『ユリディケ』エピローグ公開しました2022年08月09日 15:10

大変お待たせしました。
『ユリディケ』のエピローグ公開しました。
(あとがきも、近々添えます。まだ書いてないですが…)

エピローグをめぐる裏話なども、またお話ししますね。

長崎の原爆投下から77年。
平和への祈りを込めて、長い物語を終えたいと思います。

「あとがき」のあとがき2022年08月22日 10:52

昨日、『ユリディケ』改稿版の「あとがき」をユリディケサイトにアップしました。

2019年に連載を始めたときは、それからわずか三年半のあいだに
世の中もプライベートでも、これほどいろいろなことが起こるとは、
思いもしませんでした。(たびたびの長い休載、ごめんなさいm(_ _)m))

物語では戦争は終わったのに、現実では戦争が世界を揺るがしています。
本当は争っている場合じゃなくて、みんなで力を合わせて
パンデミックや気候変動、異常気象に向き合わなくてはならない時なのに。
ひとりひとりが想像力を持って、他者の痛みを感じ、
なにげない日常の幸せを、誰もが感じられる世の中になりますように。
そう切に願いながら紡いだ物語でした。

1989年の旧バージョンは、全25章(&エピローグ)。
新バージョンは、全44章(&エピローグ)。
第三部がとても長くなり、自分でもびっくりしました。
「あとがき」でも少しお話ししましたが、理由として、
〈サラファーンの星〉四部作を書くことで、ダイロスの横顔を知ったこと、
そのダイロスに奪われた大いなるダイヤモンドの鍵を握る人物として
盗賊ジョーが全編に登場したことを考えると、彼はどこかにいるだろうと
思ったこと、
旧作のクライマックスがしっくりこなかったことなどが挙げられます。
どうして、そんなことが最初からわからなかったのか???
まったく間が抜けているったら、自分でも呆れています。

第一部は、逆に、旧バージョンをかなりシェイプアップしています。
サラファーンの第一部『星の羅針盤』には、一見のどかな日常の場面に、
伏線を潜ませてあるのですが、『ユリディケ』の冒頭は、
ほとんどそうした伏線がないので、短くしたりカットしたりしました。
追加した場面もありますが、第一部全体としては短くなったんじゃないかな。

もちろん、ユナが二本の剣の魔力を解き放ち、預言を成就させるという
流れそのものは変わっていません。
ただ、預言を成就させたあと、ユナはエルディラーヌに行くんじゃないかな
と感じて、そのあたりも新たに入れました。
二千年前に会えなかったフィーンの王と王妃にも、やっぱり会わなくちゃ、
と思ったし、エレタナの兄、ユリス王子も、すごくユナに会いたがっていたし。
彼がデュー(ランドリア王子)と再会できたことにも、ほっとしました。

〈サラファーンの星〉とのよすがを感じられるようなエッセンスを
そこここにちりばめられたことも、改稿してよかった点だと感じています。
銀色狼や黒猫のアイラは、サラファーンの欠かせない存在ですし、
登場人物の見る夢や、ふとしたときに感じる感覚にも、そうした要素を
しのばせました。

エピローグは、かつて旧バージョンの冒頭を書いたときから、ずっと浮かんで
いたエンディングでもあるので、最後の最後の部分は、ほぼ昔のままにしました。
前半部分はかなり変えました。
〈サラファーンの星〉を書いているときから、これは絶対に外せない、と
思っていた要素があったので。
エピローグをめぐるエピソードとして、次回紹介しますね。

『ユリディケ』エピローグ裏話Part12022年08月30日 17:01

裏話となると、四部作を含めて、スポイラーになってしまう箇所もありますが、
エピローグに関しては、それほど気にならない部分かなと思っています。
(注:これは作者の独断で、あまり当てにはなりません。
というのも、わたしは、映画でもメイキングとか見たあとで本編を観て
あ、これはあんなふうに撮ったシーンだ!と思うんだけど、たとえば、妹などは、
絶対になにも知らないで観たり読んだりしたいそうで、わたしが少しでも
話そうとすると、「あ〜〜! 言っちゃだめ〜〜!!」と耳をふさぎます。)

さて。まずは、エピローグの新バージョンと旧バージョンについてですが、
新旧ともに、第一章と呼応させている構成は、同じです。
舞台はユナの故郷クレナで、レアナのシーンで始まり、ユナの帰還で終わります。
最後、ユナが風に吹かれて、世界との一体感を感じているところも、まったく同じ。
このシーンは、昔、最初に『ユリディケ』のアイデアが浮かんだときから
はっきりと映像が見えていたので、変えられない部分でした。
(派手さは全然ないんですけど。)

そのほかの部分は、ほとんど変わりました。
〈サラファーンの星〉四部作を書いたあとでは、このエピローグが
すべてのエンディングともなるわけで、
(もっと大きな意味では、おそらく、40章からエピローグまでを
エンディングと呼ぶべきかもしれませんが)
やっぱり、四部作で切ない別れをした友だちとは、めぐり逢わないとね!
というわけで、
復活してほしいと願っていたキャラクターを登場させました。
『ユリディケ』は、2千年前の世界の終わりを乗り越えた、
あらたな希望の物語だから。

そこで、四部作を読んでいる人には、そうだとピンとくるように、
また、今作だけ読んだ人には、とってつけたようにならないように描くよう
心がけました。
(そうなってるといいのですが……。とにかく、そんなわけで、
エピローグは早くから取りかかり、何度も書き直していました。その過程で、
バドとディーンは、第4章から名前だけさりげなく入れてみました。)

ピンと来てもらうにはどうするか?
最も単純な方法として、四部作と同じ名前にしました。
主役たちは、ユナ(=ルシタナ)やレアナ(=リーヴ)ルド(ウィルナー)
など、名前がほとんど変わっているのですけれど、
エピローグは短く、想像がしづらいという問題があります。

なので、バドはバド。シャスタはシャスタ。ジョサはジョサ。
ディーン先生はディーン先生。
そして、犬のチェスターはチェスターです♡

バドとシャスタは、2千年前、ヒューディとレアナの親友でした。
バドは通信兵として、シャスタは看護師として戦場に行き、
レアナたちとの再会を願っていたのに、叶いませんでした。
それがとても切なくて、『ユリディケ』の改稿の際には、
絶対に会えるように、と決めていました。

バドとシャスタの外見も、わかりやすく、前と同じにしました。別に
同じにしなくてもいいんだけど、まずは、この二人が出逢ったときに、
お互いにわかりやすいほうがいいし。
どちらも熱い人たちだから、お互いを見つける前に、
うっかりほかの人に恋しちゃってもいけないしね。

いざ書いてみると、バドは思いのほか、うっかり者ではありませんでした。
明るいし、やさしいし、面白くて、人気あるだろうし、
付き合った女の子はいただろうけど、家につれて来て紹介するほどの彼女は
いなかった。レアナが、バドが友だちのことを話すのを聞いて、
男友だちだと勘違いするほどに。
心配することはなかったなぁ。

四部作では、みんなのお気に入りのお店が出てくるんだけど、
(バドとシャスタが最初に出逢う場所でもあります)
そこの「ファゼ」というデザートはシャスタのお薦めです。
(ファゼって、『ユリディケ』一番の食いしん坊の名前に似てますね。)
リーヴ(レアナ)との別れの日にもシャスタと二人でオーダーする
そのなつかしのデザートのことも、新エピローグに、ちらっと入れました。
(どんなデザート?と思われたら、公式サイトのWorldページの
自然と暮らし〉コーナー食べ物のとこをチェックしてみてくださいね。
こちらから飛べます。)
↓↓

バドの父、ディーン先生も、四部作で非業の死を遂げてしまったので
どうしてもまた会いたくて、登場してもらいました。
実際に出てくるシーンはなくて、会話の中だけですけれど。
奥さんは、もちろん最愛のエリーです。
バドとシャスタは、かつて、戦場でいろいろと悲惨な経験をしたと思うんです。
今回、二人が医師の道を選んだのは、そんなことがあったからかもしれません。

ジョサやチェスターのことなど、また次回、裏話Part2に書きますね。

私事ですが、家族の一番の懸案事項が、頼れる相談員さんのおかげで解決しました。
本当に、彼女をはじめ、たくさんの人に感謝の気持ちでいっぱいです。
まだ妹の病気や自分自身の心身の問題などありますが、よき精神科の先生のもと、
通院を続けて、看護師さんの訪問看護も受けながら、
少しずつ、元気を取り戻していこう思っています。