みんなの力で時間をかせぐ〜心を合わせて世界を守ろう2020年04月19日 17:30


バーン=ジョーンズのステンドグラス(ウィンチェスター大聖堂)

16日、緊急事態宣言が全国に拡大されました。
誰にとっても、心身ともにつらい時間ですが、
今こそ、ラグビーの「ワンチーム」のように、全員の力が必要とされるとき。
ここが頑張りどころ、力の見せどころです。

新型コロナウイルスには、まだ、ワクチンや有効な治療法がないので、
ひとりひとりができるだけ家にいて、感染が広がるのをおさえ、
時間をかせぐことが、なによりも大切なんです。

なぜなら、その時間を使って、ワクチンや治療法を開発したり、
感染した人の治療をすることができますから。
(感染者が一気に増えると、医療が追いつかなくなるし、
無症状の人が感染を広げるリスクも、高まってしまいます。)

それに、気を緩めて外に出る人が増え、感染拡大がおさえられなかったら
「おうちにいよう」作戦は、何か月も長引いてしまうでしょう。
そんなことになったら、よけい大変。仕事を失う人も増えてしまいます。

人類の歴史を振り返ってみても、
これほどまでに全員の力が必要とされる時は、なかったのではないでしょうか。

今はできるだけ家にいて、みんなで心を合わせて、世界を、命を守りましょう。

そして、そんななか、忘れてはならないことが。
家にいたくても、いられない人がいます。子どもが心配でも高齢の親が心配でも
大事な使命のために、外に出ていかなくてはならない人たちが。

福岡市では、毎週金曜日の正午に、医療従事者の方々に感謝の拍手を送る
「フライデー・オベーション」が始まりました。
命の危険をかえりみず、最前線で戦っているお医者さん看護師さん、
救急救命士の方々や、そのほか大勢の人たち。その人たちがいなければ、
世界は文字通り、崩壊してしまいます。
本当に、ありがたいです。

物流にたずさわる人たち、スーパーやドラッグストアのレジの人たち、
公共交通機関にたずさわって休むことのできない人たち、
そのほか、日々の暮らしを支えてくれる人たちにも、たくさんの拍手を送りたいです。
本当に、ありがとうございます。

今朝は、イギリスの友人から、
元気でいようね、家にいながら楽しみを探そうねとメールが届きました。
全世界が、同じように、頑張っているんだと感じます。
日本だけじゃない。まさに、世界はワンチーム。

グローバル化の時代。
ひとつの国で感染が抑えられても、他の国で感染が広がれば
それはふたたび、めぐってきます。
どこかで爆発的な感染が起きれば、ウイルスが凶暴化することもないとも限りません。

この状況が、一日も早く終息しますよう、そして、
罹患して懸命に戦っている方々が一日も早く回復されますよう、心から願っています。

そして、すべての祈りを込めて、
一年半前訪れたウィンチェスター大聖堂で撮った写真を。
大好きな画家、エドワード・バーン・ジョーンズのステンドグラス。
ステンドグラスを通して降りそそぐ光に、心あらわれるようでした。

ウィンチェスター大聖堂

ニッキ〜恋多き闘う看護師2020年04月23日 13:25


戦う看護師ニッキby fumiko

看護師ニッキは、第二部『石と星の夜』から登場する、諜報員パーセローの妹です。
ほとんどの男性より背が高く、強くて体力もあり、すごく細いのに、
いわゆる痩せの大食いで、とっても食いしん坊。
親友のマリアとともに、食べることが大好き。
でも、おっとりしたマリアと違って、とっても気が強く、炎のような性格です。

ほれっぽくて、すぐに恋に落ちて、とっても情熱的。
都の陸軍病院では、訓練中の落馬で負傷した見習士官を好きになって婚約したり、
従軍看護師として向かった野戦病院では、ボランティアで来た医師、ランス先生に
ほれこんだり、瀕死の状態で運び込まれた若者(黒のジョー)に、
いつのまにか恋したり。

曲がったことが大嫌いで、間違っていると思えば、どんな権力にも負けずに
盾突くので、あちこちでクビになったり、問題を起こしたり。
つねに患者の立場に立って、命を救うためなら、自分のすべてを捧げます。

欠点もいっぱいだけど、ニッキはちっとも憎めなくて、彼女のイラストを描くのは
けっこう楽しかった記憶があります。(いつもは拷問のようなのですが!)
顔も細面で、すらりとした感じが出るよう、首を長くして、制服もそれが引き立つ
デザインしてみました(上のスケッチ)。
そして、それをもとに、いつものようにデザイナーの畠山さんが、素敵なCGにして
くれたものが、こちらのイラストです。
(眉と瞳がわたしのスケッチより優しく、畠山さんの性格が反映されています(*^_^*))

看護師ニッキbyF&M

ニッキが命がけで戦場の最前線に立っていたように、今、世界中の看護師さんが、
わたしたちを守るため、命がけで最前線に立ってくれています。

眠る時間もないほど、肉体的にきついのですが、精神的にもきついと聞きます。
患者さんの臨終に、家族の方々に立ち会ってもらえないことが多くて、
家族の悲しみを思うと、とても辛いというのです。
医療に従事している人たちには、人のために役に立ちたいという、優しい心の人が
多いと思うので、いっそうこたえることと思います。

そんな医療従事者の方々を差別する人がいるといいます。
とても悲しいことですね……。
そういう人たちにも、知らずに感染して感染を広げている人がいるかもしれません。
誰でもその可能性はあるのですから。
また、もし自分が発症して倒れたら、そのときに救ってくれるのは医師や看護師の方々。
ちょっと想像力を働かせれば、わかることですよね。
そういう人たちは、本当に少数だと思いますが、万が一、医療従事者を差別するような
人に出会ったら、そんなふうに伝えてみてくださいね。

毎日、感染で亡くなった人のニュースを耳にします。
昨日は、岡江久美子さんが亡くなりました。
もちろん、直接知っているわけではありませんが、
美人なのに親しみやすく、明るくてやさしい方がと、ショックで残念です。

看護師さんたちが胸を痛めているように、お別れも満足にできないし、
これまでに亡くなった多くの人たちの時もきっとそうであったように、
ご家族の無念さ、悲しみの深さは、想像することもできません……。

こんな悲しいことが少しでも少なくなるよう、今はじっと家にいようと思います。