フェルーシア お転婆な少女から強き母へ2026年08月26日 15:20


フェルーシアのスケッチ彩色

サラファーンの星シリーズ全編に登場するフェルーシア。
ヒロインのリーヴーー物語のはじめでは13歳の少女ーーの母親です。
生まれた時に母を失いましたが、父親と兄のダン、家政婦としてやってきたスピリに
見守られて、最果ての国の緑豊かな村でのびのびと育ち、
村一番の器量良し&村一番のお転婆娘に成長。
いじめっこも倒しちゃうような強さとともに、優しく好奇心もとっても強い。
村を訪れた異国の画家と恋に落ち、結婚して、彼の国に渡ります。
二歳年下の従弟ロンドロンドが、密かに想いを寄せていることには、全く気づかずに。

やがて、渡った国は隣国の戦争に巻き込まれ、画家だった夫は戦場へ。
その夫から、戦火が広がるから、生まれ故郷に逃げるよう書かれた手紙を受け取り、
フェルーシアは子どもたち(リーヴとその兄)、そして、愛犬のチェスターとともに
冬の大地を越える長く厳しい旅をへて、生まれた村に戻ってきます。
明るさはそのままで、凛とした強い女性として。

ところで、相関図を作る際、四苦八苦してキャラクターを描いた中で、
頭の中のイメージに最も近く仕上がったのが、フェルーシアのイラストでした。

この水彩色鉛筆のスケッチを電子データにして、Webサイトの相関図にしてくれたのが、
デザイナーの畠山さんです。(『ユリディケ』でもお世話になりました。いつも気持ちよく
仕事を引き受けてくれて、いつもとってもチャーミングな女性です。)
↓↓こちらの相関図を開いて、フェルーシアのところをクリックすると、
彼女が電子データに起こしてくれた拡大版のイラストと、説明文が読めます。


noteで「スキ」をしてくれた人へのリアクションに、サラファーンの登場人物10人の
画像を入れたのですが、フェルーシアもそのひとり。(体調を考えて、コメントをオフに
しているのでーーコメントをしてくれる人がいるかどうかもわからないのに😆ーー
せめて、リアクションは、思い切り心を込めようと思って。)

さて。フェルーシアの話の続き。ここからはネタバレです。


戦火はいよいよ激しくなり、フェルーシアの夫は戦死。
その知らせを運ぶのが、通信員となったロンドロンドでした。
彼の思いは変わりませんが、愛する女性の悲しみに、深く心を痛めます。
だからこそ、ずっときみが好きだったなんて、言えるはずもなく、
「昔の仕事に戻る気はないか?」と、同僚のハルにもちかけられたとき、
昔の仕事ーー諜報員に戻って、フェルーシアのもとを去ります。
同僚のハルは、密かにロンドロンドを想っているし、
登場人物たちの恋は、ほんと、ままならない。
作者の私にも、最後にどうなるかは読めず、
書きながら、ひやひやしながら見守ったことを、思い出します。

フェルーシアとロンドロンドは結ばれるべきか?
まったく先が読めないなか、編集の小林さんに相談したら、
「え〜、そうしたら、死んだダンナさん、可哀想じゃないですか」
というご意見でした。
さて。この恋の行方はどうなるか、あとは皆さんの想像におまかせします。
(りくちゃんみたいに言ってみました。)

『ユリディケ』サイトに相関図を公開しました2026年05月08日 13:56

ユリディケの人物相関図、公開しました。


このブログにも載せておきます↓↓ 私の描いた各国の紋章やスケッチを
チャーミングなデザイナーの畠山さんに、電子データ化をお願いしました。
枠の雰囲気はサラファーンの2000年後なので、サラファーンの地図のより、
少しだけモダンな感じにしてみたそうです。
よかったら、クリック拡大して見てみてくださいね。

ユリディケ相関図

(頼りになるディレクターの荒川さんが、あっという間にサイトに掲載してくださり、
あわてて、ブログでお知らせをしております。)

イザボー・レヴィトの儚げな美しさ2026年02月18日 17:53

今朝もフィギュアスケートで一日が始まりました。
起きたときにはもう第四グループの最後の一人で、ショート一位の中井亜美選手の演技は
あとから観たのですが、若さ弾ける笑顔で、ほんと爽やかで可愛かったですね。
トリプルアクセルも目の覚めるような鮮やかさでした。
「道」は高橋大輔さんがフリーに使っていて、大好きな演目でした。バンクーバー五輪では
日本男子フィギュア初のメダルに輝いたのも心に残っています。あくびで始まる冒頭。
そして、コミカルな演技と、ダイナミックな演技を使い分けていました。
両手を広げて感情が高ぶるように上下させる振付、あれからいろんなスケーターが
取り入れるようになった気がします。
中井亜美ヴァージョンの「道」も、衣装を含めてとってもいいです。イタリア映画の曲を
イタリアで演じるというのも、観客ヘのアピール充分ですね。

最終グループの演技はライブで観たのでドキドキワクワク。
坂本花織選手は(惜しい回転不足があっても)さすがの演技。そして、大好きな曲。
”Time To Say Goodby” 胸に染みます。

ここでひとつ訂正です。先日の記事で、坂本選手はサラ・ブライトマンのソロ曲だと
書いたけれど、オリジナル、アンドレア・ボチェッリとのデュエットでした!
ごめんなさいm(_ _)m
アンドレアの声が重なるころには、もう私は真剣にかおちゃんの演技に没頭していて
聞こえているはずなのに、歌、半分聞いてないんですね。(←いいわけですが。)
今回も最初、サラの声で始まるから、そこでうっとりして、あとはもう、演技に集中。
ミスしないで!と祈るように観ていて、気がつかなくて、
その時間はまだ寝ていた母と、あとから一緒に録画を観て、そのときはもう私は
結果を知っていて余裕ですから、で〜んと構えて観ていたら、初めてアンドレアの
声が聞こえました^^; なんてこと。大好きな歌なのに。
でも、何度観ても壮大できれいで、曲にぴったりあっていて、大好きな歌が
いっそう好きになります。今も頭の中で聴こえています♫

千葉百音選手も、緊張しているようで、どうなるかと心配しましたが、出番では
リンクに笑顔で飛び出していって、とてもよかったです。
ラストダンス。本当に、ショートの最終滑走で、その重圧に負けず、よく頑張りました。

ショートは単独ジャンプは3回転以上の規定ですが、2回転になってしまって、
がっかりしている選手が多かったのが、可哀想でした。
特にアンバー・グレン選手は、最終組でトリプルアクセルが本当にダイナミックに
決まっただけに、落胆も大きかったでしょう。涙をぽろぽろ流していて、こちらも
悲しくなりました。
マリニン選手がアメリカの応援に来ていましたが、彼女のその姿を見て
とても切なそうな顔をしました。誰よりも彼女の胸の内がわかったのだと思います。

ところで、本日のお題目。
大好きなスケーターの一人、アメリカのイザボー・レヴィト選手。
初めてみたときから、すっかり魅せられてしまいました。
儚げな美しさと、スケーティングのなめらかさと、繊細な演技。
今回のショートは、ソフィア・ローレンのメドレーだったけれど、ずいぶん可憐な
ソフィア・ローレンです。振付もチャーミングで、彼女の魅力たっぷりでした。

スケーティングのほかに、彼女の好きなところは、私の中のリーヴのイメージに
ぴったりなところです。
サラファーンの星4部作のヒロインのひとりで、ちょっと憂いを秘めた榛色の
瞳の少女。
イザボー選手を最初に見たときから、「あ、リーヴだ!」と勝手に喜んでいました。
もう少し早く登場してくれていたら、4部作の相関図を作る時、リーヴの参考に
できたのに。そう思ったほどでした。
もちろん、本を読んでくださっている方は、それぞれのイメージを持っていてくださって
いいんです。あくまで、私の中の、ということで。
物語の中で、リーヴは13歳から16歳まで(だったと思う)なので、イザボー選手は
リーヴの未来、という感じかな。

『ユリディケ』では、リーヴはレアナとして転生していますが、レアナも彼女と同じ
イメージです。
リーヴもレアナも、儚げに見えるけど、比類なき強さを秘めている娘。
イザボー選手もそんなふうに感じます。

彼女、70点を越えたのに、最終グループに入れないという、ハイレベルな戦い。
日本の3人は、1、2、4位につけていて、本当にすごい。
フリーが楽しみです。
「まだ終わってないよ」ショートの後りくちゃんが木原選手にかけた言葉。素敵ですね。
各国の選手みなさんが、それぞれのベストな演技ができますように☆☆☆

『ユリディケ』相関図の原案です2025年09月15日 19:23


相関図の原案

『ユリディケ』の相関図、少しずつ進んでいます。
こちらはデザイナーの畠山さんにお送りした原案。(誤字があって恥ずかしいです^^;)
細かいですが、クリック拡大でなんとなく雰囲気が伝わるでしょうか。
やりとりするうちに、この説明はいらないな、と思ってカットしたり、
畠山さんから素敵なアイデアを出していただいて、何か所か変更していますが、
おおよそはこんな感じ。

四角いアイコンはイラスト入りになります。八角形のはイラストなしです。
イラストは先月末にようやく仕上げました。(目と体調のことがあり、前に予告した通り
4部作のイラストを少し変えただけのもある超省エネ型。ユナの顔はルシタナのまま、
グルバダもダイロスのままーー少し首の角度を変えたり髪をさわったりしましたがーー
です。でも、あんなに、二度と描くものか、と思っていたわりには、とても楽しい
仕事でした。いえ、でも、ほんと、もう二度とキャラの絵は描かないと思います!)

その手描きの絵を畠山さんが電子的に描き直して、相関図が完成し、さらにそれを、
荒川ディレクターが『ユリディケ』のWebサイトに組み込むという手順を踏むので、
公開にはまだ時間がかかります。いましばらくお待ちくださいませ🙇‍♀️

名古屋は猛暑が戻ってきて、今日も猛烈に暑かったですが(明日も暑そうです)、
先日から各地で続く雨や竜巻の被害も深刻です。
被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

岐阜でたびたび水害に遭っているので(実家は土地が低くすぐ横を川につながる
側溝が流れていました)、そのときの恐ろしさがよみがえってきます。
どうかあまり被害がありませんようにと祈るばかりです。
どうぞ引き続き、くれぐれも気をつけてくださいね。

LGBTQ+とサラファーンの星〜2:ハル・ソーン2025年02月22日 12:11


ハル(色付き)

サラファーンの星とLGBTQ+のお話の続きです。今日は、ハル・ソーン。
都の通信員で通っていますが、その実は、王室情報部の精鋭「第七班」の諜報員。
同じ諜報員だったロンドロンドの友人で、ディヴァレアン王子の学友。
父親のソーン卿は、第七班の長で、生まれも育ちも良いはずですが、若いときから
大いに羽目を外す問題児。
でも、大胆不敵な性格と、その知性を買われ、諜報の仕事についています。
いつもクールで、どこか世の中を斜に見ている三十代の独身男。
本人がいうには「第一夫人は酒、第二夫人は海」。
酒に強く、各国の情報を集めるため何度も航海に出て、海をこよなく愛しています。
どこから見ても、頼れる兄貴のハルですが、わたしの想像なんですけれど、
性根は優しく、感性が鋭く(そうじゃないとスパイは務まりませんよね)
繊細な一面も持っています。

第一巻では、諜報の仕事から足を洗ったロンドロンドに、昔の仕事に戻るよう持ちかけ、
第二巻で、説得に成功し、ともに命を懸けて世界を守るために奔走しますが、
これも作者の想像ですけど、ハルはずっとロンドロンドを愛していたんじゃないかな。
おそらく、学生時代、最初に会ったときから。
そのロンドロンドが、ずっと従姉のフェルーシアに恋していることは察知しているので、
自分の恋が実らないものであることも知っている。だから、決して口にしません。
そして、ロンドロンドの幸せを祈って、「(従姉に)告白しろよ」とアドバイスし
恋の行方を見守ったりしちゃいます。

書きながら、ハルの想いを感じて、ちょっと切なかったです。
父親のソーン卿も、気がついているだろうなと思いました。
それでも、第七班の長として、息子やロンドロンドの仕事を、黙って見守っている。

ハルは、諜報員としてすこぶる優秀で、物語は彼の活躍なしには成り立ちません。
第四巻で取る、彼のある行動も、もちろん、世界を救うためではあるのですが、
愛するロンドロンドを救うためだったのだろうという気がしています。

でも、いつもお伝えしている通り、それぞれの読者の方が、キャラクターも物語も、
余白の部分を好きなように想像するのが、読書の醍醐味だと思っているので、
ハルのことも、同性愛者に限らなくてもまったくOKです。
プレイボーイで、港みなとに彼女がいるかもしれないしね!

ところで、キャラクターのイラストとして、世の中を斜に見る彼には、文字通り、
斜に見ているポーズがほしかったので、荒川ディレクターのアドバイスに従いました。
すなわち、「描きたいポーズを自撮りをして、スケッチをする」。
で、男性の身体の厚みを出すために、ガウンなどをモコモコ着込んで、
その上に、知人からもらった、ゆったりしたシルクのシャツをまとい、
でーんと構えて、腕組みしました。
↓↓
キャラ用自撮り

逆サイドの腕とか、指とか、ああ、こうなるんだとわかって、確かに描きやすかったです。
なお、公式サイト掲載のイラストは、デザイナーの畠山さんが、わたしの素人絵を、
デジタルのイラストに仕上げてくれたものです。「砂色の髪」とかベストや柄の色合い、
そでのゴミをとってください、など、いつもながら面倒なリクエストにも動じず、
本当にありがたかったです。

今朝は名古屋でも小雪が降りました。でも、歩けるくらいで、しっかりリハビリのための
散歩をしてきました。
日本海側を中心に大雪が続いていますが、能登は特に厳重警戒だそうで、
地震や大雨のあとも大変な日々が続いていて、被災地の方々の大変さは想像もつきません…。できるだけ被害が少なく、寒波が早く過ぎることを祈っています。

絵とピアノとタイムリミット2025年02月17日 15:20


水彩色鉛筆

先日、ガンの寛解後、最初の検査結果を聞いてきました。
「状態変わらず」ということで、それはよかったのですが、
抗がん剤の副作用である末梢神経障害は、半年から1年ぐらいたって治らなければ、
一生残る場合が多いそうです。
手の痺れが、治療直後よりも、ほんの1ミリずつよくなっている感覚があったので、
そのことを先生に伝えると、そう言われました。
今がリハビリの頑張り時だそうです。
治療が終わって一年というと、タイムリミットは10か月を切っています。
わぁ〜。真面目にやらなきゃ!(別に今まであえてサボっていたわけではありませんが。)

足の麻痺は、マッサージと歩くくらいしかないようですが、手は使ったほうがいいそうで、
イラストを描こうと思っています。
前に書いたと思いますが、サラファーンの星のキャラクターを(おだてられて)描いたとき、
ほんとーに大変だったので、もう二度とイラストは描かない!と宣言したのに、
『ユリディケ』を書き終えたら、やっぱり紋章やキャラクター相関図を作りたくて、
紋章と地図まで描いたところで発病し、キャラはペンディングになっていました。
でもきっと、指のリハビリになる!と思って、少しずつ始めようと考えているところです。

サラファーンのときに参考にしたイラストの本はほとんど捨てちゃったけど、
水彩色鉛筆はさすがに捨てられずにとっておきました。
上の写真がそのセット。母が持っていた24色に加えて、さまざまな水色を中心に
東急ハンズで買い足したものと、コンパス(紋章を描くのに使いました)と絵筆など。

下の写真は、そのお絵描き道具をしまっている箱。
甥っ子が生まれた時、父の知人がプレゼントしてくれたクマちゃんのお皿が入っていた
運べるケース。可愛いので、ずっと前には、カセットテープを入れていました。
(カセットテープ! わかります? 巻き戻しとかできるやつです。巻き戻しって
死語なんですってね。)

お絵かきセット

あと、2年前に買って放ってあった電子ピアノを、少しずつ弾き始めています。
Eテレでやっていた「3か月でマスターするピアノ」を録画していたので、
見てみましたが、初心者にサティの『ジムノペディ』。ハードル高い!
バイエルまで習った人には、ショパンの『革命』。マジ? 私の場合、
ピアノを弾いていたのは中学二年まで。
右手の音符の読み方はだいたい覚えていますが、左手の読み方は完全に忘れています。
(どこが基本のドですか?という感じ。)

電子ピアノを買ったのは、『麗しのローレア』の副旋律を譜面に起こすためで、
曲は頭の中にはあるので、それを楽譜にしたいのですが、まずは、しっかり左手の
譜面を読めるようにしなければ。
3か月でマスター〜の本田先生、すごく可笑しくて、楽しいです。
(でも、生徒さんは大変ですよね。)
昔弾いたショパンやシューベルトも弾けるようになるといいなぁ。
それで末梢神経障害のリハビリになるのだから、一石二鳥?

というわけで、体力を取り戻すために日々散歩しながら、手のリハビリも続けています。
(すぐにめげそうなので、こうしてブログに書いて、逃げないようにしています😆
その効き目のほどは、果たして?!)

手足は、痺れているのにひどく痛む時があって、毎朝、足の痛みが目覚まし時計みたい
でしたが、朝の痛みがだいぶよくなってきたので、やっぱり歩くのはいいのかな。
ほかにも、まだ副作用が残っていますが、基本、焦らずに、と思っています。
千里の道も一歩から、ですね!

LGBTQ+とサラファーンの星〜1:ヴァレッタ2025年02月04日 11:59


ヴァレッタ

さて。お約束の〈サラファーンの星〉とLGBTQ+のお話。初回はヴァレッタです。

アトーリス王国の都にある士官相手の高級倶楽部にいる女性。
脇役で、ほとんど出てこないので、キャラクター相関図には入れていませんが、
ありありと浮かんでくるキャラで、相関図のイラストを描いている時、
落書きみたいに描かずにはいられませんでした。それがこの鉛筆のスケッチです。

彼女の話をする前に、まず、とても大事なことを。
登場人物について(物語もそうですが)私はすべてを知っているわけではありません。
むしろ、謎の部分のほうが多いです。
だから、読者の方がそれぞれ感じることが、正解であって、ここでのお話は、
あくまで私が感じたことです。
キャラクターによっては、わりとはっきり主張する人もいれば、曖昧な人もいます。
そうかな〜と私が察するくらいの感覚が、最も多いかもしれません。

ヴァレッタが最初に登場するのは『石と星の夜』。
王室情報部のステランとパーセローが、暗殺事件の捜査線上に浮かんだ陸軍士官
〈ハンター〉の愛人であった彼女に会うシーン。です
洒落た小窓のある部屋で、ヴァレッタは鏡台に向いて化粧をしながら、鏡越しに
彼らの質問にこたえます。つり上がった目に、燃えるような赤銅色の髪。
ステランのことは「坊や」と呼び、刑事コロンボみたいにしつこく質問を繰り出す
パーセローも軽くあしらい、愛人だった〈ハンター〉に対しても、氷のように冷たい態度。
パーセローは反発を感じますが、話しているうちに、鏡を通してこちらを見る妖艶な
まなざしに思わず惹かれ、そんな自分にぎょっとします。

ヴァレッタが〈ハンター〉の愛人であり、事件の鍵を握っていることは、
平民に身をやつした王子ランドリアを通して、ステランに知らされるのですが、
ヴァレッタとランドリアの間には、深い信頼関係があります。

ランドリアの正体をヴァレッタが知っていたかどうかは、私にもわかりません。
なんとなく感じていたのかもしれません。
ただ、ヴァレッタはランドリアにずっと恋心をいだいていて、
〈ハンター〉とは、仕事上の付き合いだったとは思っています。
そして、ヴァレッタには、同じ職場に女性の恋人がいたのではないかと。
どんな彼女だったのかなぁって想像するのですが、ランドリアと同じ黒い髪か、
あるいは金髪。そして年下で、可愛らしい感じの女性じゃないかな。

ヴァレッタを描くのは楽しかったです。自由に生き生きと動いてくれて、
とりわけ好きなキャラクターでもあります(興味のある人しか描かないから、
キャラは誰しも、どこかしら好きになるのですが)。
旅芸人の娘として生まれ、国中を渡り歩いたあと、今の仕事について成功を収めている。
自分に忠実で、彼女の中では、一本通ったものがある女性。
ある意味、一匹狼として裏の世界をわたるランドリアと共通点があります。
だから、信頼しあえたのでしょうね。
頭の良い女性で、ランドリアには愛する女性がいて、自分は決して愛の対象には
なりえないこともよく知っている。
だから、女性の恋人がいながらも、いつも心の奥には切ない思いがある。
それがたぶん恋人も知っていて、それでもヴァレッタを受け入れているのではないかな。
そんなふうに私は感じています。
でも、ヴァレッタは異性愛者だと思ってもらっても、まったくかまいません。

☆   ☆   ☆

日本でも、自治体単位では、同性愛者の権利が少しずつ認められつつありますが、
アジアで最も進んでいるのは、最初に同性婚を認めた台湾ですね。それからネパール。
そして、1月23日には、タイで同性婚を認める法律が施行されました。
タイではこの日、1832組の同性カップルが婚姻届を出したそうです。

人はもともと、多種多様な存在なのだと思います。それが自然であり、
そのようにつくられているのだと。
マジョリティが幅を利かせるのではなく、多様性を認める寛容な社会でありたいですね。

チェスターのようなワンちゃんに会いました2024年12月15日 16:11

ふたご座流星群の季節。寒い中、いつもなら外に出て夜空を見上げるのですが、
今年はその体力がなくて、時々窓から空を見上げただけで終わりました。
雲間から、木星がきらきらときらめいているのが見えましたが、
雲が流れる中で、流星を見ることはできませんでした。
でも、流れ星がたくさん降り注いでいると想像するだけで素敵ですね☆

このところ寒さが厳しく、風も強いのですが、今日の午後は母と散歩に出ました。
母は杖をつき、わたしは例によって低血圧でふらふらしながら歩くので、
「二人で一人前」です。

近くの住宅街の中をゆっくり歩いていると、ゴールデンレトリバーを連れた女性が
先の四つ辻に現れました。
ゴールデンはおっきくてちょっとベージュ色で、まさに、〈サラファーンの星〉に
登場するチェスターのイメージです!

わぁ〜、なんて可愛いの!と思わず見つめてしまうと、まだ離れていたのですが、
ワンちゃんもわたしの視線に気がついて(飼い主さん〜長身の素敵な女性〜は
左に曲がろうとしていたのに)こちらに来たがる素振りをしました。
なんだか申し訳なく、優しそうな飼い主さんと黙礼を交わすと、彼女は道を変えて
こちらに。そして、ワンちゃんは、まっすぐわたしの方に寄ってきてくれました。
わーい、嬉しい。
手の甲をそっと差しだすと、ワンちゃんは両手の間にフンフンと顔を突っ込み、
熱烈なご挨拶。首をなでたら、道にころりと転がって、お腹を見せてくれました。
本当にひとなつこい! きっと愛情いっぱいもらって、幸せな人生(犬生?)を
送っているんだな。
「どうもすみません」と女性。いえ、こちらこそ(引き止めてしまって)
すみません、とこたえながら、お腹をなでさせてもらいました。
優しい飼い主さんとチェスターそっくりの可愛いワンちゃんのおかげで、
マーガレットが亡くなって沈んでいた心が、ぽっと温かくなりました。

ワンちゃんがわたしのひじに手をかけて、ねえねえ、というふうに言った(少なくとも
そんなふうに言ってる気がした)大きな手の感触が、今も腕に残っています。

数日前は9歳のときに亡くなった祖母の命日だったし、友人の一周忌も迎え、
マーガレットの旅立ちも重なり、12月は寂しい月ともいえますが、
亡くなった人たちは、あとに残してきた家族や友人に笑っていてほしいかな、とも
思います。笑うのが難しい日もあるけれど、今日のようなことがあると嬉しいですね。
やっぱり、神さまは親切だなと思います。

ノーベル平和賞のことなど書きたかったので、また近々書きますね。