馬とハープとアーチェリー ― 2019年05月16日 23:57
子どものころから、馬とハープとアーチェリーに、ずっと憧れていました。
高校の部活の中には、馬術部とアーチェリー部、そして、アイリッシュハープのクラブが
ありました。
憧れていたグランドハープではないものの、ハープはハープです♬
見学したり、先輩の話を聞いたりして、その三つの中から選ぶことにしました。
まずはアーチェリー部。
面白そうでしたが、「練習は、お昼休みね」と言われたとたんに、あ、だめだと退散。
お昼休みは、ごはんを食べる時間です。絶対に譲れません。
続いてアイリッシュハープ部。
素敵なお姉さんたちが、美しい音色を奏でています。弾く姿もとっても優雅。
わたしも弦をつま弾かせてもらいました。わあ、なんて固いのでしょう。
ちょっと弾いただけで、指が痛くなってしまいました。
根性のない私には、とても無理です。
最後に馬術部。活動は大学と一緒で、早朝から馬場に行きます。
馬は可愛いけど、全体的にとっても厳しそう。やっぱり根性なしには無理そうでした。
困ったなと思って、なにげなく通りかかったのがコンピューターのブースの前。
簡単だよ、楽しいよ、との呼びかけに、うっかり入ってしまい、
プログラミングなどさっぱりわからず、さぼってばかりの幽霊部員に。
その後、大学でアーチェリー部に入り、やっと夢がひとつ叶ったのでした。
馬への思いも断ちがたく、卒業旅行でニュージーランドに行ったとき、
農場に泊まって、その農家の馬に乗せてもらったのが始まりで、
旅先で乗馬できる機会があると、乗りました。
物語の中で、馬を思いきり駆るシーンは、私の憧れそのものです。
ハープに関しては、こんな夢を見ました。
海辺の崖で、長いローブ姿の女性たちが、ハープで美しい調べを奏でているのです。
作中にはそういう描写は入れていませんが、その夢は、ランゲフニーの海辺で
海の民の乙女たちが、ハープに似た楽器を奏でているシーンに結びつきました。
『星の羅針盤』単行本の表紙とキャラクター ― 2019年05月20日 23:10
『石と星の夜』文庫版の表紙とキャラクター ― 2019年05月23日 17:14
文庫版のジャケットは鈴木康士先生。このイラストを見たときもびっくりしました。
ルシタナのイメージが、わたしが思い描いていた以上にルシタナに近かったからです。
ルシタナは父に武術を習い、母の勇気と芯の強さを受け継ぎ、愛情を一心に受けて
銀の森でのびのび育ちましたが、心の奥には、
人とフィーンのあいだに生まれた、たったひとりの存在としての孤独を秘めています。
ジャケットのルシタナのまなざしには、そんな強さと悲しみとともに
どこまでも信念を貫く意志を感じました。
ところで、こちらは前回載せた『星の羅針盤』の続きです。
あの単行本の『星の羅針盤』は、長いブランクを経て本を出す新人同然の著者の本でした。
昨今の出版事情はとても厳しく、出版社も当然慎重になります。
当時は続きも完成しておらず、『星の羅針盤』一冊での契約で、
シリーズタイトル〈サラファーンの星〉は入れたものの、
シリーズとはっきり銘打つわけにはいかなかったようです。
一冊読みきりと思って買ってしまい、そんなー!と思われた方も多かったと聞きました。
本当にごめんなさい。(シリーズでなければ契約しないと言えればよかったですが、
おそらく、そんなことを言ったら、この話はなかったことに、となっていたかな…。)
単行本は売れず、続きの出版は立ち消えの危機に。
そんなとき、一緒に完成を目指してきた担当編集者小林さんの尽力で、
文庫本でシリーズ化されることになったのです。
いざとなったら自費出版と覚悟していたのですが、ほっとしました。
単行本と文庫本ではイラストレーターが変わるとのことで、お任せしました。
キャラクター相関図でイラストを描くにあたり、リーヴとルシタナは、思いきり、
牧野先生と鈴木先生のイラストを参考にさせていただきました!
もちろん力が及ぶはずもなく、わたしの頭の中のイメージに近づけるのに苦労しました。
そしてやっぱり、おふたりの絵の方が断然本人に近いなあと、今も思っています。
(最初、Webサイト用に相関図を描いたときは、リーヴとルシタナは、
ジャケットをコピーして切り抜いて、貼り付けました。その図、おいおい載せますね。)
サラファーンの星公式サイト(ささやかに)更新 ― 2019年05月24日 21:35
Worldの詳細ページを少しだけ更新しました。
こちらで地図で国の紋章か名前をクリックすると説明がポップアップします。
その中でグレイに白抜きになっているアイテム(動植物や料理など)をクリックすると
小さなウインドウがポップアップします。
更新したのは、その説明部分。
今までの解説に加え、それぞれ作品のどこに出てくるか、登場人物とどのように関係するか
などを追加しました。
たとえば、アトーリスの月光酒。
三日月島で古くから願いをかけるときに酌み交わした酒ですが
『星水晶の歌』で、ロンドロンドとハルが、厳しい状況のなか、
幸運を祈って飲み交わすシーンに登場します。
こちらはカシェル↓ 実際の画面(スマホ版)です。
いまWorldページでComing Soonとなっている「自然と暮らし」に載せるアイテムの
準備をしているのですが、このカシェルや月光酒は各国のアイテムと重なります。
そんなわけで読み直し、もう少し物語にそった紹介をしたいと思ったのがきっかけで、
今回のささやかな更新となりました。
「自然と暮らし」コーナーは、アイテムが多くもう少しかかりそうです。頑張ります!
友との約束 タイムリミットは半年! ― 2019年05月29日 18:01
先日、『ユリディケ』のアイデアを打ちあけたとき、真摯に聞いてくれて、それ以来
ずっとわたしを信じてくれた友だちのことを書きましたが、今日は、時を同じくして
創作に身を捧げていた友だちとのエピソードを。
彼女は高校のクラスメイト。
大学では美学美術史を専攻し、卒業後、繊細で独創的なクラフトアートをデザインし、
その作品を載せた本を作ろうとしていました。
ちょうどわたしも『ユリディケ』に取りかかったところでした。
そこでお互い、半年で本を仕上げようと約束したのです。
期限がないと、いつまでもぐずぐずしてしまうから、と。
半年後、彼女は本の草案を完成させ、わたしも初稿ができていました。
そして、その後、わたしたちの本は、それぞれ世に出ることになったのです。
(それには、どちらも、もう少し時間がかかりましたけれど。)
彼女はサンリオ出版から『クリスマスリース』を上梓。
六本木の画廊と新宿伊勢丹で、本に掲載した美しい作品の個展も開きました。
わたしは、子どものころから、なにをするにもとってものろま。
幼稚園の時は、給食を食べるのが遅くて、
みんなが帰っても、いつまでもいのこりさせられていたものです。
『ユリディケ』も、物語が浮かんで頭の中で展開していくペースは速かったのですが、
彼女との約束がなければ、それを文章にするペースは、絶対にゆっくりで、
もしかしたら、何年もかかっていたかもしれません。
それを一気に書き上げることができたのは、彼女との約束があったおかげでしょう。
現在彼女はロサンゼルス在住のアーティストとして活躍しています。
天上的で美しく、独自の世界観に彩られた絵画は、見ていると、遙かなる世界に
誘われるようです。
ありがとう、Yuka。是非また日本で個展を開いてね。待っています。
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