杏の花が咲きました2024年03月24日 22:10


名古屋大学の杏

友だちから、庭の杏(あんず)が咲いたとメールをもらって、名古屋大学の杏のことを
思い出しました。去年、名大に杏の木があると初めて知って、見に行ったのでした。
ネットで調べたら、今年の満開は14日だったと出ています。
大好きな杏の花を見逃す手はません! 急いで今朝行ってきました。
地下鉄の駅を降りて広場に出ると、博物館の建物の先に、淡いピンクの花が見えました。
あ〜よかった、間に合った!
地面には花びらがいっぱい散っていましたが、雨が降るなか、ご覧の通り、
可憐な花が、まだ半分ほど残っていました。

杏は花も実も大好きで、物語でもたくさん使っています。
『杏の花の咲くしたで』は、戦場の若者たちが、故郷(の恋人)を思って歌う歌です。
杏の花は、歌詞の二番に使いました。

村一番のべっぴんさん
鍛冶屋の息子に首ったけ
けれども平和が訪れて
いつか故郷に戻ったら
杏の花の咲くしたで
ぼくと踊ってくれるかい

いま、ウクライナやガザの戦場で戦う若者たちも、きっと故郷を、そして大切な人を
恋しく思っていると思うと、切なくなります。
世界中の戦争、紛争が、一日も早く終わるよう祈らずにはいられません。

ピンクレディー〜こぶりで酸味のある林檎2024年03月22日 14:24


ピンクレディ

先月、スーパーで可愛い林檎を見かけました。
ピンクレディーという名前で、酸味があると書いてあります! 最近は甘い果物が
もてはやされて、酸味のある果物本来の(と個人的に思っていますが)味が消えつつ
あり、酸っぱい果物が大好きなわたしは、果物マイノリティ。(ほんと悲しい。)
こんな機会はめったにありません。
嬉しくなって買って帰り、さっそく食べてみると、本当に酸味があって、
身が固く引き締まっていて、これぞ林檎!という美味しさです。

従兄が育てているスリムレッドも、小さくてジューシーで酸味があって美味しいです。
けれど、この季節はないので、林檎はしばらく食べられないと思っていたところに、
これは天からの贈り物。
でも、その後、二度とスーパーで見かけませんでした。
確かに、原産国のオーストラリアから栽培許可をもらって、日本でも栽培が始まった
希少な林檎って書いてあった気がします。
そこで、ググって、岩手県の果樹園から取り寄せました。箱もピンクでとっても可愛い。

ピンクレディ箱

日本で栽培している農場はまだ少なく、11月に収穫するという遅い林檎で、2月から4月が出荷時期とのこと。
酸っぱい果物が好きなマイノリティの方、スーパーで見かけたらぜひお試しを♡
(本当にカリッとかなり歯ごたえがあるので、前歯の弱い人は気をつけてくださいね。)

林檎って、本当に元気の出る果物だと感じます。なぜでしょうね。身体にもいいというから
それを全身の細胞が感じ取るのでしょうか。だからかな、神聖な果物だとも感じます。
見かけもかわいいですよね。
自分の物語にもたびたび登場させています。やっぱり好きなものを書いてしまうんです。
物語に出てくる林檎のイメージは、このピンクレディーやスリムレッド、紅玉、
グリーンスミス(日本では祝林檎かな)などのこぶりで甘酸っぱい林檎です。

『ユリディケ』の第一章にレアナの生徒、幼いハモンが出てきますが、旧バージョン
(1989年のデビュー作)では、エピローグにも登場し、
「ちょっと早いけど、うちのりんごはおいしいんです」というセリフを言います。
詳しくは書いていませんが、ハモンの家は林檎園を営んでいるんです。

そこから、『星の羅針盤』では、林檎園のハモン一家を登場させました。
たびたび書いていますが、シリーズで盗賊ジョーが地下牢を脱出するときに、
彼に力を与えるのも林檎。大事な小道具として、せひ登場させたかったのです。

『ユリディケ』の新バージョンでは、エピローグの内容をかなり変え、ハモン少年は
登場せず、よって、彼の家が林檎園を営んでいることはわかりません。
でも、わたしの中では、冒頭のハモンは、やっぱり林檎園の少年です。

戦争と平和と核と〜アカデミー賞に思う2024年03月17日 22:10

先日行われた第96回アカデミー賞授賞式で、日本の二作品がオスカーを受賞しました。
おめでとうございます!
長編アニメ賞の『君たちはどう生きるか』視覚効果賞の『ゴジラ−1.0』を含めて、
『オッペンハイマー』『関心領域』『実録 マウリポリの20日間』といった
戦争と平和、核の問題を考えさせられる作品が多く受賞したのは、今の世界情勢と、
それに対する人々の祈りが反映されていると言えるのではないでしょうか。

『ゴジラ−1.0』の山崎監督が、受賞後のインタビューで語っていました。
「ゴジラというのは戦争の象徴であったり、核兵器の象徴であるゴジラを
なんとか鎮める話だと思うんですけど、その鎮めるという感覚を世界が今欲しているの
ではないかな、それがゴジラのヒットの一部につながったのではないかと思います」

『実録マリウポリの20日間』の長編ドキュメンタリー映画賞は、ウクライナ映画として
初めてのオスカーだそうです。
チェルノフ監督は、そのことを光栄に思うと話したあとで、自分は、この壇上で、
この映画を作ることがなければよかったと言う初めての監督だろうと続け、
この賞をロシアのウクライナ侵攻と引き換えにできたなら……と、切実な思いを
静かな口調で吐露していて、胸がつまりました。

国際長編映画賞の『関心領域』も、深く考えさせられる作品です。
ホロコーストが行われているアウシュビッツ強制収容所の隣で平穏に暮らす一家を描く
静かな(そして、心理的にとても怖い)反戦映画。
受賞スピーチでは、去年のハマスによるイスラエルの奇襲や、その後のイスラエルによる
ガザへの報復に触れ、我々はどうやって抵抗すべきか?と問いかけ、
出演した女優さんが席で拍手をしながら涙を流す姿が見られました。

作品賞、監督賞を含め、最多七部門に輝いたのは『オッペンハイマー』。
主演男優賞のキリアン・マーフィは、スピーチの最後をこう締めくくっていました。
「この映画は原爆を作った人の話です。わたしたちは今も彼の世界に生きています。
この賞を、世界中のピースメイカー(平和を求めて努力する人、
平和をもたらそうと仲裁する人)に捧げます」
彼はアイルランド人。作品によって様々な顔を見せてくれる俳優さんですが、中でも
祖国の独立とその後の内戦を描いた『麦の穂をゆらす風』の演技が心に残っています。
そんな背景もあって、平和への思いは、とても強いのではないかと思います。

授賞式の翌日、クローズアップ現代で、ノーラン監督のインタビューを見ましたが
(オスカーを受賞する前にハリウッドで行われたインタビューです。)
10代の息子さんに映画の内容を話したとき、自分たちの世代は、核の脅威よりも
気候危機の方が差し迫った問題だ、というようなことを言われ、ショックを受けたと
語っていました。
その後、時計の針を逆に回したように、核の脅威が高まっています。
映画は、原爆の父と呼ばれる理論物理学者オッペンハイマーの視点で描かれており、
広島と長崎の惨状は画面に登場しないそうですが、
それでも、世界を破滅させる恐ろしいものを生み出してしまった、という
オッペンハイマーの苦悩、ジレンマは、映画紹介の画面から伝わってきました。

サラファーンの星四部作に登場する〈氷河〉は、核兵器のメタファーとして描いたこと、
『ユリディケ』を書いた時代、「地球温暖化」が叫ばれ始め、それも意識して描いたことは
このブログでも何度か書いていますし、本のあとがきにも書いた気がします。
そんな恐ろしい兵器を生み出した人物の心は、いったいどのようなもの
だったのか、物語を書き進めながら掘り下げ、体験していきました。
人物のバックグラウンドも、開発のきっかけも、世界も全く違いますが、
天才的な科学者が抱えるジレンマは、オッペンハイマーと重なるのではと感じています。

アカデミー賞授賞式を見たのは、たぶん、十数年ぶりです。諸々の事情で、
そんな余裕もなかったけれど、今回、気合を入れてWOWOWを入れ、久しぶりに見て、
自分がどれほど映画が好きだったかあらためて思い出しました。
物語を紡ぐようになったのも、幼い日、映画に恋したことから始まったのです。
4部門で受賞した『哀れなるものたち』も、とても好きな本、メアリー・シェリーの
『フランケンシュタイン』が下敷きになっているそうで、気になっています。
少し所用が重なり忙しい日々が続きますが、なんとかいろんな作品に足を運びたいです。

祈りの日 20242024年03月11日 22:10

3月11日。あの日から13年の歳月が流れました。
地震のあった午後2時46分、そして、能登半島地震のあった午後4時10分にも、
各地で黙祷が捧げられたと、テレビのニュースで伝えていました。
東北の方々が、能登の人々へ思いを伝えている姿に、
また、能登の人々が、東北の人々への祈りを捧げている姿に、心を打たれました。

ずっと、忘れてはならないこと。忘れてはならない日。
関連死を含めて亡くなった方と行方不明の方は2万2222名。
今なお2万9千名以上の方が避難生活をされているそうです。
福島第一原発事故の被害も影響も、依然深刻です。廃炉への道も不透明。
そんな現状にもかかわらず、そして元旦の大きな震災があったにもかかわらず、
原子力規制委員会は、能登半島にある志賀原発の再稼働を問題がないとしています。
不安で仕方ありません。地元の方はなおさらではないでしょうか。

実際に被災した方にしかわからないことが、たくさんあると思いますが、私も私なりに、
いろいろ考え、伝え続けていきたいと思っています。

言葉にできない思いで、胸がいっぱいになるとき、私はよく散歩に出ます。
今日の午後は、家から少し離れた街をあてもなく歩きました。
途中、小さな公園に、ボランティアの方が作った花壇を見つけました。
とても清楚な白い水仙がたくさん。黄色い水仙も愛らしいです。
もうネモフィラが咲いていて、名前の分からない隣の濃い紫の花の隣で揺れていました。
昨日までは強風が吹いていたのですが、とても静かな午後でした。
花たちも祈りを捧げているように思えました。

水仙

ネモフィラ、水仙

北陸のソウルフード(揚あられ)ビーバー3種2024年03月09日 17:38

先日、金沢の友だちが、地元を応援したいから、と送ってくれた北陸のソウルフード、
揚あられのビーバー。すぐになくなり、私も北陸応援にと(というより食いしん坊だから?)オンラインショップで取り寄せました。美味しいですよ〜♪
左から、梅味、カレー味、普通?のビーバー。白えび、カニ、あおさもあります。
北陸製菓のサイトによると、1970年の万博のカナダで展示されていたビーバー人形の歯と
お菓子を2本並べた形が似ていることが名前の由来とか。
ほどよい塩加減と昆布の旨味と書いてありますが、その通り。
封を開けると止まらなくなって、ほんと「危険なお菓子」です。

ビーバー3種

能登の地震から、2か月以上。
まだ断水が続いているところがあって、どんなに大変な毎日だろうと胸が痛いです。
どうか、一日も早く復旧しますように。皆さんにおだやかな笑顔が戻りますように。

そして、11日には、東日本大震災から丸13年を迎えます。東北もまだ復興半ばです。
津波あとの大川小学校の光景や、語り部の方たちのお話が、ずっと忘れられません。
せめて、今も行方の分からない4人のお子さんたちが、見つかりますように…。
その方たちを含めて、東日本大震災の行方不明者は、2520人だそうです。
そんなにたくさんの方の行方が未だわからないという現実に、言葉がありません…。

また東北を旅したいです。
そして、もう少し落ち着いたら、北陸にも足を運びたいです。

八重咲きの梅とメジロ2024年03月04日 15:10

昨日はひな祭り。散歩の途中、目の前をさっと小さなシルエットがよりぎました。
このサイズ。きれいな緑。メジロ!
そう思う間にも、目は自然と追っていて、すぐ横の満開の梅の木にとまったのを確認。
ド近眼で乱視、老眼の私の目。なぜか、こと鳥となると、イチロー並みの動体視力を発揮します(冗談です。でも、その瞬間だけ、いつもより良く見えるのは確かです)。
「写真撮らせてね」とそっとささやいて、先日のようにiPhoneでパシャリ。
八重咲きの梅は、八重揚羽かな。アゲハチョウのように大きいからその名がついたとか。
メジロは花の蜜を吸っています。
小さいから、見づらいかもしれません。クリック拡大するとわかるかな。

メジロ

私みたいに目の悪い人のために、黄色の丸で囲んでみました。

メジロ

この前のジョウビタキは、さすがに車だったから、写真は撮れませんでしたが、先週のヒヨドリや昨日のメジロは、長い間じっとしていてくれて(メジロは梅の枝から枝に移りましたが、基本的には同じ木でじっとしていた)、しばらく見ていられたので、よかったです。
野生の鳥が大好きです。だからかな、物語にもたくさん想像上の鳥を登場させます。

青い実をくわえてオリーブの木にとまるヒヨドリ2024年03月04日 14:16

先週のこと。母がリハビリをする間、整形外科の周りを散策していたとき、
目の前の歩道から、なにかくちばしにくわえて、慌てて飛び立った鳥がいました。
「あ、ごめんね」と言って目で追うと、道から少し入った大きなオリーブにとまりました。

青い実をくわえるヒヨドリ

とても小柄なヒヨドリでした。あまり小さくて(ツバメくらい)他の鳥かと思ったほどです。
でも胸元の模様や、頬が赤褐色でそうだとわかります。
口にはしっかりと、濃い青い実をくわえています。岐阜の実家の庭にもよく来ていました。
鳥たちにと、ミカンを餌台に置いておいたこともありますが、ジョウビタキやメジロなど
小さな鳥が食べていると、ヒヨドリがやってきて追い払って独占するので、やめました。
意地悪しないでよ〜と思ったものですが、こうして、人間(私)に気づいてあわてて
飛び立ったあと、葉っぱでいっぱいのオリーブに隠れたつもりで、じっとしている様子は、
とてもほほえましかったです。
撮らせてね、と心で言って、そっとスマホで一枚。この木の実、なんだろう。
オリーブには実がなかったから、オリーブではないみたいです。
上の写真では、クリック拡大しても、見づらいかな。こちらに矢印入れてみますね。

ヒヨドリと木の実

昨日は、今年初めてメジロに会いました。このあと別の記事でアップしますね。

ロシアのウクライナ侵攻から2年になります2024年02月24日 18:20

ロシアが突然ウクライナに侵攻して2年になります。
戦闘は、今なお先が見えません。
防空警報が鳴るたびに、幼い子どもたちまでもがシェルターに避難する日々など、
とても21世紀とは信じられません。
国連も機能不全に陥っています。ロシアが国連常任理事国のひとつですから。
グテーレス事務総長の苦悩に満ちた顔を見ていると、辛くなります。
どうかお身体を大切にと、そのたびに祈っています。

「人を殺してはいけない」
人間として、最も大切なことのひとつを守れない大人がいる世界。
パレスチナとイスラエルでも、シリアでも、アフガニスタンでも、ミャンマーでも
世界中で紛争や戦争が続いています。本当に悲しいことです。
その中で、軍需産業は莫大な利益を得ているのでしょうか。それもまた悲しいことです。
他人の不幸でお金を得て、なんとも思わないのかな。独裁者もそうだけど、不思議です。

今朝は、母のリハビリで整形外科に行きました。その帰り道、住宅街でのこと。
小さなシルエットが窓の右手を横切って、少し先のブロック塀にとまりました。
あの形と飛び方はもしや……。
土曜の朝とあって、後続車は全然ありません。車を脇に寄せて停車し、よく見ると、
やっぱり、ジョウビタキのオスです。真っ赤な胸もとがとってもチャーミング。
久しぶりに見かけました。

鳥たちは自然とともに生きていて、平和の使者のように思えます。
鳩がその象徴と言われますが、ほかの鳥も、小さな野鳥は特にそんな気がします。

ジョウビタキは、この季節から春にかけ、岐阜の実家の庭に、毎年つがいで来ていました。
ウグイスやメジロ、スズメ、セキレイ、キセキレイ、ムクドリ、ヒヨドリも訪れました。
シラサギも時々。一度は、アオサギが来てびっくりしました。
マンション暮らしになり、庭がないので、鳥たちが来ることはなくなりました。
友だちが、かわりにと思ったのかな、小鳥のカードを送ってくれました。
これはなんという鳥でしょう。わからないけれど、とても愛らしいです。

空に満月がかかりました。
ウクライナの、そして世界の平和を祈りながら、緑の封筒とカードの写真を載せます。
戦争が、一日も早く終わりますように。

小鳥のカード