ユリディケの歌〜ふたつの物語を結ぶ詩(うた)2019年04月30日 10:21

『ユリディケ』冒頭の詩は、〈サラファーンの星〉四部作とこの後日譚を結ぶ詩です。

四部作に登場するある人物が作ったという設定で、その人の名は『ユリディケ』の本文中に

出てきますので、名前だけは、そのときから決まっていました。

(でも『ユリディケ』を書いている間は、彼に関してはほとんど何も知りませんでした。)


改稿にあたり、漢字を二か所変えましたが、読みは同じです。

(序まり→始まり 雪溶け→雪解け)

また、クリックしてページを開けるようタイトルをつけました(これ、悩みました!)


 明日から新たに訪れる令和の時代が、平和で光に満ちた時代となるよう祈りながら、

平成最後のブログをしめくくりたいと思います。


  〈ユリディケの歌〉

  やがて闇が天を覆い
  氷が地を閉ざすとも
  暗黒の長き冬は
  始まりの前の終焉

  死の吹雪の彼方から
  生の息吹はめぐりくる
  早春のヴェールをまとい
  女神リーヴが地に降りたつ

  あらたなる祝福に
  大地は永い眠りから醒め
  大いなる栄光に
  歓びの賛歌を謳う

  雪解けの水は調べ
  若草は野に萌えたち
  時満ちて戻りしもの
  天使ユリディケが矢を放つ

  青く輝く生命(いのち)の矢は
  失われし光を降りそそぐ
  偽りの永遠は無に還り
  真実の永遠が甦る

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