『ユリディケ』出版&デビュー30周年2019年03月31日 21:12

『ユリディケ』は1989年の3月に出版されました。
現在、手もとには、1993年の4刷りしかなくて、日にちはわからないのですが、
そういえば今月だったと、ふと思いだしました。(あと2時間と少しで4月です…)
デビュー30周年でもあり、そんなときに骨折するなんて、いかにもドジなわたしらしい
と、妙に納得してしまいます。

『ユリディケ』の初稿は、最初、高校時代のクラスメイト岸井美恵子さん
(大学でも同じ学部&同じ体育会洋弓部。児童文学の出版社、理論社の編集者です)に
読んでもらいました。
入社後初めての年賀状に、「将来、ふー(わたしのニックネーム)の本を、わたしの編集で
出せたらと思っています。夢は大きく」と書いてくれたのが、本当にうれしかったのです。

素人の書いた荒削りの物語は、出版が決まるまで紆余曲折あり、時間がかかりましたが、
やがてゴーサインが出て、編集者がもうひとりつくことになりました。
友だちでは、お互いやりにくいのではと、岸井さんが心配してくれたのです。
やはり同い年の女性で、全員20代のチームとなりました。

みんな若いだけに(というか、おそらくわたしが物知らずであったために)、
いろいろと真正面からぶつかりました。
大変だったことのひとつは、タイトル。
『ユリディケ』では、なんの話かさっぱりわからない、というふたり。
でも、わたしの頭の中のイメージは、『ユリディケ』しかありません。
互いに一歩も譲らず、ようやく、サブタイトルをつける、ということで落ち着き、
何十もの候補を出し合って、その中から「時をこえた旅人たちの物語」を選びました。

PR用の葉書も作ってくださるなど、つねに新しいアイデアを思いつき、
真摯に取り組んでくださったおふたりには、いまでも感謝の気持ちでいっぱいです。

さて。明日は新元号が発表されますね。
新しい時代が、平和で平らかな世界をもたらしますように。