数学で戦争を止めようとした男2019年09月14日 17:22


『アルキメデスの大戦』ムビチケ

戦争と平和は、わたしにとって、生涯のテーマです。

ものごころつく前から、始終戦争の夢を見て、本当に怖かった。

ですので、誰に言われるでもなく、戦争について深く考えるようになりました。

サラファーンの星で、戦争や国家の暴走を止めようとする者たちを描いたのも

自然ななりゆきでした。

 

『アルキメデスの大戦』は、数学で戦争を止めようとした男の物語と聞いて

ぜひ観たいと思っていた作品。

写真は、生まれて初めて使ったムビチケです。

 

時は1933年。

映画は、戦艦大和の建造に邁進する帝国海軍と、開戦を止めるべく、

その海軍に挑む若き数学者の、息詰まるような攻防を描いていきます。

戦争が起こることは、史実として知っていても、

なんとか止めようと奔走する主人公を、応援せずにはいられなくて

タイムリミットが迫るなか、手に汗握って観ていました。

 

映画の主人公は実在の人物ではありません。

けれど、当時、戦争を止めようとした人たちは数多くいたと思います。

そうした人々の、叶わなかった願い、平和への祈りもこめられた作品とも

いえるのではないでしょうか。

悲惨な戦争が起こってしまったという事実を前に、

ラストの主人公の表情は、観る者の心を激しく揺さぶります。

緊張感の中に哀しみの漂う音楽も、心に残りました。

 

わたしは数学は苦手なのですが、主人公の「数字は美しい」という言葉は、

わかるような気がします。

数式を描くところは、宇宙の神秘をあらわしているみたいで、わくわくしました。

(実在の天才数学者を描いた「ビューティフル・マインド」という映画も、

数式を描く映像が、とっても素敵なんです。)

演じる菅田将暉が、猛烈な勢いで黒板に書き殴っていくのですが、

エグゼクティブ・プロデューサーの話によると、

彼は本当に数学が得意で、全部そらで覚えたそうです。

本当にびっくり!

 

その彼と、最初は反発していた部下、柄本佑とのコンビがなんともユーモラス。

やがて悲劇が訪れることを、観る者すべてが知っているなか、

そこはひとつ、ほっとさせられるところです。こういうシーン大事ですよね!

 

戦争を知らない世代が増え、平気で戦争をしようと語る政治家が出てくる時代。

こうした作品は、いまとても大切に思えます。

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