キャラクター相関図ができるまで2019年03月09日 20:56


Webサイト制作において、最も苦労したパートのひとつが、キャラクター相関図です。

最初は、もっと脇役を入れ、銀色狼や犬のチェスター、小鳥のフィンなど、
動物も入れていたのですが、さすがにややこしいだろう、ということで、ボツに。

人数を考え、何度も描き直してく仕上がったのは、ほとんど解読不可能な込み入った図。
デザイナーの畠山さんが、それを、きれいなチャートに仕上げてくれました。
そのときの図がこちら。(現在のとは少し違います。)
いつもながら、ほれぼれする仕事ぶり。(畠山さん、ありがとうございました♡)

次なる問題は、イラストを描くキャラを何人にするか?
イラストを入れること自体、読者の想像の余地がなくなる、という意見もありましたが,
かといって、イラストがまったくなかったり、ほんの数人というのもさびしい。
しかし、何十年も絵など描いたことがない人間がやるのだから、多いと厳しい。
頼れるWebディレクター荒川さんと相談し、全体の半分ほどに落ち着きました。

かつて絵を描いていた母から、水彩色鉛筆セットを譲り受け、
イラストの本をごっそり買ってきて、まずは、最初にラフスケッチを描いた
ジョーとリーヴから始めました。
いきなり難航。。。
先が思いやられ、特に難しいと思われるダイロス(なにしろ絶世の美男)と、
彼の師匠ガリウスの2名を、やめようかな…と、荒川ディレクターに相談しました。

「そうなると、ギルデア帝国、誰もいなくなっちゃいますよね」と鋭い指摘。
「はい」とわたし。おそるおそる、「それって、まずいですか?」
「まずいんじゃないですかね」ディレクター、きっぱり。

そんなこんなで、現在シルエットになっているキャラは、順次アップする予定です。
それぞれのキャラクター、頭の中には明確なイメージがあるのですが、
それがぱっと絵になると、どんなにいいでしょう!
(ついでにいえば、頭の中にある物語が、ぱっと原稿になると、どんなにいいか!)

相関図を印刷して手もとに置いて本を読みたい、というご意見をいただき
Webサイトのキャラクターページからプリントアウトできるようにしました。
読書のお役に立てていただけたら、幸いです。

過去と未来への祈り〜8年が過ぎて2019年03月12日 11:51

東日本大震災とそれに続く原発事故が起こったのは、父が肺炎で急逝して間もない時でした。

真っ黒な津波や、水素爆発を起こす原発。おびただしい数の犠牲者……。

父を失った喪失感に、震災と原発事故の衝撃が重なり、

書くのが仕事だというのに、それからしばらく、ペンを執ることができなくなりました。

 

あれから8年。

いまなお、気持ちの整理がつかないところがあり、胸には衝撃と悲しみの余波があります。

そして、いまなお、多くの方が、仮設住宅での暮らしや避難生活を続けています。

時は悲しみを癒すというけれど、悲しみは深まることもあるし、

時間は止まってしまうこともある……。

 

わたしはいま、幸運にも、生かされています。

亡くなった方たちへ鎮魂の祈りを捧げながら、その方たちの分も精いっぱい生きて、

世界を、あのときよりも、よいものにしていかなければ、と思っています。

昨日と今日は、祈りの日。そして、決意を新たにする日。

昨夜は、月が、とてもきれいでした。

ニュージーランドへの祈り2019年03月17日 14:11


クライストチャーチ

ニュージーランドのクライストチャーチは、ガーデンシティと呼ばれる花と緑の街です。
大学の卒業旅行で訪れ、2年半前に再訪しました。
美しかった大聖堂が、2011年の地震で崩壊したのはニュースで知っていましたが
実際にこの目で見ると、本当にショックでした。
でも、みんなで手を取りあい、その悲劇から立ち直ろうとしているのが、旅人のわたしにも
伝わってきて、とてもあたたかな気持ちにもなりました。

その再建途上にある平和な街で起こった今回のテロ……。とても信じられません。
暴力からは、なにも生まれない。悲しみと憎しみのほか、なにひとつ。
そして、憎しみは連鎖し、さらなる暴力を生み、破壊と混乱をもたらします。
誰かを傷つければ、いつか自分に返ってきます。
なぜなら、すべてはつながっているから……。

世界はいま、気候変動や核の脅威、予期せぬパンデミックなど、多くの危険にさらされ
ています。
世界終末時計は、日本への原爆投下の2年後にカウントダウンが始まりましたが、
現在、地球滅亡の2分前。
互いに争っている時間はありません。
いまこそ、世界中の国が、人が手をつなぎ、知恵を出し合っていく時です。

分断ではなく、協調を。
憎しみではなく、愛を。
テロで犠牲になった人たちとそのご家族を思いながら、心から祈っています。

初めての詩と小学校の文集2019年03月19日 21:02


絵里ちゃん手作りの文集の表紙

初めて詩(らしきもの)を書いたのは、小学校三年の時です。
詩や作文を書いて、友だちと交換して作品を集め、それぞれが文集を作ったのでした。
表紙もなにもかも手作り。
こちらの写真は、幼なじみの絵里ちゃんの表紙。紫の色使いが素敵です。
絵里ちゃんのパパはベレー帽姿もダンディな絵描きさんでした。きっとその血筋ですね。

記憶力がよくて物持ちもよい絵里ちゃんは、こうして小学校時代の文集も残っています。
わたしは、記憶力は悪いし、物持ちも悪く、文集も手もとにありません。
(10回ぐらい引っ越ししたので、そのせいもあるかな、と言い訳したりして。)

ただ、初めて詩を作って、すごくわくわくしたことだけは、鮮やかに覚えています。
「見たこと、感じたこと、何でもいいんだよ」
先生の言葉に、「もみじ」というタイトルで、庭のもみじのことを書きました。

庭には、
もみじの木が三本ある。
みんな、
赤色にそまった葉をつけている。
夏は、
青色をしていたのに。
まほう使いみたいに、
葉の色がかわった。
赤ちゃんの手の色が
かわっていくようだ……

初めての詩は、とってもつたないけど(葉は緑だよね?というツッコミ所も)
詩を好きになった原点、そして、創作の原点です。

絵里ちゃん、写真をありがとう。
今日はお誕生日だね。おめでとう! 素敵な一年になりますように!

思わぬ事故2019年03月28日 11:27

日曜日、思わぬ事故で脊椎の圧迫骨折をしてしまいました。
衝撃を受けた際、バキッと音がしたので、ああ、やった、と…。
幸い、『ユリディケ』連載の昨日27日分は、ネットにアップする準備ができていたので
(いつもはぎりぎりなのに)無事公開できてよかったです。

救急病棟のベッドでCTの順番を待っているとき、わたしは、動けないだけで、意識は
はっきりしているので、病人や怪我人が次々と運び込まれてくる様子がよくわかりました。
スタッフの方々の親身でプロフェッショナルな対応はすごかったです。
わたしがお世話になった救急隊員や看護師さんたちも、優しく、かつ、てきぱきされていて
本当に頭が下がりました。ありがとうございました。

コルセットも昨日できあがり、それをはめたらずいぶん楽になりました。
三か月はずっとはめていて、おとなしくしていなければならないのですが、とりあえず
動けるようになって、ほっとしています。

ところで、イチロー選手が引退しましたね。本当に唯一無二の存在だと思いますが
彼のなにが特別だって、どんなときにも、黙々と努力を重ねることだと感じます。
記者会見で、記録はいずれ誰かが抜いていくと思うけれど、去年の5月からシーズンの
最後の日まで、あの日々はひょっとしたら誰にもできないことかもしれないと、
ささやかな誇りを生んだ日々だった、と語っていたことからも、そのことを強く感じました。
第二の人生に幸あれと祈らずにはいられません。

そして、世界フィギュア選手権も終わりました。(骨折騒動で、エキシビションを
見逃しましたが、妹が録画してくれました。楽しみです。ほんとは民放でアイスダンスや
ペアもオンエアしてほしいなぁ…)
ものすごくハイレベルな試合で、連日熱戦でしたね。

スポーツである限り、採点方法が決まっていて、美しくすべった選手が必ずしも一位では
ありません。でも、かつて、荒川静香さんがトリノ五輪で、点数より美しさにこだわって
イナバウアーで人々を魅了したように(結果的に金メダルで、それも素晴らしかったですが)
ひとりの観客としては、美しい舞が好きです。

宮原知子ちゃんのフリーは、本当に力強く美しかった。わたしの中では金メダル!
羽生くんとチェン選手のすさまじい対決も鳥肌ものでしたね。ただ、やっぱり美しさで
いえば、断然羽生くんだと思います。
今シーズンは、ジョニー・ウィアー(人柄も含めて大好き!)とプルシェンコに捧げる
特別なプログラム、というところも、心を揺さぶられました。
怪我からの復帰もすごかった。まだ完治していないようなので、大事にしてほしいです。

ほかの選手もみんな応援したいです。ひたむきに取り組んでいる姿を見ているだけで
胸がいっぱいになります。いつも、見習いたいと思っています。

『ユリディケ』出版&デビュー30周年2019年03月31日 21:12

『ユリディケ』は1989年の3月に出版されました。
現在、手もとには、1993年の4刷りしかなくて、日にちはわからないのですが、
そういえば今月だったと、ふと思いだしました。(あと2時間と少しで4月です…)
デビュー30周年でもあり、そんなときに骨折するなんて、いかにもドジなわたしらしい
と、妙に納得してしまいます。

『ユリディケ』の初稿は、最初、高校時代のクラスメイト岸井美恵子さん
(大学でも同じ学部&同じ体育会洋弓部。児童文学の出版社、理論社の編集者です)に
読んでもらいました。
入社後初めての年賀状に、「将来、ふー(わたしのニックネーム)の本を、わたしの編集で
出せたらと思っています。夢は大きく」と書いてくれたのが、本当にうれしかったのです。

素人の書いた荒削りの物語は、出版が決まるまで紆余曲折あり、時間がかかりましたが、
やがてゴーサインが出て、編集者がもうひとりつくことになりました。
友だちでは、お互いやりにくいのではと、岸井さんが心配してくれたのです。
やはり同い年の女性で、全員20代のチームとなりました。

みんな若いだけに(というか、おそらくわたしが物知らずであったために)、
いろいろと真正面からぶつかりました。
大変だったことのひとつは、タイトル。
『ユリディケ』では、なんの話かさっぱりわからない、というふたり。
でも、わたしの頭の中のイメージは、『ユリディケ』しかありません。
互いに一歩も譲らず、ようやく、サブタイトルをつける、ということで落ち着き、
何十もの候補を出し合って、その中から「時をこえた旅人たちの物語」を選びました。

PR用の葉書も作ってくださるなど、つねに新しいアイデアを思いつき、
真摯に取り組んでくださったおふたりには、いまでも感謝の気持ちでいっぱいです。

さて。明日は新元号が発表されますね。
新しい時代が、平和で平らかな世界をもたらしますように。