今年も杏ジャムを作りました2023年06月25日 15:30

初めて手作りの杏ジャムを口にしたのは、ずっと昔『ユリディケ』を出版する前後、
友人たちと埼玉の美しい清流沿いを旅したときのこと。
その小さな町には友人の友人が住んでいて、彼女の家でお茶をした際、杏ジャムをたくさん
作ったからと、いただきました。新鮮で甘酸っぱく、ものすごく美味しくて(市販のより
甘さ控えめで)、みんなでこんな杏ジャム食べたことないねと話したら、
「あら。簡単よ。杏と砂糖と煮るだけ」と、作り方を教えてくれて、全員にお土産として
小さなタッパーに分けてくれました。

その味が忘れられず、翌年、信州の果樹園を探して、杏を取り寄せ、ジャムを作りました。
こんな不器用者にもできるのか?と半信半疑で。
そうしたら! ちゃんとできたのです。
杏に切り目を入れて、くるっとひねって種を取り、鍋に入れてグラニュー糖をふりかけ
(長持ちさせるには杏の量の50%だけど、わたしは少なめにします)一晩置いて火にかけ
アクを取りながら煮るだけ。そっとかきまぜるのがコツです(果実感が残るから)。
その後、姪と甥が生まれ、ふたりとも杏ジャムが大好きになり、ほぼ毎年作るように。

今年は杏の出来がよくないと聞いて心配しましたが、なんとか2キロ手に入り
まずは、よく色づいた半分を糖度33度で作りました。

杏ジャム糖度33

少し手間なのは、このアクを取る段階だけ。5分もすればきれいになります。

杏ジャム作り

まだ熟していなかった分は、数日後、色づいてから28度で作りました。
酸味が強いので、ヨーグルトによく合います。

杏ジャム糖度28

埼玉の清流を訪れた時、一緒にいたのがイタリア人のジュリアーノさん。
『ユリディケ』の印税をぜ〜んぶはたいて5週間ヨーロッパを旅したとき、
イタリアを案内してもらい、フィレンツェでは彼の知っている修道院に滞在。
生の杏がデザート用に食卓にでていて、陽気なシスターたちと、毎日いただきました。
そのさわやかさも忘れられません!
そうしてますます杏大好き人間が出来上がり、〈サラファーンの星〉シリーズでは、
杏は欠かせないアイテムとして物語に出しちゃいました。
そのまま食べたり、ジャムにしたり、「カシェル」という郷土料理にも使ったり。
杏の最も重要なシーンは、「ミンカ」という焼き菓子に使われるところ。
幼い頃にさらわれた少年(盗賊の親方に命を救われ、やがてあとを継いで黒のジョーに)
の母親(ヨハンデリ夫人)が作ってくれた「おふくろの味」です。彼は2歳だったので
焼き菓子のことは覚えていませんが、その香りはしっかりと心に刻まれています。

杏は、新バージョンの『ユリディケ』でも使いました。
ユナとレアナの家には、杏の木があるし、エンディング近く、リーが杏入りの
焼き菓子「ミンカ」に目を輝かせるシーンを入れました。
リーは黒のジョーの生まれ変わりなので、絶対にこれが好きだなって思って。
ヨルセイスが、その昔エルディラーヌに渡った人たちから教わったと言っていますが、
教えたのはもちろん、ヨハンデリ夫人。
そんなことを新バージョンにひそませるのも、楽しかったです。
(犬好きですがーーなかなか事情があってかえません(T_T)ーーもしいつかわんちゃんに
ご縁があったら、「あんず」って名前にしちゃおうかな〜)

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