがいつのまにかこんなに上手になっていて。
8位。立派です! チームジャパン、一気に盛り上がります。
坂本選手も感動して涙していたのが印象的でした。
(妹に指摘されて、あとで見直したら、鍵山選手の方がもっと泣いてました!)

そして、りくりゅうペア。ショートの曲はローリング・ストーンズの"Paint It Black"。
この演目、大好きなんです。本当にかっこいい。笑顔の演技が多かったふたりが、
曲調に合わせて強く真剣な表情で踊り、最初に見たときには心臓を射抜かれたものです。
ふたり重なって膝を広げてかがみ込み、大胆な笑みを浮かべるところもクール!
リフトやスロージャンプもダイナミックで目を見張りますが、ユニゾンが素晴らしい。
ジャンプもスピンも、影のようにぴったり合っていて、どうしてそんなにシンクロ
できるのか、本当に心震えます。

女子シングルは、坂本選手。ショートの曲”Time To Say Goodbye”は、昔からとっても
好きな、私の「とっておきの曲」なんです。サラ・ブライトマンとアンドレア・
ボチェッリ(彼、開会式ではトゥーランドットを歌っていましたね!)のCDは、今も
時々聴いています。ずっと前、すごく好きだったアイスダンスのペアが、エキシビションで
使って、その演技も、本当にロマンチックで素敵でした。
坂本選手、曲調にあったブルーのドレスも素敵だし、演技も美しく素晴らしかった。

男子シングルは深夜だったので(療養中のため、睡眠時間を確保しなくてはならず、
録画しました)ライブでは見なかったのですが、録画でも、すごく楽しめました。
鍵山選手の今季のショート、とっても似合っていて(小粋な男ってテーマでしたっけ?)
表情も表現もコミカルで、それでいてお洒落で、イタリアの観客のハートもがっちり
つかんだようですね。高得点だったし、マリニン選手のジャンプの失敗もあったとはいえ、
一位だったのもすごいです。

文句無しの決勝進出。アイスダンスのフリーダンスも、ライブでは見られなかったけど、
うたまさの「火の鳥」、飛翔感がすごく素敵で、またまたチームジャパンにはずみを
つける素晴らしい演技でした。
きっと、ふたりの演技人生でも、大きな飛躍となると思うし、日本のアイスダンス界に
とっても、そうなのではないかな、と思わせてくれました。4年後が楽しみ!

今朝のペア、女子シングル、男子シングルも録画でしたが(7時前に起きたら、終わった
直後で、銀メダルとっていて、表彰式はライブで見ることができました。よかった〜)、
みんなすごかったです。

りくりゅうの「グラディエーター」は壮大かつ繊細で、上手な人の演技はどれもそうですが、
あっというまに終わってしまいました。本当に心揺さぶられる演技。
可愛かったのは、キス&クライで自己ベストの点数を見たときのりくちゃんのリアクション。
びっくりして立ち上がって、両手を上げたとおもったら、その姿が一瞬消えて、
こけちゃっていたのでした。(コーチと木原選手に両側からすぐ助け起こされてよかった。)
キス&クライでは、みんなが大喜びするところも、とってもいいです。
もちろん、他の国の人たちも、チームメイトの活躍に喜んでいるんだけど、
ひいき目かもしれませんが、チームジャパンの喜ぶ姿は、楽しくってすがすがしいです。
みんながベストを尽くしているということも、あるでしょうね。

そして坂本選手。「愛の讃歌」をあんなふうに壮大かつ優雅に踊れるスケーターは
いないのではないでしょうか。
スピードもすごくてダイナミックなジャンプを活かしながら、指先に至るまで繊細で。
彼女のキス&クライも見逃せません。いつも感情を爆発させて、楽しいのですが、
今回はオリンピックだし、いつも以上の表現力?で、その上、ここで1位のアメリカと
並んだのですから、チームジャパン大いに盛り上がります。

団体戦の最後を飾るのは、佐藤選手。オリンピックデビューで、その前のマリニン選手が
200点を越えているのに、冒頭に目の覚めるような4回転ルッツ。その後のジャンプも
全てミスなく着地して、とてもきれいでした。「火の鳥」の曲がラストに向けて壮大さを
増すのに連れ、イタリアのお客さんたちも盛り上がって、それもよかったなぁ。
リンクを降りたところに、同学年でずっと一緒に頑張ってきた鍵山選手と三浦選手が
駆け寄って、よかったと声をかけ、そして、キス&クライ。
点数が出ると、自己新で(マリニンに迫る点数)みんなが泣いちゃって、特に鍵山選手と
坂本選手。ほかの選手がティッシュを取ってあげるほど号泣。
佐藤選手も泣いてしまって、こちらももらい泣きです!

メダルセレモニーもよかったです。ここでは全員笑顔! わたしもライブで見れて大満足。
その後のインタビュー。みんなこれから個人戦だけど、ひとことと問われると、
坂本選手、拳をあげて、「やったるで〜!!」
母と見ていて、爆笑でした。頼もしい〜!

チームジャパン、全員がベストな演技をして、仲も良くて、最高です。
未来のフィギュアスケートも、アイスダンスを含めて、明るいと感じられる素敵な
団体戦でした。銀メダル、私の中では金メダルです!
選手の皆さん、本当にありがとうございました&おめでとうございます!!

『究極の室内楽〜辻井伸行&ARKソロイスツ』2025年10月19日 19:51


金木犀

金木犀が香り、昼間の木陰でも虫の歌が聴こえるようになりました。
酷暑の夏が嘘だったかのようです。
土曜日は、そんな秋の宵にふさわしい、素敵な演奏会に行ってきました。
去年退院して以来、初めてのコンサート。
それも、大好きな辻井伸行さんがメイン奏者です。

彼の演奏を聴くのは三回目。(ネットでなく、根性で電話でチケットをゲット!)
去年も演奏会に行くはずだったのですが、思いもかけず悪性リンパ腫に罹患し、
友人夫婦に譲ったので、今回はいっそう楽しみでした。

コンサートは、『究極の室内楽〜辻井伸行&ARKソロイスツ』と銘打っています。
辻井さんの演奏は、ソロの演奏会とオーケストラとのピアノ協奏曲を聴きましたが、
室内楽は初めてです。

よく演奏会をともにされる三浦文彰さんも一緒で、二人がリーダーとなって、
気心のしれた音楽仲間が集結するとのことで、前半はすべてデュエット。
ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番の第1楽章で始まり、
フランクのヴァイオリン・ソナタのフルート版、
クラリネットとの演奏が二曲続き、
最後はブラームスのピアノ四重奏曲第1番の第4楽章でしたが、
それぞれのデュエットの相手が辻井さんをエスコートして登場し、
その様子も本当に微笑ましかったです。
どなたの演奏も素晴らしく、クラリネットのセルゲイ・ナカリャコフさんは
大変な人気でした。
高木綾子さんのフルートの音色も、天上の音楽のように美しかったです。

後半最初の曲はモーツァルトの弦楽四重奏曲第17番《狩》。
CDは持っていますが、ライブで聴いたことはありません。メンバーは全員女性で、
息のあったのびやかな演奏を聴いていると、
モーツァルトゆかりの地を旅したときのことが浮かんできました。
サラファーン4部作に登場するジョサは、たぶん前にも書いていると思いますが、
モーツァルトとショパンがインスピレーションの源です。
特に、モーツァルトの曲の、明るさの中に隠れた悲しみが、底抜けに明るいけれども
実は誰にも言えない寂しさを秘めたジョサと重なって…。
ピアノが大好きなわたしにとっては、特別な作曲家でもあります。

最後の曲は、シューベルトのピアノ五重奏曲《ます》。こちらは全員男性で、
やはりびっくりするほど息がぴったり。
シューベルトもまた、わたしにとって特別な作曲家です。
(サラファーンの星のトレイラーのBGMも彼の即興曲です。)
歌曲の《ます》の旋律が第4楽章に入っているので、このタイトルがあるそうで、
(わたしは歌曲しか聴いたことがなかったのですが)、圧巻でした!

辻井さんのピアノは本当に純粋で音がきらきらしています。
今回は、仲良しの音楽仲間と演奏する喜びと力強さも加わって、そしてまた、私が
前に聞いたときより、経験も積んで、新たな輝きを放っていたように感じました。

とっても幸運なことに、彼の横顔とピアノを奏でる手が見える席だったので、
彼の感性の鋭さが、いつも以上に伝わってきました。
シューベルトの曲は全5楽章ですが、そのうち3つが他の楽器と同時に、
1つがほぼ同時に始まり、
目が見える演奏者なら、他の奏者を見て、演奏を始めるでしょうが、
辻井さんは、気配を察して弦楽器に合わせるのです。じっと集中して
感覚を研ぎ澄ませているのが、全身から伝わってきて、心が震えました。

アンコールはこの五人で(本当にみんな仲良くてとってもチャーミング)、
チャルダーシュと真田丸のメインテーマ。
熱い曲の熱い演奏。客席の盛り上がりも最高潮に達しました。
素晴らしい演奏会のときには、いつも思うのですが、
本当に、永遠に聴いていたかったです。

国内も世界も、心配事や悲しい出来事にあふれている現在、
音楽はいっそう大切に思えます。
音楽は国境も国籍も人種も宗教も、どんな差別もありません。
五重奏曲のチェリストは、フィンランド生まれのヨナタン・ローゼマンと
韓国出身のユンソン。
前半のナカリャコフはロシア生まれでイスラエル国籍です。

世界も、心配事や悲しい出来事にあふれている現在、
音楽はいっそう大切に思えます。
世界中に美しい音楽が溢れて、愛とやさしさが広がりますように。

宇野昌磨さん、ありがとうございました♫☆♡2024年05月09日 17:25


ピンクとクリーム色の花束

宇野昌磨選手の現役引退のニュースが飛び込んできました。衝撃(T_T)
このところ、プライベートで色々あったところに、フジコさんの訃報に続いて、
悲しいお知らせ。。。
でも! 充分に考えての決断だと思うので、拍手で人生の次のステージへと
お見送りをしたいです!

オリンピックで二度もメダルをとったこともすごいけれど、それ以上に、
努力を惜しまなかったこと、そして、いつも自分のスタイルを貫いたことが
素敵でした。
同じ名古屋の人間で、嬉しいです。
大好きな演目はたくさんありますが、最後のシーズンのショートで「月の光」に
合わせて、まるで彼自身が音楽になったかのような演技には、魂を奪われました。
代名詞のクリムキンイーグルを封印しても、魅せる!
マイケル・ジャクソンメドレーでのムーンウォークならぬムーンスケートも
決まっていました。
エキシビションナンバーからのちにショートになったGreat Spiritは、
彼のエネルギッシュな面が全開で、何度見ても感動します。
ビートルズのCome Togetherも、本当に彼らしくて、大好きです。

彼ほど、音楽と一体になって踊るスケーターを知りません。
才能と努力の両方でしょうね。
そして、スケートの才能のほか、もうひとつの才能が、周りから愛される才能。
5歳のとき、真央ちゃんに、可愛いと声をかけてもらい、スケートへの第一歩を
踏み出したことも、ステファン・ランビエールコーチと出会えたことも
彼が愛される存在だったからでしょう。

ステファンコーチ、寂しがっていないかなぁ。
ランビエールさんも大好きなスケーター。
宇野選手の演技に合わせて、リンクサイドで踊っている姿にも、いつも心が
なごみました。
そして、上手にできたときは本人以上に喜び、うまくいかなかったときも
笑顔で迎えてあげて、そんなコーチと出会えたこともよかったなと思います。

今まで素敵な演技で楽しませてくださって、本当にありがとうございました♡
寂しくなってしまいますが、敬愛するステファンコーチのように、
どうぞいつまでも、アイスショーで素敵な姿を見せてくださいね!
いつか、ショーを観に行きたいです。

まずはゆっくり休んでくださいね。

フジコ・ヘミングさんを偲んで2024年05月02日 21:21

魂の演奏家と呼ばれたピアニスト、フジコ・ヘミングさんが亡くなりました。

去年、名古屋でのコンサートのチケットを買って、楽しみにしていたのですが、
怪我でリハビリに専念するため、オーケストラとのコンサートは延期になり、
その後、今年の5月(今月です)にソロコンサートが決定し(同じチケットが使える)
復帰を信じて待っていたところ、先月、中止の知らせを受けたところでした。
ご高齢なのでリハビリが大変なのだろう、早く回復されますようにと祈っていたので
今日のニュースは、本当にショックでした。
先月の21日に旅立たれたそうです……。

彼女を好きになったのは、彼女の愛するショパンがジョルジュ・サンドと暮らした
マヨルカ島を訪れたドキュメンタリーを見たのがきっかけです。
最初にシューベルトの即興曲(好きで好きでサラファーンの星のトレイラーに使った曲)
を奏でるシーンが流れ、私のイメージする即興曲!と心揺さぶられました。
他の演奏も本当に愛を込めて奏でられているのが伝わってきて、すぐにCDを探しました。

そうして買い求めたのが『COLORS』です。
5枚組で、ブックレットの最初のページはこんな言葉で始まっています。

「これまで私の録音されたものの中から
未来に残したいと思ったものを
じっくりと時間をかけて選びました。」

どれもずっと聴いていたくなるような珠玉の演奏で(ショパンのノクターン、
バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』、ドビュッシーの『月の光』、
ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』など、大好きな曲がいっぱい!
もちろん、シューベルトの『即興曲作品90の3』も。そして、
フジコさんの歌唱曲『Make it Home』も入っています。)、
心を込めて選んだのがわかります。

COLORS

いつか生の演奏を聴きたいと思っていましたが、叶いませんでした。
もっと早く知っていればよかったなぁ。

NHKで追悼番組があります。
5月4日 11時〜12時29分
「フジコ・ヘミング ショパンの面影を探して〜スペイン・マヨルカ島への旅〜」
(私が見たドキュメンタリーです)

5月4日 22時〜22時45分
「フジコ〜あるピアニストの軌跡」
(こちらは見ていません。録画予約しないと!)

フジコさんは若い頃、大切なリサイタルの直前、風邪から聴力を失ってしまい
長いあいだ、治療を続けながらの、不遇の時代を過ごしました。
『COLORS』には、そんななか、再起をかけてで頑張っていたころ、
ふと訪れた教会でもらった冊子にあった聖書の言葉がはさんであります。

「遅くなっても、待っておれ。それは必ず来る」

そしてフジコさんは、60歳を越してから認められ、聴力がもとには戻らないなかでも、
精力的にコンサートをこなし、世界中で愛されるピアニストになります。
公式サイトによると、復帰したいとの強い意志で、治療とリハビリに励み、
病室や病院内でピアノを弾かれたこともあったそうで、
3月に予定していたニューヨークのカーネギーホールでの公演や日本での公演を
楽しみにされていたそうです。

フジコさん、未来への遺産をありがとうございます。聴いていると心が洗われます。
神さまのもとに召されたフジコさんは、いまごろ、
ショパンやリスト、シューベルトやモーツァルトと一緒に演奏されているのでしょうか。

おやすみなさい、マエストロ〜小澤征爾さんをしのんで2024年02月12日 15:10

2月6日、小澤征爾さんが亡くなりました。
去年、ジョン・ウィリアムスが指揮したセイジ・オザワ松本フェスティバルのTV放映で、アンコール曲(「スター・ウォーズ」の帝国のマーチだったと思う)のとき、サプライズで、
ステージ上に登場された姿が思い出されます。
ジョン・ウィリアムスが、車椅子の小澤さんをやさしくいたわり、とても印象的でした。
ボストンにゆかりのある者同士、本当に朋友なんだなと心揺さぶられました。

小澤さんのコンサートは、若いころ、友だちに誘われて聴きに行きました。
ライオンのような髪を振り乱し、情熱的に指揮棒を振っていた姿が心に焼きついています。
汗も飛び散っていたと思います。
メインはベートーヴェン。ところが、記憶ではサントリーホールで「田園」だったのに、
調べても、ホールのアーカイブにありません。「第4」だったのかな。それとも別の作曲家?
忘れてしまうなんて、なんてもったいないことでしょう。
友だちは、小澤さんの本(20代の時、貨物船に乗ってフランスに渡り、ミニバイクで
旅をした思い出を綴った、すごく面白い本)を紹介してくれた、大のクラシック好きです。
彼女なら覚えているかも。今度聞いてみます。

演奏会ではありませんが、確かな思い出もあります。長野五輪の開会式です。
幸運にもチケットが手に入り、会場に入ったのですが、北京、ニューヨーク、喜望峰、
シドニーのオペラハウス、ベルリンのブランデンブルク門と開会式会場が中継でつながり、
小澤さんの指揮で、第九の「歓喜の歌」が合唱されることになったのです。
会場に入ってびっくり。ひとりひとりに楽譜が配られました。
ドイツ語の歌詞が添えられ、その上にカタカナが書かれています。
スタッフから、小澤さんが合唱団と長野県民文化会館にいて、そこから指揮を振るから、
みなさん歌って下さい、と言われました。
え? マジ? ドイツ語無理なんですけど…。
驚くうちに、練習が始まりました。口パクでもわからないよね?と思ったものの、
人間、やればできるんですね。
本番では私も、一緒に行った母や友人たちも歌っていました。周り中が歌っていました。
平和の祭典オリンピックで、心から平和を望み、願っている小澤さんのパッションが
ひしひしと伝わってきて、素人の観客に力を与えてくれたのだと思っています。

戦時下で育った小澤さんは、平和の大切さを身にしみて感じていたのでしょう。
音楽は国境を超え、世界を結ぶ力があると信じていたそうです(私も信じています)。
あの「歓喜の歌」は、そのことを象徴するようなステージでした。

今日の深夜(13日の未明)、NHKBSのプレミアムシアターで、2016年に
小澤さんがサイトウ・キネン・オーケストラを指揮した「ベートーヴェン交響曲第7番」が
オンエアされるそうです。

まさに疾風怒濤。駆け抜けた88年の生涯。ありがとうございました、マエストロ。
どうぞゆっくり休んで下さい。そして、時々、空の上から、私たちを叱咤激励して下さい。

ビートルズの新曲とピーター・ジャクソン2023年11月04日 12:13

ビートルズの新曲がついにリリースされましたね♫
かつて、ポール、リンゴ、ジョージの三人は、ジョンが残していた音源からこの美しい曲
Now and Thenをよみがえらせることを、一度はあきらめたそうです。
けれど、『ザ・ビートルズ Get Back』のドキュメンタリーを制作したピーター・ジャクソン
(トールキンの『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』シリーズの監督!!)のチームが
音源から楽器や声を分離できるAI技術を開発したことから、ポールが可能では?と考えたと
伝えられています。

そして、よみがえった〈最後の新曲〉Now and Then。
哀愁を帯びたメロディと切ない歌詞に胸がつまります。

「おりにふれて、君が恋しい……」

ジョンはビートルズのメンバーに呼びかけたのではと言われていますが、
歌を聞く者それぞれが、愛しい人を思い浮かべてもいいし、
愛に満ちた素敵な曲だと思います。
昨日のニュースでは、彼らの出身地リヴァプールの人たちが涙を流して聴いていました。

愛がすべてと歌い続けたビートルズ。
世界が争いにあふれるいま、本当に大切なメッセージだと思います。

ピーター・ジャクソンが監督したミュージックビデオが、
YouTubeのビートルズチャンネルで公開されています。
とても素敵で、嬉しくて、そして、切なくなります。
是非チェックしてみてくださいね。

ピーター・ジャクソン監督は、ミュージックビデオなんて撮ったことがないし、
ビートルズの新曲のMVを引き受けるのは、ものすごくプレッシャーで、自分は
楽しみに待つ側でいたい!と思ったそうです。そんな彼が引き受けるに至った過程など
ユニバーサルミュージックのサイトで日本語訳を公開しています。
↓↓

What a Wonderful World この素晴らしき世界2021年09月06日 21:20

パラリンピックの閉会式。
聖火が消える前に歌われたのは、ルイ・アームストロングの名曲
What a Wonderful World でした。

緑の木々。赤い薔薇。青空に浮かぶ白い雲。
友だちと交わす握手。赤ちゃんの声ーー育ちゆく子どもたち。
なにげない日常がいかに素晴らしいものかを歌う忘れがたい曲です。

アームストロングを彷彿させるハスキーな声で歌ったのは奥野敦士さん。
2008年、事故で胸から下が麻痺したあと、懸命なリハビリで
復帰したボーカリストだそうです。

ピアノ演奏は西川悟平さん。ジストニアを発症し、指が動かなくなりましたが、
やはり懸命なリハビリで、7本が動くようになり、復帰を遂げました。
(西川さんのことは、自閉症の姪が、同じジストニアを発症したころ知りました。
それで彼の著書『7本指のピアニスト』を読んだのですが、その人の演奏が聴けるとは!)

特別支援学校に在籍する小汐唯菜さんの澄んだ声も美しく
手話のパフォーマンスやこどもの城児童合唱団なども、みんな素敵でした。

大好きな曲がフィナーレで、うれしかったです。
わたしはロッド・スチュアートのカバーをよく車で聞いています。
(彼がジャズのスタンダードを歌ったアルバムのひとつ、Stardustに入っています。)

コロナ禍でのオリンピック、パラリンピックの開催には、正直複雑な思いがあり、
24年に延ばしてもらって、パリを28年にして、順繰りにできないのかなぁなどと
思ったものでしたが、
開催したからには、アスリートを応援する気持ちでいっぱいでした。
(そういう人は多かったのではないでしょうか。)
主役のはずのアスリートは、一年延期になった上、ぎりぎりまで開催されるかわからず、
どんなに辛かったことでしょう。

障害のある身内のことで、悩み、奔走する日々、
パラリンピアンのあきらめない精神と、素晴らしい活躍に、
勇気をいっぱいもらいました。

印象的な競技、シーン、アスリートはたくさんありますが、
中でも、胸が躍ったのは、車椅子バスケット。
イギリスとの準決勝もすごかったけれど、
アメリカとの決勝は、本当に魂を揺さぶられました。

WE THE 15
世界の人口の15パーセント。
10億人以上の人が、なんらかの障害を抱えている。
東京で活躍したパラリンピアンの後ろには、その10億人がいる。
それを忘れないでほしいと、誰かが言っていましたね。
(あ〜、誰だか忘れちゃった。ほんと、スッカスカの頭!)

空にかかる美しい虹。その美しい色は行きかう人の顔にも映ると、
What a Wonderful World は歌います。
虹色に彩られた『素晴らしき世界』。
国連のうたう、誰ひとり取り残さない社会。
誰もが違いを認め合い、お互いにやさしい社会でありたいですね。

『行け我が想いよ黄金の翼に乗って』イタリアへの祈り2020年03月16日 14:51


スペイン階段2008年 photo by fumiko

イタリアで、コロナウイルスの感染拡大が止まりません。
15日には、死者が368人増えて、1809人に。感染者は2万5千人に迫りました。
今日はさらに増えていると思います。

イタリアは大好きな国の一つ。最近では2008年にローマとベネチアを訪れました。
こちらは、そのときの写真。朝の、まだ観光客で埋め尽くされる前のスペイン階段です。
この近くのホテルに泊まり、毎朝散策しました。

最初に訪れたのは、デビュー作『ユリディケ』の印税で、5週間ヨーロッパを貧乏旅行
したときです。小さなスーツケースひとつ。安ホテルや、友だちの家に泊めてもらったの
ですが、イタリアでは、ミラノに近い故郷に帰省していたイタリア人の友だちを訪ね、
彼の家に滞在しました。
マッジョーレ湖のすぐそばの自然の美しい街です。
彼のお母さんやお姉さん、そのほか、たくさんの親せきの人たちにも会い、彼らの家も
訪ねて、家族のように受け入れてもらい、素晴らしい時間を過ごしました。

そのマッジョーレ湖は、コロナウイルスの感染が最も深刻な地域にあります。
友だちによると、いまのところ家族や親せきはだいじょうぶだけれど、
イタリアでは、病院も足りず、重症者を救う医療機器も足りず、本当に
悲劇的な状況だとのことです。
あのやさしい人たちや、旅の途上であった、イタリアの人たちの顔が、ひとりひとり
浮かびます。

悲しいニュースのなか、イタリアの街の窓辺やバルコニーで、人々が互いを励ますために
歌を歌っているとのニュースには、心揺さぶられました。

国家やオペラが歌われているとのことです。
いつだったか、サントリーホールで、イタリアで国歌と同じように愛されている歌
『行けわが想いよ 黄金の翼に乗って』を聴いたことを思い出します。
アッシジの合唱団だったと思います。

オペラ「ナブッコ」の中で、故郷をしのび、
預言者の黄金の竪琴よ、美しい響きを奏でて、苦しみに耐える力をあたえてと
願い祈る歌です。
苦難のときを耐えるイタリアに、美しい響きが降り注ぎますように。
明るく陽気な、そして、美しい景色や芸術にあふれるかの国が、ふたたび力を
取り戻しますように。

友だちは、イタリアと、世界のために祈ってくださいといいました。
どうか、ひとりでも多くの人が助かって、ひとりでも感染者が少なくて、
一日も早く、ワクチンや治療法ができて、それが行き渡りますようにと祈り続けています。