『ユリディケ』連載のお知らせ2018年10月30日 09:55


ユリディケ表紙(1989年刊)by 宇野亜喜良先生


『ユリディケ〜時をこえた旅人たちの物語』は、〈サラファーンの星〉四部作の2000年後の世界を描いた作品です。1989年に理論社から出版されましたが、現在絶版になっていますので、読んでいただけるようネットで連載することにしました。年末か年明けにはスタートできたらと思っています。


『ユリディケ』は、暗い伝説の時代を生きた仲間たちが、長い時を経てふたたびめぐり会い、ともに試練を乗り越え成長してゆく物語です。

 書き終えたあと、主人公たちとの別れが寂しくなったこともあり、彼らがかつて生きていた2000年前の時代は、どのような時代だったのか、そのときどんなふうに出逢い、どんな青春を生きたのか、どんな喜びや悲しみがあったのか、それをもっと知りたくなりました。伝説では(つまり〈サラファーンの星〉四部作では)、ある悲劇が起こりますが、なぜそのようなことが起こったのか詳しく知りたいと思ったのです。なにか深い理由があることは、わかっていましたから。

 そうして生まれたのが〈サラファーンの星〉四部作でした。


 書き手であり最初の読み手でもあるわたしが、ひとつひとつ〈真実〉を探しながら時代をさかのぼっていったように、もしかするとこの物語は、あとの時代の話を先に読む方がよいのかもしれません。しかしながら、『ユリディケ』をもう一度出版することは、時間的にも資金的にも叶いませんでした。そこで、四部作を書き終えたら、ネットで発表しようと決心したのです。

 今そのための改稿作業を進めています。2019年はちょうど出版30周年。どなたでもお読みいただけるよう、半年か一年間、期間限定で公開して、そのあとは電子ブックという形でまとめる予定です。


 一冊で完結していますので、『ユリディケ』だけお読みいただいてもかまいません。

 そして、もしも主人公たちの前の時代のことを知りたくなったら〈サラファーンの星〉へ、という感じで。(先に書いたせいか、なぜか『ユリディケ』の方が序章のような気もしています。序章であると同時に、シリーズ全体の終章でもある、という立ち位置でしょうか。)


 ネタバレになるので詳しくは控えますが、〈サラファーンの星〉では非業の死を遂げる登場人物もいます。その部分は、わたし自身、書いていて辛かったのですが、この話は『ユリディケ』の時代、すでに伝説として語られている物語で、変えるわけにはいきませんでした。

 四部作を読んでくださった方に、彼らがふたたび活躍する物語を知っていただけたら幸いです。ちなみに、四部作を読んだあと、図書館でこのデビュー作を借りてくれた友人の感想は、「ああ、ほっとした!」でした。

コメント

_ メリー ― 2018年11月08日 23:43

小学生の時に図書館でユリディケの本に出会って以来、何度も何度も貸りては読み返しています。
どうしても手に入れたくて本屋さんを巡ったり、古本屋さんを巡ったり…。
こちらでまた読めるということで、とても嬉しいです。
魅力的なキャラクターたちにまた会えるのが楽しみです!

_ fumiko ― 2018年11月09日 21:35

メリーさま

何度も読んでくださっり、本を探してくださったり…本当に
ありがとうございます。
連載開始まで、しばらくお待ちくださいね。

_ トウモロコシの昭ちゃん ― 2018年11月14日 17:43

ついにウエブが公開されましたね。おめでとうございます。 いよいよ、『サラファーンの星』の後日譚『ユリディケ』がネット発信されますようで、楽しみにしております。 過労にならないようにして下さい。

_ fumiko ― 2018年11月17日 22:11

トウモロコシの昭ちゃん

ありがとうございます。
元気に頑張ります。

_ 君影草 ― 2018年11月20日 21:17

遠藤先生 はじめまして。我が子が負ったハンディの重さに希望を失いそうな日々を サラファーンの星 の世界に救われています。職業柄ついつい速読してしまうので 何度も戻って読み返し そのたびに光を頂いてきました。                                   ユリディケ連載楽しみにしています。・・・星たちの祈り も 懐かしいです。

_ fumiko ― 2018年11月21日 16:21

君影草さま

はじめまして。本を読んでくださってありがとうございます。

愛する人のハンディは自分のことより辛いですよね…。
お子さんにも君影草さんにも、光がいっぱい降りそそぎますように。

_ 安登野まつり(あとのまつり) ― 2018年11月22日 17:47

初めまして。

東京創元社さんのツイート(https://twitter.com/tokyosogensha/status/1065516162287513600)からこのHPにたどり着きました。

私はサラファーンの星から読み始め、後日譚であるユリディケの存在を知りませんでした。
サラファーンの星の最終巻で触れられていたことで初めてユリディケを知りまして、新バージョンの連載を楽しみにしておりました。
出来れば、同じ文庫本として手にとって読みたかったのですが…。

公開を楽しみにしております。

_ fumiko ― 2018年11月23日 00:27

安登野まつりさま

初めまして。コメントありがとうございます。

わたしもユリディケ紙の本で出したいです。
いつか実現できるよう精いっぱい努力しますね。

_ nancy ― 2018年11月27日 17:21

ユリディケがネット連載になることを知り、本当に本当にうれしいです。
サラフィーンの星を先に読んで、どうしても2000年後のことが知りたくてユリディケの本を求めようとしたのですが、絶版でとても残念に思っていたのでした。
サラフィーンの星の4部作は、わくわくドキドキで、1部から始まり、続編が出版されるたびにすぐに購入して読んだものでした。本当にすばらしい内容でした。
今度はユリディケの連載公開。
今からわくわくドキドキ、とっても楽しみです~♡

_ fumiko ― 2018年11月27日 20:44

nancyさま

熱いコメントありがとうございます。
本が出るたびに読んでくださったとのこと。とても嬉しいです。
ユリディケ、お待ちくださいね。
今と作風も違うし、少し短いですが、楽しんでいただけるよう願っています!

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