盗賊と泥棒のキャラクター2019年04月03日 21:07

どういうわけか、わたしの書く物語には、しばしば泥棒が登場します。
意識しているわけではないのですが、なぜか出てきてしまう。
ロビン・フッドや怪盗ルパンが好きだったからでしょうか。
(あ、もしかして、前世泥棒だったりして…?)

『ユリディケ』には、脇役として、フォゼとジョージョーという十代の泥棒二人組。
『精霊たちの森』では、泥棒ウィリーと呼ばれる若者。
そして、サラファーンの星四部作には、黒のジョーとその一味。親方に拾われて
育てられた孤児で、兄弟のような仲間たち。
こちらは盗賊で、ちょっとスケールが大きいですが、やることは同じ。盗みです。

全員、欠点はあれど(なにせ泥棒ですからね。褒められたもんじゃありません)
根っからの悪人ではなく、それぞれ優しい心を秘めた、どこか愛すべき存在です。

『精霊たちの森』は、かつて、小学五年生という雑誌の連載で
画家のきたのじゅんこさんがイラストを、わたしが文章を担当したファンタジー。
きたのさんの絵が先でそれにわたしが文章を書くときと、文章が先で、きたのさんが
絵を描いてくださるときとがありましたが、泥棒ウィリーは、絵が先でした。
繊細な森を背景に、どこか憂いのある瞳の若者が描かれた素敵な絵で、すぐに、
おたずね者の青年と、目の不自由な村娘の恋の物語が浮かびました。

さて。現在ネット連載中の『ユリディケ』に登場の二人組。
フォゼはよく食べころころと太って、ジョージョーは鉛筆のように細い臆病な少年。
イメージとして最初に浮かんだのは、彼らが木立に囲まれたテラスで昼食を食べている
ところでした。
そこへ若者が逃げてきて、追っ手である灰色の騎士が現れる、というシーンです。

今回の改稿にあたり、ここはぜひ直したいと思っていました。というのも、
30年前、旧ヴァージョンを読んだ叔母から、泥棒の言葉遣いが上品すぎると指摘を
受けていたのです。
(いわれてみれば、もっともな話。なんで気がつかなかったかなぁ。)
そんなわけで、彼らの「ぼく」という一人称は「俺」にして、セリフも少し変えました。

サラファーンの星には、転生して『ユリディケ』に登場するキャラが何人もいます。
ルシタナがユナであるように、決まっている場合もありますが、
フォゼとジョージョーは、この人、というのはありません。というか、わたしにも
わからないので(黒のジョーの一味かなとか、いや、別の人かなとか、はたまた、
サラファーンには出てこないのかな、とか、あれこれ思いめぐらしたりして)、
読む方に自由に想像していただければと思っています。

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